「高齢者を運転者から追放する」キャンペーンは高齢者差別社会の到来か。

 年齢で差別する社会はマトモだろうか。交通事故がすべて高齢者絡みだとでもいうかのような「高齢者を運転者から追放する」キャンペーンをマスメディアが繰り広げている。
 ついには危険な「アンセルを踏み込んだらブレーキが掛かる」という装置まで持ち上げている。その装置がいかに危険か、実際に日々運転している者なら明らかだろう。

 たとえば交差点で右折する際には「速やかに」交差点を通過しなければならない。運転者の多くはアクセルをベタ踏みして発進している。たとえば坂道ではアクセルをベタ踏みして発進しているはずだ。
 一定以上踏み込んだらブレーキが掛かる、というのなら交差点の途中で急停止する「高齢運転者の自動車」が続出するだろう。坂道で発進できない「高齢運転者の自動車」が続出するだろう。他にもアクセルをベタ踏みしなければならないケースは幾らでもある。

 そしてマスメディアが「禁煙運動」キャンペーンと同じように、「高齢者を運転者から追放する」キャンペーンを張っている。これは危険だ。年齢により運転者を差別しようと目論んでいる。
 政府は75歳以上は自動停止装置付き限定免許にしようとしているという。地方に暮らす高齢運転者にとって「死活問題」だ。日々の足に軽トラを利用している多くの高齢者にとって、自動停止装置付きの安価な軽トラの中古車をどうやって探せというのだろうか。

 確かに暴走を防ぐには自動停止装置は有効だ。経済的に許されるなら私は次に自動車を買い替える際は自動停止装置付きの自動車を買うつもりだ。しかし、経済的に許されないなら普通の中古車を購入するしかない。
 公共交通機関を利用すれば良い、という人は地方の田舎に来て頂きたい。バス停はあるがバス停の時刻表に記されている便数は日に数便しかない。午前中に二便と午後から三便程度だ。鉄道のローカル線は一時間に一本あれば良い方だ。だから街の病院へ行くのが一日がかりになる。

 私は停止する際にエンジンブレーキを使わない。必ずチェンジレバーをニュートラルにして、ブレーキを踏むようにしている。そうすれば踏み間違えても空ぶかしするだけだ。
 高齢者が暴走運転したというニュースに接する都度、なぜ彼らは暴走し始めた時にチェンジレバーをニュートラにしなかったのか疑問に思わざるを得ない。暴走したら思考停止に陥るくらいなら、自ら運転を諦めるべきだ。

 自ら自覚して運転から卒業するのは良いが、マスメディアが一斉にキャンペーンを張るのは危険だ。世論誘導して政府の思惑通りに決めてしまう。マスメディアは財政規律論を全面支援して、日本経済成長させるべきとする正論を潰している。それにより日本は衰亡の坂道を転がり落ちている。
 「高齢者を運転者から追放する」キャンペーンを張った先には大量の引籠り高齢者を作り出すだけだ。公民館へ気軽に出かける足を奪って、高齢者を引籠りにして社会にとっていかなる効果があるというのだろうか。

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