数人のガキ大将が支配する世界。

<日露両政府は30日、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を東京都内の飯倉公館で開いた。日本が配備を進める陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り、ロシア側は安全保障上の懸念を表明。日本側は「純粋に防衛的なものだ」と反論し、溝は埋まらなかった。北朝鮮に非核化を求める方針では一致した。

 日露2プラス2は2013年から始まり、今回は3年連続で4回目。河野太郎外相、岩屋毅防衛相、ラブロフ外相、ショイグ国防相が出席した。

 協議後の共同記者発表で、河野氏はロシアによる北方領土の軍備強化について「我が国の法的立場から受け入れられない」と指摘した。ラブロフ氏は「ロシアの主権下での活動だ」と応酬。そのうえで日本が米国から購入する「陸上イージス」について、攻撃用に転用可能だとの立場から、改めて配備計画を批判した。

 日米が推進する「自由で開かれたインド太平洋」についても協議した。河野氏は「実現のためにロシアとも対話を続けたい」と話したが、日米同盟を警戒するラブロフ氏は「開かれていない同盟の枠組みだ」と問題視した。北朝鮮問題では、岩屋氏が「完全な非核化が日露共通の目的と確認した」と明らかにした。

 日露の平和条約締結交渉は、「陸上イージス」を含めた日米同盟のあり方などを巡り、協議が停滞している。日本側は2プラス2を通じ、双方の信頼醸成を進めたい考えだったが、条約交渉の「後押し」とはならなかった格好だ。

 2プラス2に先立つ防衛相会談では、自衛隊と露軍の部隊間交流を推進することで一致した。露海軍総司令官が今年後半、18年ぶりに来日することも固まった。

 31日には日露外相会談が開かれる。北方領土での共同経済活動やロシア・サハリン州と北海道の間で短期滞在の査証(ビザ)を相互免除する案などを協議する。6月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた日露首脳会談に向けて調整を進める見通しだ>(以上「毎日新聞」より引用)


 外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の会議の席上、日本が配備を進める陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り、ロシア側は安全保障上の懸念を表明したという。日本側は「純粋に防衛的なものだ」と反論し、溝は埋まらなかったが、北朝鮮に非核化を求める方針では一致したようだ。
 日本が配備しようとしているイージス・アショアが「米国向けの対ロミサイル防衛」としても役立つことから、ロシアは「安全保障」が脅かされる、というのだ。その反面、北方領土にミサイル基地を築くのは「ロシアの主権」だという。誰の目にも明らかな論理矛盾にロシアの2は解らないようだ。

 ロシア側の「安全保障」に関わるとして日本の秋田と山口に配備しようとしているイージス・アショアに反対表明したのは大きな意味を持つ。なぜなら日本がイージス・アショアを配備すれば米国本土のミサイル防衛に大きく寄与し、ロシアの対米ICBMが無力化される恐れがある、とみていることに他ならないからだ。
 つまり日本の秋田と山口に配備しようとしているイージス・アショアは対北ミサイル防衛には役立たないが、米国本土へ向けたロシアのICBMには役立つ、ということが明らかになった。対北ミサイル防衛には陸上のイージス・アショアでは地球が丸いことから発射直後の早期にレーダー探知できず、速度が出てから探知することになるため、イージス・アショアで探知してから数分で日本へ到達することになり、ミサイルで迎撃する暇はない。

 対北ミサイル防衛では、日本海に展開したイージス艦で探知する方が遥かに有効だ。ただ米国本土へ向けて発射されたロシアのICBMを探知するのには適している。秋田のイージス・アショアはロシアからハワイへ向けて発射されたICBMを山口のイージス・アショアはグアムへ向けて発射されたロシアのICBMを探知するのに、その弾道下にあるため最適のものになる。それはロシアにとっての安全保障に由々しき問題だろう。
 それなら北方領土にミサイル基地を配備するのに日本が抗議した際に「北方領土はロシア支配下にあり、ミサイル基地を配備するのはロシアの主権の行使だ」というのは明らかな矛盾だ。日本国内にいかなるイージス・アショアを配備したところで、それは日本の主権の問題ではないか。

 そして対北に関して「完全な非核化が日露共通の目的と確認した」というのなら、ロシアは北朝鮮に核技術を供与してはならないし、ノドン・ミサイルを売却しないことだ。これまで北朝鮮の軍事力増強に協力してきたロシアはどの口で「完全な非核化が日露共通の目的と確認した」のだろうか。
 ロシアは世界の各地域へ兵器を大量売却し、それがロシアの主要産業となっている。いわば国ぐるみの「死の商人」だ。ロシアだけではない。「国連」の安保理常任理事国五ヶ国はいずれも「死の商人」だ。「国連」は「死の商人」によって支配されている。それが「世界平和を希求する」と国連憲章で謳っているのだから、これほど大規模な未来の世界史に残る欺瞞はないだろう。

 なぜ日本は世界のすべてのICBM発射に反対する、とロシアとの2プラス2の席上で表明しなかったのだろうか。先に米国がロシアへ向けてICBMを発射し、それを日本のイージス・アショアが探知したなら、その情報速やかにロシアに提供し、日本はいかなる国のICBMであろうと撃墜する、と表明すべきだ。
 いつまで日本は米国の三下でいるつもりだろうか。世界から植民地をなくすために植民地解放戦争を戦った日本国民の子や孫なら、世界平和を真摯に希求する行動に移るべきだ。核兵器の数を誇り、ミサイルやICBMの数を誇り、空母保有を誇示する、というガキがそのまま大人になった国家指導者が幅を利かす、という世界はまるでガキ大将が支配する「幼稚」な世界だ。

 なぜ米国やロシアや中国の国民は日本の年金水準以下の年金しか貰わないで、世界の軍事超大国という腹の足しにならない幻想だけで満足しているのだろうか。なぜ国民の医療制度に十分な国家予算を回さないで、世界を何回も破滅させる核兵器を保有していることに、米国やロシアや中国の国民は誇りを感じているのだろうか。
 なぜ国連は米国一国だけの軍事予算ですら、貧困国の社会保障へ回せば乳幼児死亡率が劇的に低下することを本気で議論しないのだろうか。それにロシアと中国の軍事予算を充てれば、世界はどれほど平和になることだろうか。

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