財界のための「外国人ピンハネ」をやめて、国民のための政治を。
<山下貴司法相は20日の会見で、失踪した技能実習生をめぐる調査結果に誤りがあったことについて、「心からおわび申し上げます」と陳謝した。調査結果を引用した国会答弁も「修正したい」と述べた。誤った原因のほか、技能実習制度の問題点を検証するため、門山宏哲政務官をトップに法務省内で検証チームを立ち上げたという。
山下氏は7日の参院予算委で失踪した実習生の2017年の調査結果について「より高い賃金を求めた失踪が約87%」と答弁した。だが、法務省の実際の調査結果は「低賃金」による失踪が「約67%」で、項目名も数値も間違っていた。
誤りは、16日の衆院法務委の理事懇談会で明らかになった。野党からは、「都合の悪いデータを隠す意図があったのではないか」という指摘も出ているが、山下氏は20日の会見で誤りについて「あってはならない」としたうえで、「意図的な改ざんはない」と強調した>(以上「朝日新聞」より引用)
実際に来日する前に約束した月収と、日本に来てからの月収とに倍近い開きがあった、という技能実習生の聞き取り調査書などを隠蔽して「嘘」の報告を国会へしていたことが判明したという。それが法務省のやることなのか。
法務大臣は死刑囚の死刑執行を判断する立場にある。それほど重い職責にある者がデータを改竄が露呈するや「誤りだった」と陳謝するとはいかなる失態だろうか。
さらに由々しき問題は法務省のデータ改竄に対してマスメディアが一斉に批判の大合唱をするでもなく、自公与党が政府に対して「如何なる所存か」と法務省の姿勢を正すこともない。そして法務大臣の罷免を求めるどころか、嘘のデータで法務委員会開催を強行しようとした委員長解任動議にすら反対してスンナリと審議入りを是認するという。
日本の政治は落ちるところまで堕ちた。もはや道理も正義も何もない。外国人労働者賃金を中間業者がピンハネしている実態まで明らかになったというのに警察沙汰にすらならないという。
かつて労働派遣とピンハネは表裏一体だった。そのピンハネした金がヤクザのしのぎになり、労働者は劣悪なタコ部屋に缶詰めにされて「監視」され、奴隷のように働かされた。そうした悪弊を取り去るために出来たのが派遣業法だった。
しかし小泉・竹中改革以来、日本国民はかつてのヤクザの所業が「派遣業者」に看板を掛け変えて出現していることに「不感症」になっている。そして、ついには外国人労働者を大挙して「派遣労働者」として「派遣業者」のシノギに国家・政府か関与して大量に入れようとしている。
テレビの「日本素晴らしい」宣伝番組で国民が留飲を下げている間に、日本は外国人労働者をピンハネの道具にするほど、いやらしい国に成り果てている。労働力の業種別不均衡を「人手不足」だと煽って、「人手不足=経済成長阻害要因」という騙しのテクニックを御用評論家や愚かなコメンテータたちを使ってマスメディアで大宣伝・流布している。
マトモな経済学者に聞くまでもなく、「人手不足=経済成長阻害要因」が誤っているのは大学一年で学ぶ経済原論程度の知識があれば簡単に論破できる理屈だ。経済成長は労働生産性の向上によってもたらされる、というのが経済の大原則だ。つまり企業が技術革新などを行って生産投資を行わな限り経済成長はあり得ないのだ。
安価な外国人労働者を雇用するのは企業の短期利益の最大化にこそ役立つのであって、労働賃金の引き下げ要因でしかない。経済成長はGDPの拡大だから、GDPの主力エンジンたる個人消費の拡大策こそが経済成長をもたらす政策だ。
つまり労働者賃金の上昇なくして経済成長はあり得ないし、経済成長なくして政府が「税収増」を図ることはあり得ない。それは国民の貧困化を招くだけだからだ。消費増税など断じて行ってはならないし、経済成長のために、むしろ消費減税を行うべきだ、というのが経済学者の大方の日本経済に対する「見立て」だ。
仁徳天皇が高殿に上られて竈の煙に心を砕いたのは治世者として正しい判断だ。歴史にこそ学ぶべき政治家諸氏が財界からの政治献金に迷い、日本を衰亡させる政策に驀進している様は「安倍・ハンメルの笛」に思考停止して滅亡の海へと向かって行進しているかのようだ。
100兆円を超える予算では財政拡大策は無理だ、というのも誤りだ。後年度負担というリボ払いの爆買いポンコツ米国製兵器の購入を見送れば良いだけだ。イージス・アショアは米国防衛のためのものでしかない。秋田に配備される予定のイージス・アショアは北朝鮮からハワイへ向けて発射されるICBMの軌道上にあり、それを探知するためのものだ。山口に配備予定のものはグアムへ向けて発射されるICBM早期探知用のものでしかない、というのは軍事専門家の多くが見立てている。そして400万ワットという強力な電磁波は水平方向へ向けて発射しなければ丸い地球で1000キロの彼方から発射されるICBMを探知することは出来ない、というのも常識だ。
嘘を吐いて国民を騙しているのは法務省だけではない。防衛省も嘘を吐いている。いや、安倍首相そのものが「二島返還」「二島先行返還」いや「四島返還が原則だ」とプーチン氏と約束した「北方領土開発」に関しての内容を誤魔化している。すべては財界・安倍友の利権のために国益を売り渡す算段だったと、バレているではないか。
国民は怒らないとダメだ。怒りを以て安倍自公政権を打倒しなければ、日本は外国人労働者を搾取する国だと国際的に認識され今後長らく非難されることになる。何が「美しい国・日本」だ。安倍本人が日本を「卑しい」「搾取国家」に成り果てさせようとしているではないか。それを止めるのは日本国民だけだ。財界のために外国人労働者を入れるのではなく、「国民の生活が第一」のために日本を経済成長させる政策を強力に推し進めることが何よりも必要だ。