堤防の強靭化を。

<台風19号による死者77人のうち、亡くなった際の状況が判明した64人を毎日新聞が分析したところ、住宅内で水や土砂に襲われ死亡したのは27人で4割超を占めた。また、少なくとも3割近い17人が車での移動中に死亡していた。総務省消防庁によると、19号の通過中、最大で9都県の210万人(13日午後1時時点)に避難指示が出されたが、台風接近前の避難の大切さを物語っている。

 自治体や警察への取材を基に毎日新聞が分析した。住宅内で死亡した27人のうち17人が浸水で、10人が土砂崩れで亡くなった。27人中23人が60歳以上だった。

 福島県いわき市では、86~100歳の5人が住宅内で溺死した。堤防が決壊した川から約300メートル先の平屋に住んでいた関根治さん(86)は足腰が弱く、妻がベッド上に引き上げようとしたが泥水にのまれた。住宅の浸水による死者が相次いだのは同県本宮市4人、宮城県丸森町2人で、河川の堤防が決壊した自治体だった。

 一方、車で移動中に死亡した17人の中には、小学生2人や30~50代の5人が含まれ、比較的年齢層が若かった。相模原市の串川で軽自動車に乗った一家4人が流されたほか、宮城県蔵王町では、川に落ちている車から平間孝男さん(61)の遺体が見つかった。溺れたことによる窒息死だという。静岡大防災総合センターの牛山素行教授(災害情報学)は「車は少しの浸水で流されたり水圧でドアが開かなかったりする。災害時に外に出る危険性は徒歩と変わらない」と指摘する。

 屋外で遺体が見つかったのは20人で、うち18人は氾濫した川の周辺や河川敷、用水路や橋の上に倒れていた。福島県郡山市では川の周辺で母親(36)と男児(7)が遺体で見つかり、男児の兄(10)は行方不明。車も見つかり、車外に投げ出された可能性もある。

 残る13人のうち、7人は遺体が川崎市沖合で沈没したパナマ船籍の貨物船から見つかった。6人は死亡状況が不明で被害が深刻な福島、宮城両県の住民だった。

 高齢者の逃げ遅れなどが後を絶たない現状について、同志社大社会学部の立木茂雄教授(福祉防災学)は「過去に経験したり防災教育を受けたりしていない限り、警報が出ていたとしても実際に避難行動に移すことはハードルが高い」と指摘した>(以上「毎日新聞」より引用)


 台風19号で死亡した被災者の4割は自宅だったという。避難遅れが原因だというが、むしろ避難する間もない急激な増水が原因ではなかったか。
 その証拠に多くは堤防が決壊した地域の犠牲者だ。越水と異なり、決壊による増水は瞬く間だ。そのため避難する機会を失った老人などが犠牲者になったのではないか。

 その反面、次に多いのが自動車で避難途中の人たちだったという。自動車は床下のマフラーが浸かって排気口が塞がれてしまうとエンジンが停止する。想像以上にエンジンは脆弱だ。
 自動車を過信して家族を乗せて冠水した道路を走るのは危険だ。更に座席の高さまで水没するとドアが開きにくくなるし、自動車は浮いて流され始める。操縦不能に陥り、流されるままに深みへと嵌り込む。

 河川の堤防よりも低地に暮らす人たちは堤防が決壊した場合に浸水する水位を事前に知っておく必要がある。そうすれば二階へ避難していれば大丈夫なのか、それとも二階ですら危険なのか避難する判断が付けやすい。
 さらに遠くの避難所へ行くよりも、高台や三階建てのビルなどへ避難する方が安全な場合がある。まずは身の安全を図ることがすべてに優先される。ことに足の不自由な高齢者を抱える世帯は遠くの避難所よりは近くの高いビルなどへ避難する方が安全だ。

 もちろん避難勧告に従って、速やかに避難すべきはいうまでもない。ただ堤防決壊などによる急激な増水で避難する機を逸した場合は安全第一の選択と機敏な行動が必要とされる。避難する時間稼ぎのためにも土を積み固めただけの堤防にコンクリートの芯を入れる強靭化を行政は急ぐべきだ。

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