日本の危機は外交ではなく、日本経済の成長にこそある。

新年早々、東アジアが激しく動いている。米国と中国は北京で1月9日まで3日間にわたって次官級の通商協議を開いた。一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は中国を電撃訪問した。これで4回目だ。これから何が起きるのか。
米中協議と正恩氏の訪中は連動している。報道によれば、中国側が正恩氏を招いたという。それが本当なら、中国の習近平国家主席は米国との通商協議を有利に運ぶために、北朝鮮カードを切った形になる。
習氏は米国のトランプ大統領に「正恩氏に非核化を説得できるのはオレだ」と見せつけたかったのだ。正恩氏も「オレのバックには中国がいるぞ」と誇示できる。この構図は今回が初めてではない。6月の米朝首脳会談の前にも2度の中朝首脳会談があった。
それでも習氏と正恩氏がまた同じ手を使ったのは、中国と北朝鮮がそれほどトランプ氏に追い込まれている、とみてもいい。トランプ氏とすれば、中朝の思惑は先刻ご承知なので、とりわけ米朝交渉の行方には、ほとんど影響はない。
米中交渉はどうなるのか。報道によれば、中国が表明していた米国の農産品やエネルギー資源、工業製品などの輸入拡大で一定の前進があった、という。ただ、肝心の知的財産侵害問題では双方が沈黙を守っており、2月末の交渉期限までに合意にこぎつけられるかどうか、予断を許さない。
そもそも、これは貿易問題だが、貿易だけでもない。議論の裏側では、中国の覇権拡大と米国の国家安全保障が密接に絡んでいる。中国は真の狙いである覇権拡大をできるだけ表面化させず、単なる貿易問題として処理したがっている。
そのために、米国からの輸入拡大を表明したり、米国の制裁関税に対する報復として引き上げた自動車関税の引き下げと撤廃に応じる構えだ。ロシア疑惑などで苦境に立つトランプ氏にとっては得点になるので、もちろん歓迎するだろう。
だからといって、それで話が円満にまとまるかといえば、難しい。米国の真の目的は中国の覇権拡大を抑え込む点にある。習氏は終身の国家主席を目指す一方、国内で人権弾圧を繰り返し、南シナ海や東シナ海、尖閣諸島周辺で勢力拡大を図っている。対外拡張路線が最大の問題なのだ>(以上「現代ビジネス」より引用)


 上記は長谷川幸洋氏が現代ビジネスに投じた評論だ。いかにも東アジア外交で日本に切るべきカードがあるかのような書き方をしているが、実際のところ手の中に握っているカードに有効なものは何もない。
 むしろ東アジアで日本外交は存在感を喪失している。北朝鮮に関しても、日本政府はただの一度も「首脳会談」を実現していない。中国に対しても、尖閣諸島近海に中国船は未だにウロウロしている。韓国に到ってはデッドロックに乗り上げたまま元徴用工で賠償のお代わりを強制されようとしている。

 安倍自公政権のお粗末な外交の成果をヨイショしようにも長谷川氏も手詰まりのようだ。今月中にロシアのプーチン氏を招いて会談するようだが、平和交渉締結どころの話ではない。
 安倍氏の新年記者会見で「北方領土に住むロシア人は領土返還後も帰属はロシアのまま」と、大風呂敷を広げ過ぎてロシア当局から批判されている。口先で大嘘を吐いてゴマカシ政治を六年間も行ってきたが、ついに綻びが目立ち始めた。

 安倍氏の会食に呼ばれてホイホイと付いて行った寿司友たちは相変わらず安倍政治をヨイショしているが、ヨイショすべき材料すらなくなった。それどころかマスメディアの連中は日本の病理の根本原因すら分かってないようだ。
 日本の罹っている病は「総需要不足」だ。その原因はグローバル化に囃し立てられ「国際分業」論に乗った生産部年の海外移転と財政規律と消費増税だ。それにより日本の労働者は中国などの労働賃金と競争させられて、貧困化し消費増税で可処分所得を奪われた。

 日本にとって喫緊の課題はGDPの拡大だ。つまり経済成長策を徹底して行い、世界平均成長率3%を越えなければならない。それ以下では、日本は衰亡の坂道を転がり落ちるだけだ。
 防衛力も社会保障費もすべてはGDPの配分関係にある。GDPが伸びなくて防衛力だけを伸ばすことは出来ない。もちろん社会保障費もだ。税収だってGDPの枠内での話だ。

 経済成長の話をしないで、国防関係や安全保障に関して議論するのは「政治ゴッコ」のお子様理論だ。現実的な議論ではない。
 人手不足、だというのは雇用のマッチングの問題でしかない。本当に好況による人手不足なら賃金上昇が必ず伴うはずだ。そうでないのは雇用のマッチングの問題でしかない。そうした簡単な経済原理さえ無視する「情緒的」な御用評論家が日本には溢れ過ぎている。

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