ブラタモリに学べ。

<千葉県・幕張メッセで毎年開催される「日本地球惑星科学連合大会」は、国内外の地球科学者が勢揃いする一大イベントである。2019年5月26~30日に行われた今年の大会は、参加者数8390名に及んだ。その大会で、私はコンビーナ(会議を企画・運営する人)としてパブリックセッション「ブラタモリの探究」(本記事ではブラタモリセッションと呼ぶ)を開催した。

研究者たちにもファンが多い
 私たちが『ブラタモリ』(NHK)を取り上げた理由はいくつかある。まず、地球科学の裾野を広げたいという使命感だ。大会の初日はパブリックデーとされ、学会の非会員も参加可能なパブリックセッションを開催できる。地球科学に関心を持っていただく人たちを増やすには絶好の機会なのだ。

 あわせて、地球科学のすべての分野の研究者が集まる場で、私たちの専門知を一般の方々に解説する方法論を議論したいことも理由のひとつだった。『ブラタモリ』は、そのヒントを与えてくれると思ったのである。

 ブラタモリセッションの参加者は、私たちのほぼ予想通りで、約6割が学会員の地球科学者、約4割が非会員のパブリックであった。

 ブラタモリセッションでは、番組内で案内人を経験した研究者たちから、『ブラタモリ』の人気の秘訣が評価された。私と一緒にコンビーナを務めた萬年一剛さん(神奈川県温泉地学研究所主任研究員。「#71箱根」などに出演)は、『ブラタモリ』が地球科学のコミュニティから注目されるようになった経緯を整理し、地球科学者が頻繁に出演・協力しているほか、たくさんの地球科学者が番組を視聴していることを報告した。

 地球科学以外の研究者にも登壇いただいた。井上素子さん(埼玉県立自然の博物館主任学芸員。「#79秩父」などに出演)は、『ブラタモリ』の難易度が視聴者の科学リテラシーに合致しているからこそ人気番組に成り得ていると考察。松田法子さん(京都府立大学准教授。「#27熱海」などに出演)は、時空間スケールを操りながらシームレスに事象を切り取るのが『ブラタモリ』のセンスで、文系と理系を行ったり来たりするストーリーが魅力的であると評価した。

 『ブラタモリ』の人気の秘訣は、わかりやすさと学術的な正確さを両立させていること、シームレスなストーリーを構築していることに集約されると、私も思う。「シームレス」とは「繫ぎ目のない」「境界のない(もしくは曖昧な)」というような意味である。
科学を扱うテレビ番組はたくさんあるが、そのほとんどは、特定の学問分野を背景に特定のテーマやトピックを扱ったものといえる。ところが『ブラタモリ』は、特定の学問分野にターゲットを絞り込むようなことはしない。学問分野の境界を意識せず、しかしきちんと学問的内容に触れつつ、あらゆる学問分野を柔軟に出入りしながら番組が構成されている>(以上「朝日新聞」より引用)


テレビという媒体をバカにしているのはテレビ局ではないだろうかとと思える。なぜならNHKの「ブラタモリ」が人気だからだ。それもミーちゃんハーちゃんの人気ではない。上記記事にある通り地球学会やその他の専門家から人気だという。
 地球学会など普段は決して脚光を浴びない分野だ。しかしタモリがぶらりと歩きながら地層を眺めて蘊蓄を傾ける。それが地球46億年の歴史を垣間見るような高尚な気分に視聴者を浸らせる、という。

 あらゆる番組にお笑い芸人を登場させて、視聴者を笑わせれば「勝ちだ」という制作者の意図にはゲンナリする。それは視聴者をバカにしていることでしかない。あるいは製作者たちが不勉強で「ブラタモリ」のような番組が成立するとは考えたこともなかったということなのだろうか。
 だから報道番組に安易にタレントを起用してコケたりするのだ。経済問題をタレントに語らせて政権の幇間に終始して恥じないのも、最近のテレビ番組の際立った特徴だ。万が一にもマトモなタレントが政権批判でもしようものなら、直ちに番組を終了させてしまう、というのもバカなテレビ局の特徴だ。

 在日の研究者や庭師上がりの大学教授やなんやら意味不明なボランティアなどをコメンテータに並べて成立させている日曜日朝の報道番組があるが、なぜマトモな経済学者が登場してMMTを解説しないのか不思議でならない。
 年金に関しても社会保障制度の専門家をテレビに登場させたことがあるだろうか。財務省公認としか思えない幇間・評論家を登場させて国民を「財政規律論」で洗脳する番組の程度の低さには反吐が出る。そういえば今朝テレビ報道番組に安倍氏だけが登場していたようだ。そのような不公平な扱いをするようになってはテレビも終わりだ。政府広報機関に堕したと批判されても仕方ないだろう。

 政権批判なき報道機関はすべて政府広報機関だ。安倍氏が「悪夢の民主党政権時代」といえば、なぜ「悪夢とは何ですか」と問わないのだろうか。むしろ政権を担当して六年有余も停滞したままのデフレ下経済から脱却できない安倍自公政権こそ「悪夢」ではないだろうか。
 その間、一体いくら国債を発行したというのだろうか。安倍氏は日本を衰退させている張本人だという自覚すらない。これほど無能な政権担当者を国政にのさばらせるつもりなのだろうか。そう言えば気鋭の政治評論家諸氏はすべてテレビ画面から消えて久しい。今も登場しているのはスシローの類ばかりだ。

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