なぜ食料品への税軽減にクレジットカード使用を強制するのか。食料品の消費税を5%だとすれば簡単に済む話だ。

 消費増税10%にはもちろん反対だが、安倍自公政権(だけでなくバカな野党議員まで消費増税10%を推進しているから国民は浮かばれない)は10%導入時に食料品などに軽減税率を適用する、と言っている。
 それがいかに「お為ごかし」かは軽減税率を適用する際の条件にある。その最たる条件は食料品購入にクレジットカードを使えば5ポイント(つまり価格の5%のことだが、なぜか5%引き下げとはいわない)還元する、としていることだ。

 地方の個人商店にクレジットカードを利用する店など皆無といって良い。来店する人でクレジットカードを提示するするお客が一日に何人いるというのだろうか。
 そしてクレジットカードで支払った代金がクレジット会社を経由して商店に入って来るのは早くて一月後、長ければ二ヶ月後だ。しかもクレジット会社手数料を差し引かれた金額だ。しかもクレジットカードを利用するために商店はカード読み取り機を設置し、ネットに接続するための回線を引かなければならない。もちろん回線使用料は毎月支払わなければならない。こんなバカなことを田舎の商店に出来るわけがないことは山口県の選出議員の安倍氏なら分かるはずだが、実際のところ安倍氏は東京生まれの東京育ちだ。田舎の実情など知る由もない。

 ではどうすれば良いか。軽減税と称する還元ポイントに相当する税率を低くして適用すれば済むことだ。つまり食料品の消費税率を5%にすれば、それですべて完結する話ではないか。クレジットカードを国民に持たせて、キャッシュレス社会に日本をしたいという謀略は分かるが、キャッシュレス社会にして潤うのはクレジットカード会社だけだ。
 派遣社員割合を増やして国民は貧困化したが、パソナなどの派遣業者は派遣社員のピンハネで大儲けしている。それと全く同じ構図だ。さすがは「構造改革」政治の好きな自公政権だけのことはある。徹底して日本社会の構造を破壊するつもりのようだ。

 財務官僚は「日本の消費税はまだまだ低率だ、欧州並みの20%前後に引き上げるべきだ」と主張し、日本のマスメディアに報道させているが、なぜ彼らは「欧米諸国」とはいわず「欧州諸国」というのか。それは米国に国税としての消費税がないからだ。州税として州税率と“平均”郡市税率の合計で小売売上税(消費税)を導入している州はあるが、アメリカで一番税率の高い州がルイジアナ州の10%、一番低い税率の州がオレゴン州・モンタナ州・デラウェア州の0%となっている。
 だから卑怯な日本のマスメディアは米国を除外して消費税を論じている。それでも欧州諸国の手厚い福祉に関しては沈黙して日本国民を騙している。税率を問題にするのなら、税収から国民の福祉に使用されている部分を差し引いて、「純国民負担率」を比較しなければ公平とはいえない。

 日本の交付機負担率は約42%で45%に達している欧州諸国と比較して公的負担率は日本は低いといえる。しかし公的な補助や福祉などを差し引いた「純国民負担」で比較すると、日本は既に17%を上回っているのに対して、欧州諸国はいずれも14%台にある。
 そのことを日本のマスメディアは決して報道しようとしない。いかに日本のマスメディアが公正さを欠いているかお分かりだろう。クレジット利用還元5ポイント(決して消費税5%相当とはいわない)に関しても、なぜ食料品の消費税を5%にして売り上げの段階で5%税率を適用する方が個人にも商店にも優しくて解りやすい税制度だと批判しないのだろうか。安倍自公政権がクレジットカード会社と「癒着」していると疑義を呈しないマスメディアとは一体何だろうか。

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