グローバリストも「クレージー」だと批判する消費増税。

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。101日から消費税が10%に上がり、「ポイント還元制度」や「軽減税率」などの新しい制度も始まります。それらを目前に控えて消費者や中小企業の間で混乱が起きているようですが、この増税に関して、ジム・ロジャーズ氏は「クレイジー!」と驚きます。
「もし私が日本の首相になり、国のトップとして責任を果たそうとするなら、何はともあれ支出の削減に取り組む。それもおのではなくチェーンソーで大木を切り倒すような気持ちで無駄な支出を削るだろう」
一般家庭の場合、家計収支が赤字になったら、まずは支出の見直しを考え、収支をトントンにしようとするはずです。しかし、日本の支出は増える一方で、プライマリーバランス(基礎的財政収支)はなかなか黒字になりません。
830日に来年度予算案の概算要求が各省庁から財務省に提出されました。一般会計の総額は、高齢化を背景に社会保障費などが膨らんだ結果、6年連続の100兆円超え、過去最大の105兆円程度となる見通しです。目を引くところでは、防衛省が宇宙やサイバー領域の防衛強化として過去最大の53223億円を求めており、警察庁は東京オリンピック・パラリンピックの警備対策として300億円を求めています。
「すでに問題を抱えている日本において、防衛費をはじめとする支出を削減することもなく、さらに増税を実施するのであれば、日本人は子どもを増やそうという気をますますなくしてしまうだろう。これが行き着く先は国の破綻だ」>(以上「東洋経済」より引用)


 グローバリストのジム・ロジャーズ氏も「日本の消費税10%はクレージーだ」と批判する。それは消費意欲を徹底的に減衰させて、結果として少子化を深刻化させて日本を衰亡へと導く」と批判している。私はグローバル化に反対するものだが、消費増税に対してはジム・ロジャーズ氏と考えを一にする。
 ただその後段のジム・ロジャーズ氏の財政規律論には与しない。財政を切り詰めては元も子もない。国民が個人消費をしないで民間企業も設備投資をしないとすれば、どこがGDPのエンジンを吹かすというのだろうか。どう考えても政府支出しかないではないか。

 まず政府が支出してエンジンを暖機運転しなければならない。そして消費税を減税もしくは撤廃して個人消費という主力エンジンを稼働させなければ日本のGDPは拡大しない。
 経済成長なき国は衰退するしかない。ジム・ロジャーズ氏は所得税や法人税を上げれば人や企業は国から逃げ出す、と論理を展開しているが、社会は「応能負担」が必須だ。それなくしては成り立たない。

 富める者が多くの負担をする、というのは道徳的でもある。それが嫌なら国を出て行く、というのなら「どうぞ」だ。住民票だけ海外に移して、所得の源泉は日本国内に残したままだ、というのなら国税庁は所得の源泉に対して所得税を課すから問題はない。住民税が入らなくなる、というのは地方自治体の話だ。
 企業の法人税負担を軽減して何が起こっただろうか。内部留保と巨額配当と経営者の不道徳的な巨額報酬の分捕りだ。その最たる現象が日産で露わになっている。巨額報酬を不当に手にした経営陣を国民は冷ややかな目で見ている。日本にグローバリスト的な儲けの仕方や経営陣の巨額報酬はそぐわない。

 「人を見て法を説く」という。ジム・ロジャーズ氏は日本国民というグローバリスト的な価値観を持たない国民相手に「投機家の神髄」を説いても始まらない。米国の金融工学がいかにインチキなものだったか、リーマンショックで思い知った。その延長線上にグローバリストたちの儲けの手口があることも、日本国民の多くは何となく感知している。だから「拠出型年金」商品や「証券投資」の規模が国民の貯蓄規模と比例したものに成長しないのだ。ジム・ロジャーズ氏は日本で「投機家」商売するのを諦めたらどうだろうか。
 ただし、彼の消費増税はクレージーだという安倍自公政権批判には同感だ。

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