天網恢恢疎にして漏らさず。

2013年、奈良県在住の75歳の女性に対し、「あなたの銀行口座が詐欺の被害に遭っている。現金を引き出し、銀行協会の職員に渡してほしい」と警察官を装い、うその電話をかけ、800万円をだまし取った疑いで奈良県警などに指名手配されていた。
逮捕後、橋本容疑者から話を聞いた。
橋本容疑者「関係しているものもあるというのは、自分の中でわかっていますので、その中でやったことというのは、ちゃんと話そうと思っている」
近く、橋本容疑者は、日本に送還される見通し。
一方、タイのリゾート地パタヤ近郊でも29日夜、振り込め詐欺グループのアジトとみられる住宅が摘発された。
不法就労の疑いで逮捕されたのは、日本人の男15人。
部屋には、およそ50台の電話機が置かれていて、インターネットを使った通話料金の安いIP電話で、日本に振り込め詐欺の電話をかけていたとみられている。
「3月 個人目標」と書かれた紙が貼られ、名前の横には、売上、受電数などが書かれていた。
逮捕された男「(逮捕されたが、そのことについてどう思う?)さあ」、「(日本に電話掛けていたのでは?)コップンカップ(ありがとう)」
振り込め詐欺の被害者は、およそ500人。
被害総額は、およそ9,000万円にのぼるとみられている。
日本の警察の捜査網にかからないように、タイから電話をかけていたものとみられる。
逮捕された15人は、調べに対し、「覚えていません」、「掃除をしていました」などと話し、詐欺について認めていないという>(以上「FNN PRIME」より引用)



 タイから電話していた「振り込め詐欺」の一団が逮捕されたという。彼らは日本から遠く離れた「安全な地」から日本へ電話して、判断能力の劣る老人を騙してカネを巻き上げていた。
 しかし、いかに遠隔地から電話しようと、実際にカネを巻き上げるにはカネを受け取る「受け子」が必要だ。そこで詐欺グループがでっち上げた「仮想話」は現実の「詐欺」となる。

 現実との接点がある限り、犯人は逃げきれない。いかに遠隔の地・タイから電話しようと、実際にカネを受け取るには被害者と接触しなければならない。
 かつて国際電話はKDDを通して行われていた。そこでオペレーターと会話して、国際電話回線に接続してもらうのだ。電話料金も目から火が出るほど高額だった。

 しかし現代では国際電話も様変わりした。IP電話を使えば国内電話をかけるのと全く変わりないし、料金も廉価だ。ネットの普及が飛んでもない犯罪の片棒を担ぐ結果になってしまった。
 だがネット回線を使用することは必ずサーバーに「履歴」が残る。たとえ海外の僻地から電話していようと、サーバーを辿ればネット接続者に行き着く。決して逃げ切れるものではない。

 電話をかけて口先三寸で人を騙す「技術」があるのなら、なぜその「技術」をマトモな職業として生かそうとしないのだろうか。隠れてコソコソと人を騙してカネを巻き上げるから犯罪者になる。
 独居老人の話し相手になったり、安否確認で電話をかけるなりのサービスを地方自治体に売り込んではどうだろうか。そして高齢世帯が必要とする生活関連のサービス代行を行うなど、職を新規開拓してはどうだろうか。

 ただし、日本はマトモな職業に対して評価が低い。つまりサービスや文化に対してカネを払う習慣が余りない。だから報酬として得られる対価はかなり低いと覚悟しなければならない。
 だから地方自治体が関わって、対価補償をする必要がある。そうしたマトモな職を用意すれば「振り込め詐欺」を働くほどの会話術と悪知恵があるのなら、充分にマトモな職の専門家として働くことが出来るだろう。

 録音機能付きの電話機を貸与して、その電話機だけを使用して職務を行うようにしていれば「詐欺」を働くことをある程度は防止できるだろう。犯罪者は必ず逮捕されると考えるべきだし、「振り込め詐欺」集団も同様に必ず逮捕される。いかに遠隔地のタイから電話しようと、だ。
 天網恢恢疎にして漏らさず、という箴言もある。人として生きるためには天を恐れるべきだ。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。