全国の記者諸氏は「国民の知る権利」に応えているのか。

<首相官邸が特定記者の排除や質問制限とも取れる要請文を官邸記者クラブに出した問題で、新聞労連や民放労連などでつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」は14日、官邸前で抗議行動を行った。現役記者や市民数百人が「言論の自由を守ろう」「記者の質問、制限するな」と声を上げた。

 主催者発表によると、参加者は600人を超えた。新聞労連の南彰委員長は「不当な記者弾圧、質問制限が繰り返されている。悩んでいる官邸記者クラブの仲間たちが立ち上がれるよう勇気づけよう」と呼び掛けた。

 中国新聞労組の石川昌義記者は「権力から記者が分断されている。連帯して抗議しなければ」と話した>(以上「共同通信」より引用)


 官邸記者クラブは政府の広報機関ではない。彼らは国民を代表して政府発表を聞き、取材し、質問する。それを記事にして報道するのであって、国民の知る権利を担保する重要な「取材権」だ。
 官邸が特定記者の排除や質問を制限するとは由々しき問題だ。その対応を官邸記者クラブだけに任せてはならない。すべての報道機関に対する「取材統制」であり、報道の自由に対する冒涜だ。

 たとえば政府・官邸は経済政策に関して自分に都合の良い数字だけを揚げている。安倍氏や菅氏が記者を前にして上げる数字は「株高」であり「失業率」であり「求職率」だ。
 しかし株高が政府資金を大量投入した官製株高であり、失業率や求職率が高いのもサービス業や派遣などが人手不足なのであって、大企業の「求職率」は0.37%と、明らかに「不況時」の数字でしかない。大企業に就職したい新卒者100人に対して、雇用数が37人しかないのに「好景気」と呼べるだろうか。

 そのほかの経済指標は惨憺たるものだ。2017年のエンゲル係数は1987年以来の29年ぶりに25.8%と悪化している。ジニ係数も一貫して悪化の右肩上がりを示しているし、所得再配分後のジニ係数も安倍自公政権発足以降0.4に貼りついている。確実に日本国民の所得格差は広がっている。
 そのような政府にとって不都合な経済指標を政府・官邸は一切口にしない。そして官邸記者が会見の場で官房長官が「景気」に言及した際に、そうした指標を掲げて質問しているのだろうか。政府・官邸にとって不都合な数字を一切質問しない記者たちは単なる官邸・政府の広報機関でしかない。

 今年10月に消費増税10%を実施する状況にないことはエンゲル係数などから明らかだ。そして保育行政利権に特化した「保育費無償化」という「お為ごかし」でお茶を濁そうとする安倍政治を許してはならない。
 0才から3才までの乳幼児で保育園に入っている子供の割合は約3割りだ。つまり約3割の子供にしか恩恵のない保育園無償化策がすべてだという政策のどこが少子化対策だというのだろうか。なぜすべての子供に平等に光を当てないのだろうか。保育園が遠隔地にしかなくて、保育園にすら入れられない親は全国にたくさんいる。なぜ都会中心の子供たちに片寄った保育園無償化がさも少子化対策の切り札であるといえるのだろうか。

 記者たちは広範な情報で武装しなければならない。そして官邸記者会見で政府の独りよがりの政策に切り込むべきだ。そうしてこそ国民の「知る権利」を充足させる「情報」になり得る。
 さもなくば政府・官邸による情報操作の道具にされるだけだ。全国の記者諸氏の奮起を促す。

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