この酷暑、来年東京オリンピックは開会中だが。

日本列島は2日も広い範囲で高気圧に覆われ、猛烈な暑さとなった。35度以上の猛暑日は全国236地点に上り、今年最多を更新。少なくとも3道県で計6人が熱中症の疑いで死亡した。
気象庁によると、最高気温は大阪府豊中市と岐阜市で38・5度、福岡県久留米市で38・4度、北海道帯広市で36・3度を観測。東京都心でも35・1度を記録し、2日連続の猛暑日となった。
 熱中症が原因とみられる死者も各地で相次いだ。
 北海道三笠市では午前0時15分頃、60歳代男性が自宅で意識を失っているのに家族が気付いた。救急隊員が駆け付けた際には心肺停止状態で、搬送先で死亡が確認された。北海道では登別市と美幌びほろ町でも、それぞれ60歳代と80歳代の女性が死亡。茨城県つくば市と筑西市では80歳と83歳の女性がそれぞれ亡くなり、山形県河北かほく町では54歳の男性が死亡した。
 広島県江田島市の海上自衛隊第1術科学校では午前11時15分頃、ボートをこぐ訓練をしていた10~20歳代の男性隊員9人が体調不良を訴え、病院に運ばれた。いずれも軽症という。
 暑さは鉄道の運行にも影響を与えた。JR各社によると、福岡県の筑豊線では気温の上昇が原因とみられるレールのゆがみが起き、一部区間で運転を見合わせた。北海道の根室線や岡山県の姫新きしん線などでも、同様の理由で運転見合わせや遅れが発生した>(以上「読売新聞」より引用)

 この酷暑の中、来年は東京オリンピックを挙行する。それがいかに愚かなことか、お解りだろう。屈強な若者の自衛隊員ですら「熱中症」で死亡する。
 巨額な建設費を投じたクーラーなき開放型新国立競技場で競技を行うアスリートたちは地獄の苦しみを味わうだろう。鉄道のレールが曲がる酷暑の中で、オリンピックを強行する「運営委員会」とは碌なものではない。なぜ開会期間を秋口にずらさなかったのだろうか。

 大スポンサーの米国企業の意図からそうなったと説明があったが、アスリートの健康や記録よりも大スポンサーの意図の方が優先する国際競技会とは何だろうか。それほどオリンピック運営者たちはカネが優先するのか。
 断言しておく、必ず来年のオリンピック期間に、アスリートか運営関係者か観客に「熱中症」の患者が大量に出る。不幸にして亡くなる人も一人ならず出るに違いない。なにしろ日本の夏を知らない海外からも大勢の人たちが、この酷暑の中会場へ詰めかけるのだから。

 中には炎天下で開催される競技もある。マラソンは早朝に開会するようだが、いかに発走時間を早めても湿度と気温が異常な日本の「熱帯夜」に走って万全なわけがない。
 日陰の少ないボート会場や競歩などはどうするのだろうか。まったく「狂気の沙汰」だ。商業主義に負けたオリンピックの代表として、来年の東京オリンピックは歴史に残るだろう。

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