選挙は「お笑い」ではない。

統一地方選の前半戦で、自民党は大阪府知事・市長のダブル選を落とし、ショックを隠しきれないでいる。
 9日告示の衆院大阪12、沖縄3区両補選や夏の参院選に向け、態勢の立て直しが急務だ。福岡県など4知事選での保守分裂が党内にしこりを残す懸念も抱える。

 「謙虚に受け止め、敗因を分析し、次なる戦いに備えたい」。自民党の二階俊博幹事長は7日夜、党本部で記者団に対し、大阪ダブル選の敗北をこう総括した。公明党の斉藤鉄夫幹事長も「民意を真摯(しんし)に受け止めたい」と語った。

 与党は北海道知事選で勝利したものの、自民党に高揚感はない。甘利明選対委員長は「唯一の与野党対決を取れたことは良かった」と述べたが、表情は硬いままだった。

 ダブル選は、地域政党「大阪維新の会」に対し、自民、公明両党に立憲民主党など野党が加わって「反維新」包囲網を形成して激突する展開となった。
 自民党は二階氏ら党幹部が連日大阪入りし、推薦候補のてこ入れを図った。過去のダブル選は自主投票だった公明党も府本部推薦を決定して臨んだ。自民党内には「1勝はできるのではないか」(幹部)との期待感もあったが、いずれも敗北。党関係者の一人は「これから立て直していくしかない」と肩を落とした>(以上「時事通信」より引用)



 選挙民は何を基準に投票するのだろうか。大阪の人たちは何でも笑いにするというが、選挙までも笑いの種にするのだろうか。
 維新が大阪府知事と大阪市長が辞職し、二人が府と市とを入れ替えて立候補するというロシアのプーチン氏とメドベージェフ氏との首相と大統領とを入れ替え選挙したのと同様の禁じ手を使っての選挙だった。

 しかし大阪府民はそうした「禁じて」の意味すら分からないようで、実質的に自由選挙でないロシアと同様の結果になったのには驚くしかない。大阪府民は政治よりもダジャレを貴ぶかのようだ。
 大阪都構想に経済的メリットは殆どないのは明らかだ。大阪都構想が実現すると府と市との二重行政は解消できるものの、その代わりに区制度による「二重行政」が市に代わるだけだ。むしろ大阪府を解消して「近畿州」にして近畿地方を統合する方が良い。

 中二階の都道府県をなくして、「~地方」で統合した州制度へ移行する方が合理性がある。そうした真面目な議論をスッ飛ばして「府知事」と「市長」とを入れ替える選挙を強行する馬鹿げた選挙で、またまた不真面目な「お笑い」としか思えない維新が当選するとは慨嘆するしかない。
 政治家は有権者(のレベル)を越えない、というが、大阪府民も「お笑い」芸人の範疇を出ないのだろうか。

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