日本国民のための政治を政治家諸氏は目指せ。

月給数万円、借金100万円…失踪した技能実習生の実態
 外国人労働者の受け入れ拡大のための出入国管理法の改正案に関連し、法務省は19日、受け入れ先の企業などから逃げ出した外国人技能実習生2870人への聞き取り調査の詳細を衆院法務委員会の理事らに示した。実習生の多くが月給を「10万円以下」、母国の送り出し機関に支払った額は「100万円以上」と回答しており、「国際貢献」をうたいながら「安価な労働力」として酷使されている実態の一端が浮かんだ。
 調査は、昨年12月までに受け入れ先から失踪した後、不法滞在容疑で摘発され、強制退去手続きがされた実習生や元実習生を対象に行われた。失踪の理由(複数回答)は、「低賃金」が1929人と約67%を占めた。このうち、法令違反に当たる「低賃金(契約賃金以下)」は144人、「低賃金(最低賃金以下)」は22人だった。失踪理由では他に「実習終了後も稼働したい」が510人、「指導が厳しい」が362人、「労働時間が長い」が203人、「暴力を受けた」が142人だった。
 失踪前の月給は「10万円以下」が1627人と過半数で、「10万円超~15万円以下」が1037人だった。給与について、入国前に説明を受けていた人は2131人いた。また、実習生の大半は来日前、母国の送り出し機関にお金を払っていた。金額は「100万円以上150万円未満」が1100人と最多で、293人が「150万円以上」を支払っていた。2552人は借り入れでまかない、自己資金で調達したのは459人だった>(以上「朝日新聞」より引用)

 朝日新聞の見出しをそのまま引用させて頂いた。なぜかというと、日本が外国人労働者と称して、アジア諸国の人たちに何をしているのかを読者諸氏に知って頂くためだ。
 日本政府は外国人労働者と称して移民を受け入れながら、期限が来たとして強制的に送り返している。しかも日本国内で働いている間の賃金は「最低賃金」にすら満たない待遇でだ。

 そうした外国人労働移民の枠を来年四月から広げて、最終的に34万人も受け入れようとしている。しかし、その数字すら裏付けのない「概算」どころか「摘み数字」で、しかも「特殊技能」の一級だとか二級だとかで在留資格や永住資格を与えるとしているが、肝心の一級や二級の資格内容はまだ何も決まっていないという。
 つまり中身は何もないが「とにかく決めろ」という法案だ。まさしく国会は官邸に舐められ切っている。それは国権の最高機関たる国会の堕落というしかない。なぜ堕落したのか、それは与野党の国会議員が国会議員たるに足らない烏合の衆に堕したからだ。

 国会議員の劣化は国民の劣化でもある。国民が然るべき選択を選挙で行わなければ国会はたちまち劣化する。
 テレビで少しばかり名を売ったスポーツ選手やタレントや歌手がたちまち国会議員に当選するようでは世も末だ。彼らは一体いかなる政治理念を以て政界へ乗り込んだというのだろうか。

 人手不足で企業が困っている、というのは生産性向上の投資をして来なかった企業の責任だ。生産性が向上して然るべき賃金を支払っていれば人手は集まる。
 それが証拠に賃金だけが上昇して平均年収が700万円を超えた公務員は高倍率の狭き門だ。その反対に結婚すら出来ないような低賃金の介護福祉士は有資格者の半数近くが離職したまま人手不足だ。

 経済成長は生産性向上の果実だが、生産性向上は省力化をももたらす。つまり、経済成長策を断行すれば人手不足は解消するし、労働賃金は増加して国内消費も拡大する。
 GDPの拡大は税収の自然増をもたらす。だから消費増税などといった愚策を採らず、経済成長策に特化した政治を実行すれば良い。それはつまり「国民の生活が第一」の政治だ。財界の小間使いのような政府ではなく、今こそ国民のための政治に立ち返ることが最も必要とされている時はないのだ。

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