日本の国益のために日ロ平和交渉を凍結せよ。

<ロシアのラブロフ外相は14日、河野太郎外相との会談後の記者会見で、南クリール諸島(北方領土)がロシア主権下にあることを含め第2次大戦の結果を日本が認めない限り、平和条約締結交渉の進展は困難との考えを示した。「日本が国内法で『北方領土』と規定していることは受け入れられない」と述べ、名称変更も迫った。

 また、安倍晋三首相が北方領土の返還を前提にロシア人の島民に帰属変更への理解を求める趣旨の発言をしたことについて「受け入れがたい」と批判した。

 さらに、両国間の査証(ビザ)制度撤廃を要求。まずサハリン州と北海道の間でのビザなし往来実現を提案した>(以上「共同通信」より引用)


 ロシア外相部が「日ロ外相交渉後の共同記者会見」を望んだ理由が解ったではないか。つまりロシアは日本に「北方領土」という呼称を止めるようにように要請していたからだ。
 ロシアは北方領土をロシア領として「解決」して、日ロ平和条約を締結して安倍氏が提唱している経済援助を開始し、北方領土の共同開発に着手して欲しいのだ。

 しかし北方領土はロシアが実効支配したままで、日本が北方領土の開発に協力することはあり得ない。安倍氏がそうした暴挙に及んだなら日本国民は彼を「売国奴」と呼ぶべきだ。
 だが外相交渉を行うまでもなく、こうした結果になるのは目に見えていた。なぜなら2001年にイルクーツクでプーチン氏が森首相と確認した「日ロ東京宣言」の「北方領土の解決により日ロ平和条約を締結する」としていた関係を、「安倍-プーチン」間で1956年の日ソ共同宣言の「二島返還」まで後退させていたからだ。それだけでも安倍氏の外交は日本の国益に反していた。

 なぜ日ロ平和条約の締結を急ぐ必要があるのだろうか。ロシアは「平和条約」の名に値する「平和国家」だろうか。むしろ現在では西国境を接するベラルーシの併呑まで目論んでいるあからさまな「帝国主義」国家ではないだろうか。
 プーチン氏は併呑したベラルーシとロシアを「連邦国家」と定義して、ロシア大統領の任期が終わる2024年以後は「連邦国家大統領」としてベラルーシ、ロシア大両統領の上に君臨し続けようと企んでいるという。

 安倍氏は米国の手先として、好戦的な独裁者・プーチン氏が権力者の座にあり続けることを託されているのだろうか。米国を支配している軍産共同体にとって、ロシアが平和国家になることは飯の種がなくなることだ。時恰も、ロシアが超音速のミサイルを開発したという。軍産共同体にとって国民への「脅威」が増すことは飯の種が増すことだ。
 その飯の種のプーチン氏の支持率が落ちている。トランプ氏にロシア疑惑があるため米国がロシアに手を差し伸べるわけにはいかない。だから代わりに日本がプーチン氏の窮地を救うようにと、米国から日本政府に要請が来ているのだろうか。

 しかし安倍氏の外交はヘタ以下のレベルだ。結局北朝鮮関係も韓国関係も中国関係も、近隣諸国に対する外交では後退こそすれ、1ミリも前進していない。日本の国益のためにも、日本は西側のロシア制裁に積極的に参加すべきだ。ロシア国民から恨まれようとも、ロシアが困窮することが日本の国益だ。
 平和外交や軍事的手段で北方四島の返還が出来ないなら、残された手段は買い取るしかない。そのためには北方領土との交易をすべて封鎖し、ロシアに対する経済援助や投資などをすべてやめることだ。

 モスクワ市民が困窮すれば東の果ての孤島に暮らす1万3千人のロシア人は塗炭の苦しみに陥るだろう。しかし、それを無視しなければならない。バカな日本の政治家のように「人道的援助」と称して支援したりムネオ・ハウスなどを建ててやってはならない。
 北方領土の暮らすロシア人が北方領土を捨てて島を去るまで、日本政府は心を鬼にして北方領土との交易をすべて厳しく封鎖すべきだ。たとえ日本国民がタラバガニを食べられなくなっても、その程度の辛抱はすべきだ。

 河野外相に日本外交の長期的展望があるなら、なぜロシア外相の「北方領土返還なし」との決意を聞いた途端に椅子を蹴って帰国しなかったのだろうか。そして西側諸国の一員として対ロ経済制裁に日本も加わる、と宣言すべきだった。
 押してダメなら引いてみる、というのが交渉の秘訣ではないか。「返してくれ」一辺倒なら足元を見られるのは当然だ。なぜ素っ気なく振舞えないのだろうか。愚者に日本の外交をこれ以上任せてはならない。

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