TPPはグローバル企業のためのものでしかない。

<日本など11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が30日発効した。世界の経済成長をけん引するアジア太平洋地域に域内人口5億人超の巨大な自由貿易圏が誕生する。加盟国産の農畜産物の関税が撤廃または引き下げられるため、消費者には小売価格の低下を通じて、より安価に食料品が手に入ることになる。

 加盟国全体で99%の品目の関税が最終的に撤廃される。日本の関税撤廃率は農林水産品で約82%、全品目ベースで約95%となる。当初は米国を含む12カ国が合意・署名したが、2017年1月に米国が離脱。日本が主導して今年3月に11カ国で新協定の署名にこぎ着け、国内手続きを終えた6カ国でまず発効した。

 6カ国は日本、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア。ベトナムは来年1月14日の発効が決まっており、残るマレーシア、チリ、ペルー、ブルネイも早期の発効を目指す。

 発効に伴い、牛肉や豚肉のほか、チーズや果実など幅広い農畜産物の関税が引き下げられる。一方、加盟各国が工業製品の関税を引き下げるため、自動車・部品などの輸出増が見込まれるほか、外資規制緩和や電子商取引などのルール整備も行われ、日本企業が海外展開しやすくなりそうだ。

 国内農業は生産減が懸念される。TPPと、来年2月1日に発効する欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)対策として、政府は農家の経営支援策を実施する。

 茂木敏充経済再生担当相は28日の記者会見で「世界的に保護主義が台頭する中、日本がリーダーシップを発揮して自由で公正なルールを確立するとともに巨大な経済圏を作る」と語った>(以上「毎日新聞」より引用)


 日本など11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が30日発効した。それにより経済効果が+7.8兆円見込まれGDPが2.6%プラスに寄与すると報じ、農産品の消費価格が下がるとマスメディアは恰も政府広報のように宣伝している。
 この場合、マスメディアが政府広報を垂れ流しにして悪意はないと言い逃れするかも知れないが、+7.8兆円は発効から向こう10年間の総額で、GDP2.6%増は2030年予測ということをキチンと併記すべきだ。それに対して「牛肉全体で生産額は311億円から625億円、豚肉は全体で169億円から332億円減少し、乳製品全体の生産額は198億円から291億円減少する」というのは単年度での話だ。

 上記記事ではTPPの真の狙いが解らないだろうが、全30章からなる英文で600ページ、関連協定も含めると1500ページになるTPP協定書を読むのは困難だが、要約された解説書を読むだけでもグローバル企業の域内展開をアシストする協定だということが解るだろう。つまりグローバル企業の域内展開ために参加国各国内の制度や法整備を促進し、投機家たちが自由に域内で投資できるようなルール作りに専念した協定書がTPPということだ。
 安倍自公政権が消費増税に反比例するかのように法人税を引き下げたのも、TPP協定書に抵触しないように域内各国の法人税の水準まで引き下げたのではないかと思われる。水道事業の民営化参入を可能にしたのも、政府関係公共事業の開放というTPP協定の中の条文に抵触しないように「水道法改悪」を急いだと思わざるを得ない。

 TPPにより日本のトヨタなどのグローバル企業が域内各国に進出しやすくなるのは間違いないだろう。しかし、それでグローバル企業が利益を上げたところで日本国民にどれほど還元されるというのだろうか。それは企業の内部留保に積み上げられ、役員報酬と株主配当に費やされるだけではないだろうか。
 日本国内で企業展開しなければ日本国民に殆ど何も還元されないのは「国際分業」による企業の海外移転策により、国内雇用・労働環境が悪化したことに鑑みれば、むしろマイナスに働く可能性すら大きい。つまり域内の労働賃金が日本国内労働賃金に適用され、マイナスとなって跳ね返って来ると思われるからだ。

 TPPにより2030時点で2.6%ほどGDPを押し上げる、というのも疑わしい。むしろ主として酪農などの農産品が壊滅的となり、マイナス効果の方が大きいのではないかと危惧する。食糧安全保障に関して、農産品特別除外5品目が守られなかった影響は大きいといわなければならないだろう。
 TPPによりグローバル企業のサプライ・ロジスティックが堅牢になる、と解説しているが果たしてそうだろうか。世界分散型のロジスティック(本来の意味は「兵站」で、現在は「戦略的輸送体系」という意味で用いられている)が安全ともいえないのは東北大震災で国内企業に影響が出たことでも明らかではないだろうか。世界分散といっても、余剰な生産能力に海外に展開するわけではない。「生産効率化」を求めて国際展開するのであって、効率化ということは経済効果最大化を求めるためであって、部品供給の多元化を確保することではない。

 一握りのグローバリストたちが希求する「貿易の自由化」とは世界を経済植民地化することだ。つまり「ヒト モノ カネ」の自由な往来を確保し、個別的・個性的な民族や国家や制度や文化や、果ては言語までグローバル化(同一化)して、投資資金で支配するのが究極の狙いだ。
 各国の労働者はグローバル企業の「労働力」という奴隷にされる。そのグローバル化された世界では「美しい日本」などは微塵も顧みられない。日本的なものはグローバリストたちにとって邪魔でしかない。日本文化の「華」は日本語だ。だから日本語をメチャクチャにすることにグローバリストたちは躍起になっている。

その先兵となってマスメディアが低能な日本語しか喋れない連中をテレビに大量に登場させて日本語を破壊している。また日本国民に混血を促進して、「新日本人」に変えようとしている。
 国家百年の計というが、政治家は百年後の日本を構想して政治を行うべきだ。現状の趨勢で百年経ったなら、日本は中国系「新日本人」によって乗っ取られているだろう。現在日本国内に居住する外国人の第一位は70万人を超える中国人で、外国人労働移民の約七割を中国人が占めるのではないかといわれている。大量の中国人留学生は卒業後も日本から帰国しないという。

 日本を異質な国に変えようとする安倍自公政権は「日本人」の日本にとって危険な政権だ。経済を衰亡させ、日本人をも「国際化」させようとしている。「日本を取り戻す」ために一日も早く安倍自公政権を倒して、「国民の生活が第一」の日本国民のための政治を日本が取り戻さなければならない。

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