韓信の股を潜るのは小沢氏ではない、野党政治家諸君の方だ。

<(安倍政権は)とにかく平気でうそをつき、悪いことが見つかっても全く責任を取らない。なぜ、こんな政治がはびこるのか。野党がだらしないからだ。

 (野党内での)過去のいきさつや恩讐(おんしゅう)を乗り越えるべきだ。私も股をくぐれと言われれば、なんぼでも股をくぐるし、謝りもする。日本の国、社会が危うくなっている。個人的な経過や感情にとらわれている場合ではない。

 この際、みんなまとまろう。一緒の政党になるのが難しければ、「オリーブの木」(小政党が選挙協力して政権の受け皿をつくる構想)でもいいから、一つのグループとして選挙を戦おう。なんとしても、5月くらいまでに野党の一体化を実現したい。7月の参院選で、自民党を過半数割れに追い込み、安倍内閣を退陣させたい。(2日、浜松市での講演で)>(以上「朝日新聞」より引用)


 過去に二度も非・自民党政権を成立させて政権交代を果たした戦後政界の立役者が自分を捨てて日本の国家と国民のために野党結集を呼び掛けている。チマチマとしたメンツや好悪の念を口にする愚かな政治家がゴマンといる中で、なんと清々しいことだろうか。
 過去二度の政権交代の瓦解は、一度目は社会党や新党さきがけの連中の面子に拘った離脱により、二度目は民主党内の「政権欲」に憑りつかれた連中が集団で「国民の生活が第一」の政治から「自民的な財務省主導」の政治に舵を切ったため、民主党を支持した有権者の信を失って瓦解した。それらはいずれも小沢氏が原因となって崩壊したのではない。

 いや細川政権当時の消費福祉税7%の突然の提唱は財務官僚の使嗾に乗ったのが瓦解した主な原因だろう。当時の小沢氏はまだ野心的な若さが露呈したというべきだ。
 決して小沢氏は「壊し屋」ではない。かれこそ自民党に代わって政権を担う政治勢力を構築しようと汗を流した戦後政治家はいない。現在の政界を見渡しても、彼に代わり得る政治家は皆無だ。小沢氏こそ日本の政界の宝だ。

 戦後世界が一本道で突き進んで来たグローバル化が欧米諸国で行き詰まりを見せている。日本は戦後日本的な企業経営で高度経済成長を果たしたが、米国支配のグローバル化を強いられてプラザ合意を呑まされ、急激な円高から為替相場で突如として出現した「経済大国」という幻影に酔って世界中で爆買いし、顰蹙を買いつつ束の間のバブルに陶酔した。
 しかし為替という相対的な富の出現は蜃気楼のようなものに過ぎない。バブルが弾けた後、確たる経済策が手元になかった政治家諸氏は米国から要請されるがままに「構造改革」路線を突っ走って、高度経済成長を果たした制度を悉く破壊し「改革」した。

 つまりバブル崩壊以後の自民党は「保守」政党ではない、社会改革を目指す「革新」政党だ。だから彼らは伝統的な一次産業携帯までも破壊し農協を解体しようとたくらむ。その先にあるのは米国の穀物メジャーに日本の農業を売り渡して、食糧のグローバル化を完成させることでしかない。つまりそれは完全な米国による日本支配だ。
 そうしてはならない、というのが「国民の生活が第一」の政治だ。だから小沢氏は検察とマスメディアによって嵌められた。かつて彼の師の田中角栄氏がロッキードと米国議会によって陥れられたように。愚かな日本の全国紙やテレビ関係者たちは「政治とカネ」という小沢氏を追い落とすためのプロパガンダ・フレーズを狂気のように叫び続けた。

 小粒揃いの民主党政治家諸氏はプロパガンダの嵐に抗して小沢氏を守るどころか、政権マニフェストを反故にして第二自民党への道をかじを切り、「国民の生活が第一」を捨ててグローバル化へ突き進んだ。第二自民になってしまえば民主党を支持した有権者たちは変貌した民主党を見捨てるのは当然だ。
 自民党を支持して来た「経営者」や「投機家」たちはそのまま自民党支持に残っていた。彼らはマスメディアを支配しているし、多くの評論家たちを食わせている。だから世論操作するのはお手の物だ。ただ安倍氏は世論操作の偽情報に乗ってしまって嘘を吐き続けるという失態を重ねているが。

 アベノミクスは正常な経済原論を理解する程度の頭脳があればアホノミクスだと誰にでも解る。その程度の初歩的な経済政策の失敗だが、またまた今年10月に消費増税する、という大失敗を繰り返そうとしている。
 学習能力が欠落しているのも安倍自公政権の秀でた特徴だ。先の大戦からも安倍自公政権は何も学習していない。ブロック経済がいかに世界を大戦に導く危険なものか、学習していない。それは安倍氏と経済官僚たちだけではない、多くの経済評論家や日本の腐り切ったマスメディアたちも同様だ。新自由貿易主義を標榜しつつ、ブロック経済を構築する論理矛盾にすら気付かないお粗末さだ。

 世界が向かうべきはエマニエル・トット氏がグローバリズムの対極は「協調的保護主義」だと看破した通り、「みんな違って みんないい」という世界だ。
 一握りの投機家たちのための世界にしてはならない。世界はすべての人類のためにある。富豪トップ26人の資産がボトム35億人の総資産と同じという世界は尋常でない。その尋常でない世界を創り出したのは世界中を金融資本が自由に駆け回るグローバル世界を構築したからだ。単一世界は極端な格差を短期間で生み出す。まさしくグローバリズムの行き着く先は圧倒的多数の弱者の肉を、極めて少数の勝者が貪り喰らう暗黒世界だ。

 人類はハンメルの笛に踊らされて破滅の海へと向かって行進している。日本はその行進の隊列の先頭近くに立って、行進の旗を振っている。安倍氏の馬鹿げた回数の世界漫遊は世界平和に少しでも寄与しただろうか。日本の国家と国民の安全に少しでも寄与しただろうか。彼の政権の間に、日本は少しでも戦争から遠くなっただろうか。それとも戦争を引き寄せているだろうか。答えは簡単だ。日本は明日にも米国の戦争に巻き込まれる瀬戸際に歩を進めている。
 小沢一郎氏の許に集結して、三度目の政権交代を果たそう。韓信の股を潜るの小沢氏ではない、すべての野党国会議員だ。何のためにバッジを付けているのか。バッジは子女を誘惑するための小道具ではないだろう、大かな顔をして議員パスでグリーン車に乗るためでもないだろう。「主権者」国民に奉仕するための決意の象徴ではないか。

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