米国民はトランプ氏の「対イ好戦的姿勢」を支持しているのだろうか。

イラクの首都バグダッドにある米大使館付近にロケット砲が撃ち込まれた519日、一方が報じられた直後にドナルド・トランプ米大統領はツイートでイランに不吉な最後通牒を突き付けた。
「アメリカと戦う気なら、イランは正式に終わりだ」と、トランプはツイートした。「2度とアメリカを脅迫するな!」
ワシントン・ポスト紙の報道では、犯行声明はどこからも出ていないが、イラク政府当局者はイランが支援するシーア派民兵組織を疑っているという。
ロケットは、アメリカ大使館から約1.6キロの地点に着弾した。だが最近のイランとの緊張の高まりから、アメリカは数日前に大使館から多くのスタッフを避難させたところだった。「イラク国内でイランの支援を受けるシーア派民兵組織がロケット砲を配置している」という情報を得たからだ、と米政府は説明していた。
ロイター通信によれば、バグダッド警察はバグダッド東部で、ロケット発射装置を発見、周辺の一帯を封鎖した。
トランプ就任以来2年の間に、アメリカとイランの関係は大幅に悪化した。米政府はイランが制裁緩和を利用して武装集団や弾道ミサイル開発に資金を提供していると非難し、2018年にイランとの核合意から撤退した。
今年4月には、アメリカがイラン革命防衛隊をテロ組織に指定。今月は、米空母エイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群と爆撃部隊をペルシャ湾に配備した。
アメリカの情報機関はイランが小型船に弾道ミサイルをひそかに取り付けているとしているが、イランはこれを否定している。
イランがアメリカとの対決に戦争を準備中、という噂もある。だが、そうした情報の信憑性を疑問視する声もある。船にミサイルを取り付けているという情報は、イランと敵対するイスラエルがアメリカの高官に提供したものだという。
同様に米国家安全保障議(NSC)を統括するジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、長年にわたってイランの脅威を主張してきた好戦的なタカ派として知られる。
匿名で取材に応じたある米軍関係者は、イランが支援するイラク人民兵の脅威が高まっている、というNSCの警告には気を付たほうがいいと本誌に語った。これは、米軍が現地で実際に観察した状況とNSCの評価が一致していないということを意味している>(以上「NEWSWeek」より引用)

 「アメリカと戦う気なら、イランは正式に終わりだ」と、トランプはツイートした。「2度とアメリカを脅迫するな!」というトランプ氏のツイッターは強烈だ。尋常な米国大統領のツイッターとは思えない。むしろ酔っぱらった与太者の罵りのようだ。
 米国は常識を欠く与太者を大統領にしてしまったようだ。安易に一国を破壊し尽くす強大な軍事力を展開して脅しをかける。まるで西部劇の保安官が現代に甦ったかのような錯覚を覚える。

 イラクに関しては「イラク合意」でイラクが保有する核兵器の減縮過程にあった。それをイラクが「合意破り」をして核兵器を温存している、とトランプ氏が「イラク合意破棄」を通告したのが今回の事態の端緒だ。
 「イラク合意」が着実に履行されていない、というのなら、なぜトランプ氏は「イラク合意」の枠組みの中で改善を試みようとしなかったのだろうか。それともイラクに対して攻撃したい誘惑に駆られていたのだろうか。そうとしか思えない。

 北朝鮮に対しても米朝首脳会談まで朝鮮半島沖に米空母艦隊を二部隊も派遣して脅しに脅した。確かに北朝鮮は核開発とICBM開発をして米国にとって直接的な脅威になりつつあった。しかし20年も前にミサイル開発をして日本の脅威になっていたが、その20年間に米国は北朝鮮と真剣に対峙していた痕跡はない。つまり米国の行動原理はあくまでも「米国のため」でしかない。断わっておくが「米国のため」は決して「米国民のため」と同義語ではない。

 トランプ氏は日本に対してイラクに有していた石油利権から手を引け、と命じた。それに従って日本はイラクに有していた石油利権から手を引いた。そうすると日本に代わって中国がイラクに手を出して、日本が有していた石油利権まで奪ってしまった。
 今度は日本に対してイラクからの石油購入を停止しろ、と命じてきた。日本はおよそ全石油輸入量の6%をイラクから輸入している。それを停止したなら、他の国から6%相当を補填しなければならなくなる。そして日本がイラク石油輸入を停止したところで、中国がそのイラクの石油輸出枠を買い取るだけだろう。結果としてイラク制裁は効果がないし、日本にとって何の利益もない。

 世界を戦争の脅威にさらして、トランプ氏は米国の軍産共同体から支持されるだろう。米国製のポンコツ兵器を世界中でバーゲンセールを行う最も簡単な方法は「戦争」を起こすことだからだ。
 しかし米国民が戦争好きだとしても、先の大戦以後ずっと戦争の一方の当事者として70有余年も世界の各地で戦ってきて、ウンザリしないのだろうか。それほど米国民は戦争が好きなのだろうか。トランプ氏の西部劇の保安官気取りに、米国民はこぞって拍手して戦争を求めているのだろうか。

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