「ぬるま湯」から出られない日本。

一般会計総額が過去最大の1014571億円となる2019年度予算案は、2日未明の衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送られた。

 憲法の衆院優越規定により、予算案は参院送付から30日で自然成立するため、年度内成立が確定した。

 立憲民主党など主要野党は、厚生労働省の統計問題の審議が尽くされていないなどとして採決に反対したが、与党が強行した。野党は参院でも引き続き追及する方針だ。

 参院予算委員会は1日の理事懇談会で、安倍晋三首相と全閣僚が出席する基本的質疑を45両日に行うことを決めた。
 衆院本会議では、予算案の採決に先立ち、野党が共同提出した根本匠厚労相の不信任決議案を、与党などの反対多数で否決した。これを受け、与党は衆院予算委で直ちに予算案の締めくくり質疑と採決を行い、賛成多数で可決、本会議に緊急上程した>(以上「時事通信」より引用)


 国が発表する統計数字が虚偽であったり偽装されたものだった、というのは国内だけに影響があるのではない。日本の経済状況を国家が発表することだから、当然世界の投資家や外国の対日関係にも大きな影響を及ぼす。
 統計数字の信憑性は国家に対する信用でもある。安倍自公政権はアホノミクスが順調に効果を上げ、日本経済がデフレから脱却して着実な成長過程を歩んでいる、としなければならなかった。なぜなら安倍自公政権が誇るべき数字は「株高」しかないからだ。

 失業率の低さがあるではないか、と指摘する向きがあるだろうが、たとえ完全雇用であろうと問題は雇用の質にある。派遣や一時雇いの「雇用」がいくらあっても、それは若者に婚姻や家庭を営む動機にはなりにくい。
 さらに現状の失業率2%台が日本にとって脅威的な雇用環境を表しているとはいえない。なぜなら高度経済成長期の失業率は1.6%だったからだ。つまり今以上の「人手不足」だった。その人手不足を背景に生産ラインへのロボット導入が加速され、生産性が一気に向上して労働賃金が引き揚げられた。

 アホノミクスの効果的な政策は実際は日銀の異常低金利策と輪転機のフル回転しかなかった。他の政策は押し並べて不発に終わっている。まさにアホな政権だ。
 チマチマとした「構造改革」政治で安倍友を優遇する「政治の私物化」が促進され、「モリ カケ」を一例とする異常に醜い様々な膿が噴出している。
 その異常さを緩和するため安倍友マスメディアがテレビに安倍ヨイショ・コメンテータを大量登場させて国民が正確な判断をするのを妨げている。元記者や現職の落語家や弁護士など、彼らはデフレ経済の本質を解説するよりも、安倍政治をヨイショする講釈師の役目を担っている。

 政府による統計数字の「虚偽」が発覚しても、官僚はもとより所管大臣の一人として更迭されなで国会審議という政治劇場に終始したことにより、海外の投資家は今後深刻な日本離れを起こすだろう。日本は中国と同様に「虚偽」の統計数字を発表する国だとして。
 日本の政治に対する深刻な偽装があったにもかかわらず、予算の審議日程は淡々と消化され、期限内成立が確実になったという。統計数字が政策にも大きな影響を与えない、予算の組み換えにも波及しない、という日本の国家予算とは何だろうか。実質勤労者賃金がマイナスだったというのは深刻なデフレ経済下にある、という証拠だ。日本は安倍自公政権下で確実に衰退している、という認識が政府にないばかりでなく、日本のマスメディアにもない。

 だから日本国民に「日本は衰退している」との認識が薄く「安倍政権の他に選択肢がないから安倍政権を支持する」という「ぬるま湯」から出られない国民を大量に製造している。「ぬるま湯」が冷え切ったなら、風邪をひくしかない。その前に安倍自公政権という冷えつつある「ぬるま湯」から出て、「国民の生活が第一」の政治を行う政権を国民が求めなければならない。
 政治は国民のレベルを超えない、という厳粛な現実がある。女性に不逞を働く馬鹿な政治家が出て来るのも「国民のレベル」相当ということだろう。なぜ野党に安倍自公政権に代わる政党がない、と思うなら、自分たちでそうした政治家を育てようとしないのだろうか。政治は「棚ぼた」のように上から落ちて来る、誰かによって与えられるものではない。

 現在、政界で明確に「国民の生活が第一」を訴えている政治家は小沢一郎氏だけだ。他の野党政治家諸氏は共産党を除いて消費増税に「賛成」した民主党政権の残党たちばかりだ。小沢氏によって「国民の生活が第一」の政治を目指して有権者の信を得て政権を獲得したにも拘らず、小沢氏が「政治とカネ」のプロバガンダによって攻撃されるや、アッという間に財務官僚の操り人形と化して第二自民党に成り果てた。
 「国民の生活が第一」という「構造改革」のグローバル化政治の対極にあった政権は見るも無残な第二自民党となり、TPP参加や消費増税10%を打ち出した。自民党か第二自民党かを選ぶ選挙なら、似非・自民党政治家よりも、本家・自民党政治家を誰だって選ぶ。そうした簡単な有権者の投票行動が読めないボンクラ政治家の集まりが各野党の政治家諸氏だ。

 日本は確実に安倍自公政権下で衰退している。日本国民は確実に貧困化している。そしてGDPに軍事費は比例する、という原理によって日本の自衛力は相対的に中国の軍事力の風下へ移りつつある。それこそが日本の脅威だと、なぜ軍事評論家を自称している連中は簡明な論理を日本国民に説かないのだろうか。
 経済成長が世界平均を下回っている限り、日本は衰退している。それが現実だ。そして政府統計を誤魔化したのは日本国民と世界の投資家たちへの裏切りでしかない。そのアホノミクスのアホさ加減を隠蔽する数字の誤魔化しを受けても、なぜ日本国民は心の底から怒らないのだろうか。政府があなたたちの懐から奪った税金で好き勝手にしていることに、怒るのは今でしょ。

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