労働賃金マイナスでも「イザナギ景気越え」の見解を維持するという呆れた政権。

<毎月勤労統計を巡り、厚生労働省が前年同期と比べた実質賃金の伸び率を実態に近い形で計算し、結果を来週にも国会に示す方針を固めたことが31日、分かった。現在示している「参考値」よりも2018年1~11月の平均で0.5%程度マイナスとなる。専門家から今の統計の数値が「実態に合わない」と批判が根強く、見直しは避けられないと判断した。

 アベノミクスの要である賃金の伸び悩みを認めれば安倍政権にとって大きな打撃となる。野党が「賃金偽装」との追及を強めるのは必至だ。政府は「勤労統計は景気判断の一要素にすぎない」とかわし、所得が改善しているとの見解を維持するとみられる>(以上「共同通信」より引用)


 肌感覚の実態と経済統計が乖離していたのは肌感覚の方が正しかった、ということだ。何もそれは驚愕すべきことではない。経済統計は実際の数値を集計したものだから、個々人が「賃金が上がっていない」と感じれば、その通り賃金は上がっていないのだ。
 それを経済統計によれば「イザナギ景気超え」の好景気だ、と安倍氏は強弁してきたが、経済統計の「嘘」がバレてもこれまでの見解を維持するのは「嘘」の上塗りとの誹りを受けても仕方ないだろう。

 消費増税すべき環境にないことは多くの国民の実感だ。多くの国民が消費に支出する金額が増えて、各種耐久消費財も買い替えや新規購入などで増えていると思わないで、消費が拡大しているとの統計が出れば、それは「嘘」だ。
 政治は願望に基づいて行うのではなく、事実に即して行うべきだ。安倍氏が「イザナギ景気越え」だと判断したのは「嘘」の統計に裏打ちされた願望に過ぎない。消費増税を判断するのはあくまでも願望に基づくのではなく、事実に基づかなければならない。

 現在の日本経済は依然としてデフレ下にある。実際は日本経済は世界から置き去りにされて衰退している。そうした認識なしに、さらに日本経済をデフレの沼に叩き落す消費増税など以ての外だ。
 しかし財務省の下請け政府は実行するしかないのだろう。社会保障のためだ、と何度目かの同じ嘘を吐いて、国民も何度目かの同じ嘘に騙される。日本はいつからこれほどの痴呆国家に成り果てたのだろうか。

 マトモな政権なら経済成長を先ず政治の主題目課題に据える。そして政治課題を実現するために政権生命をかける。平和条約を締結するための日ロ首脳会談こそ外交の要だ、と公言していて、ものの見事に不調に終わっても安倍氏は恥じるどころか6月にもプーチン氏と話し合う、と根拠のない期待を国民に抱かせる。
 しかし、そもそも6月まで安倍氏は総理大臣の椅子に居座るつもりなのだろうか。日本の迷惑だからさっさと退陣すべきだが、安倍政権ヨイショの根拠となる「統計数字」を官僚が捏造して用意しているのだろうか。そう勘繰らざるを得ない。

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