安倍氏のダブルスタンダード。
<北朝鮮が24日、7月25日以降で7回目となる飛翔体(ひしょうたい)を発射した直後、日本政府は飛翔体を「弾道ミサイル」と断定した。北朝鮮は国連安全保障理事会の決議でいかなる弾道ミサイルも発射を禁じられており、安保理は緊急会合を開いて対応を協議するのが筋だが、開催を求める国はない。北朝鮮に融和的なトランプ米政権の影響で欧州や日本も沈黙し、安保理決議の権威は大きく揺らいでいる。
北朝鮮による一連の飛翔体発射について、その多くは短距離弾道ミサイルだったと日米韓などは分析している。ところが、安保理が対応を協議したのは今月1日の1回だけだ。
協議は英仏独が求めて実施されたが、安保理としての公式の会合ではなく、非公開にされた。終了後、英仏独の代表は会見し、「安保理決議に違反する(弾道ミサイル)発射を非難する」と述べたが、この見解も安保理としてのものではない。安保理関係者は「英仏独は北朝鮮の弾道ミサイル発射を『看過できない』として協議を求めたが、米国に相談し、非公式なものになった」と明かす>(以上「朝日新聞」より引用)
国連のダブルスタンダートは今に始まったことではない。いやダブルスタンダードこそが国連(=戦勝国クラブ)の真骨頂だ。
なぜなら安保理常任理事国の核保有は認めるが、それ以外の国の核は認めない、というのに疑義を挟まない常任理事会とはいかなるものだろうか。北朝鮮の弾道ミサイル発射に「国連決議違反」として制裁を課さないのはなぜだろうか。
むしろ米国のトランプ氏は「短距離弾道ミサイル試射はどの国でもやっている」とG7の記者会見で述べたほどだ。これほどあからさまな「米国一国主義」を披歴して恥じない米国大統領は寡聞にして知らない。いや前代未聞というべきだろう。
国連(=戦勝国クラブ)は世界平和のために機能していないし、世界平和を真摯に希求する機関でもないことは明らかだ。このような国連に日本が分担金を支払って、維持していく必要性がどこにあるのだろうか。
日本は国連でない、別の世界平和を真摯に希求する機関を設立すべきだ。国連の本質は常任理事五ヶ国の軍産共同体の利害調整機関に過ぎない。それを隠すために他のユネスコや人権委員会といった機能をおざなりに具備させ文化的な意匠を纏って繕っているが、本質は戦争屋の利害調整機関だ。
北朝鮮の短距離弾道ミサイルは平和な地域の国が単発的に行う試射とは全く異なる。それは戦時体制国家が隣り合う当事者国の試射だ。明確な使用目的の下で開発していることは論を俟たない。戦勝国の軍産共同体の利害に関係ないから「国連決議」に違反しようと安保理が沈黙しているというのでは国連の存在意義そのものを問わなければならない。
その存在意義を問うべき一方の当事者国の首相たる安倍氏までダンマリを決め込んでいるのは理解できない。それとも北朝鮮の短距離弾道ミサイルは「国難」ではなかったのか。あれほど騒ぎ立てjアラートまで鳴らした「国難」とすっかり解消されたとでもいうのだろうか。安倍氏も政治家として恥ずべきダブルスタンダードそのものだ。