今回の日ロ首脳会談の「大失態」を隠蔽するために「任期の違い」とは噴飯ものだ。
<安倍首相とロシアのプーチン大統領は22日、モスクワで行った会談で平和条約締結交渉を加速させることを確認した。両首脳の発言などから、交渉にどれだけ時間をかけるかについて、認識の違いも浮かび上がった。先行きの不透明さは残ったままだ。
会談前半にはプーチン氏が首相を自らの執務室に案内する一幕もあり、両首脳の変わらぬ親密さを印象付けた。菅官房長官は23日の記者会見で「2019年における日露関係の素晴らしいスタートになった」と総括してみせた。
「戦後70年以上残された課題の解決は容易ではない。しかし、私たちはやり遂げなければならない」
首相は会談後の共同記者発表でプーチン氏と「相互に受け入れ可能な解決策」を見いだす決意を共有したとした上で、こう強調した。会談は通訳だけを交えた1対1の形式による50分を含めて計約3時間に及んだ。
交渉加速のため、平和条約交渉の「責任者」と位置づけられる日露外相による次回の会談を2月15~17日、ドイツ南部ミュンヘンで行われる安全保障会議に合わせて行うことも固まった。両首脳は、北方4島での共同経済活動の早期実現や北方領土への航空機を使った元島民らの墓参を今年夏も行うことでも一致した。ただ、両首脳は共同記者発表で平和条約交渉の詳細に言及しなかった。
プーチン氏は記者発表で「相互に受け入れ可能な解決のための条件をつくる注意深い作業が今後控えている」と語り、交渉には時間がかかるとの認識を示した。
これに対して、日本側は6月に大阪で開く主要20か国・地域(G20)首脳会議に合わせたプーチン氏の来日時に首脳会談を行い、大筋合意を得たい考えだ。
背景には、両首脳に残された任期の差がある。首相の自民党総裁としての任期は21年9月末で満了するが、プーチン氏の大統領任期は24年5月まで。プーチン氏は首相よりも2年半以上の時間的余裕がある計算で、日本側は「プーチン氏には、急いで譲歩する必要はないという意識がある」(政府関係者)とみる。プーチン氏は、共同記者発表で日露間の貿易額を今後数年で現在の1・5倍に増やすことで一致したと自ら明らかにするなど貿易・投資への関心の高さをうかがわせた。成果を急ぐ日本から可能な限り経済協力を引き出す戦術との見方もある>(以上「読売新聞」より引用)
日ロ首脳会談が「失敗」に終わったことを読売新聞は「任期の違い」にあると論評している。何という「忖度」記事だろうか。
今回の日ロ首脳会談で領土問題は一ミリも動かないだろう、とは安倍氏が訪ロする前から一般的な意見として出ていたことだ。ロシア国内世論は「北方領土は第二次世界大戦の戦利品」との認識で一致している。それはロシアの義務教育などで国民に刷り込まれているからだ。
そうしたロシア世論に配慮しなければならないほど、プーチン氏の支持率は落ちている。連邦大統領として終身大統領を画策しているプーチン氏にとって、北方領土を一ミリとも日本に返還する気などなかった。
それでも性急に平和条約締結に前のめりになっている安倍氏の思惑は何だろうか。安倍氏が対ロ貿易をここ数年で1.5倍に伸ばすと公言する動機は何だろうか。そしてロシアに経済援助する環境づくりに「狂奔」する理由は何だろうか。
対ロ貿易など日本の490兆円のGDPから見れば微々たるもので、2016年実績で日本の対露輸出は2803億円で昨年同時期に比較して4.2%縮小。輸入も5760億円で38.5%縮小した。マイナス収支は2956億円となっている。なにを焦って対ロ関係を改善しなければならないのか、その理由が判然としない。
それとも表面に現れていない「隠された理由」があるというのだろうか。しかし日本の腐り切ったマスメディアはそうした肝心なことは取材しているのかどうか知らないが、一切報道しない。それもマスメディア側の「報道の自由」ということなのだろう。
今回の日ロ首脳会談は失敗だっただけではなく、対ロ北方領土交渉を1956年の線まで戻してしまう、という取り返しのつかない大失態だ。せっかく2001年にイルクーツクの「森ープーチン」会談で「北方四島が領土問題」との認識を日ロで共有した東京宣言を確認した「イルクーツク声明」を蔑ろにした。
東京宣言は「細川護熙ーエリツェイン」の首脳でなされたものだったが、イルクーツク声明はプチン氏が相手だ。まさかイルクーツク声明を「知らない」とは言わないだろうが、安倍氏のチョンボでそう言わせたに等しい。これを大失態といわずして何というべきだろうか。しかし、このことに日本のマスメディアは全く触れない。日本国民の知る権利を踏み躙っているだけでなく、報道機関としての責任すら果たしていない。
日ロ首脳会談が「失敗」に終わったことを読売新聞は「任期の違い」にあると論評している。何という「忖度」記事だろうか。
今回の日ロ首脳会談で領土問題は一ミリも動かないだろう、とは安倍氏が訪ロする前から一般的な意見として出ていたことだ。ロシア国内世論は「北方領土は第二次世界大戦の戦利品」との認識で一致している。それはロシアの義務教育などで国民に刷り込まれているからだ。
そうしたロシア世論に配慮しなければならないほど、プーチン氏の支持率は落ちている。連邦大統領として終身大統領を画策しているプーチン氏にとって、北方領土を一ミリとも日本に返還する気などなかった。
それでも性急に平和条約締結に前のめりになっている安倍氏の思惑は何だろうか。安倍氏が対ロ貿易をここ数年で1.5倍に伸ばすと公言する動機は何だろうか。そしてロシアに経済援助する環境づくりに「狂奔」する理由は何だろうか。
対ロ貿易など日本の490兆円のGDPから見れば微々たるもので、2016年実績で日本の対露輸出は2803億円で昨年同時期に比較して4.2%縮小。輸入も5760億円で38.5%縮小した。マイナス収支は2956億円となっている。なにを焦って対ロ関係を改善しなければならないのか、その理由が判然としない。
それとも表面に現れていない「隠された理由」があるというのだろうか。しかし日本の腐り切ったマスメディアはそうした肝心なことは取材しているのかどうか知らないが、一切報道しない。それもマスメディア側の「報道の自由」ということなのだろう。
今回の日ロ首脳会談は失敗だっただけではなく、対ロ北方領土交渉を1956年の線まで戻してしまう、という取り返しのつかない大失態だ。せっかく2001年にイルクーツクの「森ープーチン」会談で「北方四島が領土問題」との認識を日ロで共有した東京宣言を確認した「イルクーツク声明」を蔑ろにした。
東京宣言は「細川護熙ーエリツェイン」の首脳でなされたものだったが、イルクーツク声明はプチン氏が相手だ。まさかイルクーツク声明を「知らない」とは言わないだろうが、安倍氏のチョンボでそう言わせたに等しい。これを大失態といわずして何というべきだろうか。しかし、このことに日本のマスメディアは全く触れない。日本国民の知る権利を踏み躙っているだけでなく、報道機関としての責任すら果たしていない。