「引籠り」は「社会適応障害」患者だ。

元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76)が東京都練馬区の自宅で長男(44)を殺害したとされる事件で、長男が事件直前、運動会中の児童らについて「ぶっ殺す」と発言していたことが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁の調べに対し、熊沢容疑者がそういう趣旨の供述をしたうえ、川崎市で児童ら20人が殺傷された事件に触れ、「長男が危害を加えてはいけないと思った」との内容の説明をしているという>(以上「朝日新聞」より引用)


「引籠り」が殺傷の当事者になる事件が連続している。川崎市の事件では昼のテレビ・ワイドショーでコメンテータ達が「甘やかし」だと親を批判し、「甘えている」と事件を起こした当事者を批判していた。
 なぜテレビのコメンテータ達が親子の「甘やかし」ごっこが事件を引き起こしたと安易に批判できるのだろうか。本職は弁護士や落語家だそうだが、彼らに「引籠り」の実態の何が解っているのだろうか。

「引籠り」は深刻な問題だ、という認識を持つべきだ。誰も家の中に引き籠って人生の大部分を過ごすことが「楽しい」とは決して考えていない。人には「自己実現欲」がある。社会で何かを成し遂げて、多くの人から自己の存在を肯定的に認めて欲しい、という欲望がある。
 そうした「自己実現欲」を心の闇に押し込めて、無為に日々を送るのは相当に辛いはずだ。それでも引籠るのは「社会適用障害」を発症しているからに他ならない、となぜ考えないのだろうか。「社会適用障害」を発症させている病理を精神科学的に紐解いて治癒すべきだ。

 全国に120万人もの引籠りがいるといわれている。120万人もの引籠りがいることはその倍以上もの人たちが引籠りを抱えて悩んでいることになる。それほどの大問題を「相互甘え依存」だと批判して済むことだろうか。
 「飲酒依存」や「薬物依存」などと同じように、「社会適応障害」にも行政が積極的に関わるべきだ。そして精神学会も「引籠り」の治療方法に関して何らかの処方箋を提起すべきだ。国民経済から見ても「引籠り」を「相互甘え依存」だと切って捨てられる規模ではない。愚かな門外漢のコメンテータに「甘えだ」と「引籠り」を言わしめているテレビ・マスメディア関係者の認識不足を批判する。

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