イージス・アショア設置問題の本質は。

<防衛省が陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への配備を検討している地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、秋田市内で開いた住民説明会で、伊藤茂樹東北防衛局長が、同席した職員が居眠りしていたとして謝罪していたことが10日、分かった。岩屋毅防衛相は職員が居眠りをした事実を認め、陳謝した。防衛省で記者団に「大変申し訳ない。極めて大事な説明の場で緊張感を欠き、不適切だった」と述べた>(以上「秋田新聞」より引用)


 イージス・アショア設置を巡る議論は説明会で防衛省職員が居眠りをしたことなどのガス抜きで矮小化すべきではない。また国土地理院の地図などを用いて詳細設計していなかったことなどの作業軽視を批判しても始まらない。
 ただグーグルアースを用いてイージス・アショア設置場所の点を落としたという事実は重大だ。つまり防衛省のイージス・アショア設置はその程度の認識だということだ。

 日本の防衛に重要な施設だというのなら、決してグーグルアースの立面図を分度器などを用いて「高度計算」しないだろう。グーグルアースでは高低を強調するため横長よりも縦長を四倍にしていたという。それを用いて場所の高度を計算しては結果が間違うのは当然だ。
 しかし昨日のイージス・アショアの電波が北朝鮮のミサイル発射の段階から補足するには地球の半径が約6,270㎞で北朝鮮と秋田県との距離が約1000㎞であることを根拠に中学数学のタンジェントとサインを用いて高度計算すれば約35㎞との結論を得る。

 北朝鮮のミサイルが日本に到達するまで数分であるなら、北朝鮮で発射された直後にミサイルを捕捉しなければ迎撃に間に合わない。だから日本の秋田と山口のせいぜい1000m以下の高地に設置されたイージス・アショアで北朝鮮を警戒してもほとんど意味をなさない。
 ただ北朝鮮の米国本土攻撃ICBMを見張るのなら意味がある。それは到達するまで迎撃する時間が充分にあるからだ。だから防衛省が好い加減な仕事をする理由が解るだろう。日本の防衛に役立たない施設を日本の防衛予算で設置するのだから、防衛省職員もウンザリしているのだ。

 安倍米国ポチが請け負った米国本土防衛のイージス・アショア設置に防衛省職員が米国製のグーグルアースを用いたのも意趣返しだろう。
 なぜ日本のマスメディアはイージス・アショア設置に関して、そうした簡単な中学生の数学程度の分析すら試みようとしないのだろうか。なぜ海上のイージス艦が有効なのか、マスメディア関係者は考えようとしないのだろうか。事の本質は居眠りやグーグルアースを用いた分度器手計算ではない。

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