世界で米国に次ぐ空母保有国・日本。

政府は新しい防衛大綱に「いずも」型護衛艦の事実上の空母化を盛り込み、南西諸島周辺や、基地のない太平洋への進出が目立つ中国に備える構えを強める。ただ空母化には、「専守防衛」を逸脱するとの批判がつきまとうため、「防衛目的」を強調することになる見通しだ。自民党は5月に「多用途運用母艦」を導入する提言をまとめており、政府・与党で慎重に用途や名称を詰める>(以上「毎日新聞」より引用)


 いつ日本が空母を所有することの議論を国会で行って、いつ保有することで決定したのだろうか。空母の保有は改めて指摘するまでもなく、敵基地攻撃能力を保有することに他ならない。
 つまり安倍自公政権は自衛隊を海外へ派兵することのみならず、海外で攻撃作戦を展開する「能力」まで自衛隊に付与しようとしている。自衛隊が「自衛」隊から普通の軍隊に大きく変貌しようとしている。

 当初の「いずも」建造に関しては「ヘリ空母」だから遠距離攻撃能力はもたないし、災害などの場合に道路が寸断された被災地へ物資などの運搬に「有効」だという理由で建造された経緯がある。
 しかし安倍自公政権はF35戦闘機100機購入する中にF35Bも予定しているという。つまり垂直離着陸戦闘機ハリアーを購入するというのだ。それはつまり「いずも」艦載機とすれば「いずも」は中国が時代遅れのジャンプ型空母建造しているのに対して、日本はそれをはるかに凌駕する能力を有する空母を「いずも」だけではなく、複数の「ヘリ空母」を普通の戦闘機を艦載機とする空母に変貌させることに他ならない。

 世界の趨勢を見ても空母を有する国はアメリカ、イタリア、インド、イギリス、ブラジル、中国、フランス、ロシア、スペイン、タイの10ヶ国と少数だ。複数の空母を保有する国は米国と中国とイタリアだけだ。
 日本はヘリ空母としてひゅうが型1隻、いずも型2隻の3隻を保有している。つまり日本は米国に次いで中国と肩を並べる空母保有国になる。そして艦載機に関してF35Bを導入すれば劣化コピーのポンコツ戦闘機しかない中国空母とは比較にならないほどの戦闘能力だ。

 そうした軍事大国への道を着々と歩む日本の防衛構想を、国会でいつ審議したというのだろうか。それとも安倍官邸が勝手に見切り発車したというのだろうか。文民統制どころか、国民のガバナンスが働かないところで、日本は「いつか来た道」を安倍氏の号令で歩み始めているようだ。

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