ジェノサイド条約を無視し続ける中国。

100万人ものウイグル人とカザフ人を再教育センターに強制収容した新疆ウイグル自治区は、今や中国で「先進地域」の地位を獲得したらしい。
 全国人民代表大会(全人代)で35日、李克強(リー・コーチアン)首相が習近平(シー・チンピン)国家主席の「宗教の中国化」路線を強調。その翌日には、内陸部の寧夏回族自治区幹部が「先進地域」に倣えと発言した。
 イスラム教の「中国化」の下、「テロリスト予備軍」ウイグル人を「善良な中国人民」に改造しつつあると評価され、晴れて「先進」の栄冠を手にしたのだ。
 現地では聖典コーランの誦読(しょうどく)が禁止され、携帯電話からイスラム関連アプリの削除を義務化。オアシスのウイグル人村落に漢民族を送り込んで雑居を進め、漢民族の幹部たちはウイグル人の家々に「進駐」。豚肉食を強制し、母語による会話を禁止する。家族同士がウイグル語で会話すると、「漢民族の悪口を言い、祖国分裂をたくらんでいる」と疑われる。
 強制収容所内のウイグル人たちも「再教育」後、順調に出所できるわけではない。彼らは数百~数千人単位で中国内地の陝西省や東北の黒竜江省などに強制移住させられている。
 母語の禁止や強制移住といった民族・宗教集団の破壊は、ジェノサイド(集団虐殺)として国際法で禁じられている。その根拠となるジェノサイド条約は国連で48年に採択され、当時の中国政府も署名した。しかし、中国はこの条約をずっとほごにし、少数民族の生来の権利を保障しようとしなかった。
 こうして新疆ウイグル自治区の「先進的」経験は今や、中国全土に拡大。最も熱心に導入し、学んでいるのは寧夏回族自治区だ。同自治区の人口700万人近くのうち約35%が回民という、イスラム教を信仰する民族で占められている。回民の「回」はイスラム教を指す古い表現「回教」に由来し、49年の中華人民共和国の建国後は回族と呼ばれるようになった彼らは、中国語を母語とするムスリムだ。
 古くは唐や宋の時代に貿易で来たアラブ商人と中国人の間の子孫との説もあるが、大半は13世紀の元朝に形成された、イスラム教に改宗したモンゴル軍、中央アジアから移住したペルシア人やトルコ人にさかのぼる。元が滅ぶとモンゴル人は草原に戻ったが、ムスリムは中国にとどまって緩やかに回民に変わっていった。
 20世紀になり、回民は中国共産党の恩人となった。国民政府に追われ、毛沢東率いる紅軍(共産党軍)が193510月、長い逃亡の末に落ち着いたのが寧夏・甘粛・陝西の3省に囲まれた寒村、延安(現・陝西省)だった。
 寧夏と甘粛にはマホメットの名に由来するイスラム系、馬(マ)一族率いる軍閥が割拠しており、37年に毛と対立する紅軍分派(西路軍)約2万人を壊滅。延安をのみ込もうとしていた。
 毛はまず馬一族と誼(よしみ)を交わすことで生き残りを図った。回民を「イスラム教を信仰する漢民族」と見なす国民政府に対し、共産党は回民に民族としての地位を認める「先進的」姿勢を打ち出して対抗。漢民族とは別の民族となれば、将来の共産党政権成立後に自治・自決権が与えられる。ムスリムの軍人は相次いで共産党を支持するようになり、国民政府から離脱した。
 49年の建国後、共産党は回民に「回族」として寧夏で文化的自治は容認したものの、イスラム信仰に対して一貫して厳しい弾圧政策を採ってきた。50年代には回民知識人とイスラム教指導者を大量粛清し、地元教団を解散。66年からの文化大革命中には豚の飼育を強制し、モスクを破壊した。
 習政権の今、寧夏回族自治区ではアラビア語の「ハラール」看板やモスク(イスラム礼拝所)上のドームが撤去。代わりに中国国旗が掲げられている。全ては新疆に学んだ結果、と同自治区の幹部たちは豪語する。
 ジェノサイド条約も守らない共産党は、確実に時計の針を「後進」させているようだ >(以上「Newsweek」より引用)


 イスラム教徒とそれ以外の文化との衝突は「テロ」となって世界的に広がっている。組織的な「テロ」であろうと、個人的な自殺行為の「テロ」であろうと、その根底に宗教的な要素を備えている点で異なるものではない。
 イスラム教の経典に「聖戦」がいかなる根拠に基づく現実破壊と教えているのか知らないが、戦うことが必ずしも「悪」とされていない点で現代国際社会において脅威だ。そのイスラム教徒を相手に、中国はジェノサイドを進めている。

 ジェノサイドとは「皆殺し」を意味するが、この場合は「文化の皆殺し」を意味する。ジェノサイド条約は国連で48年に採択され、当時の中国政府も署名した。しかし現代になって、中国はウィグル族を徹底した「洗国政策」により漢族化させている。もちろんイスラム教の信仰を禁止し、豚の飼育と食用を勧めている。
 既にウィグル自治区の人口構成でウィグル人の割合は半数を切っている。中国はウィグル自治区を丸ごと中国の版図に呑み込み、豊富な石油資源を恣にしている。そして次なるイスラム教徒の民族、回族を「洗国」しようとしている。

 回族はもともと元時代にトルコやシリアから移住して来たイスラム系の民族が元崩壊後も寧夏や甘粛に残り、「馬(マー)」と名乗って穏やかに混血して形成された。だから回族の言語は中国語だが、文化としてアラビア語の「ハラール」看板やモスク(イスラム礼拝所)上のドームが残っていた。
 だが習近平体制の中国政府はそれらの看板やモスクのドームを撤去させているという。中国全土を中華文化で塗り潰そうとしている。中国の「洗国政策」はジェノサイドを禁じる国際条約に反する。多様な文化や宗教を受け容れない社会は危険だ。それは沸騰する鍋に蓋をしたようなものだ。

 沸騰する民族意識を無理やり抑え込もうとすると必ず爆発する。それは歴史が証明している。近い将来、中国各地で「テロ」が横行する事態になる「種」を習近平政府がばら撒いているとしか思えない。
 イスラム教徒の「聖戦」が如何なるものか知らないが、イスラム教は中国で回教と呼ばれ千年近く共存してきたが、中国共産党はそれを許さないようだ。ジェノサイド条約は少数民族の文化や伝統を「ジェノサイド」してはならないとするものだ。

 中国共産党は間違っている。国際条約にも違反している。彼らの政権が永らえるために中国を一色に染め上げようとするのは愚かなことだ。文化や慣習は数千年の時を超えて存続するが、政権が千年を超えて存続した例はない。
 ジェノサイド条約は国連が提唱し、中国もそれに署名した。その条約を守らない国が国連の「常任理事国」の一員として大きな顔をしている。そんな国連に存在価値はあるだろうか。

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