安倍政権に寄り添うマスメディア。

自民党と公明党、日本維新の会などが推薦した佐喜真淳氏を破り、翁長雄志知事の後継候補である玉城デニー氏が当選した沖縄県知事選挙。選挙期間中におこなわれた世論調査の情勢報道では「接戦」「互角」と伝えられてきたが、蓋を開けてみれば、玉城氏は佐喜真氏に8万票を超える大差をつけ、沖縄県知事選では過去最多となる396632票を獲得した。
 この結果にもっとも頭を抱えているのは、言うまでもなく安倍政権だ。安倍首相にとっては自民党総裁選後すぐの選挙であり、なおかつ辺野古新基地建設に向けて絶対に落とせないものだった。そのため安倍首相は、菅義偉官房長官を総裁選ではなく知事選に全力投球させ、菅官房長官が指揮を執るなか佐喜真陣営は潤沢な選挙資金と組織力にものを言わせたすさまじい物量作戦を展開してきた。
 
 だが、その結果は玉城氏の圧勝。総裁選でも厳しい締め付けをおこなったにもかかわらず石破茂氏の善戦を許したばかりだったが、沖縄県知事選の結果は「このまま安倍体制で来年夏の参院選は勝てるのか」という党内の不安ムードに追い打ちをかける事態となった。
 実際、きょう午前中におこなわれた定例記者会見では、記者から知事選の敗因を問われると、菅官房長官は「結果について政府としてコメントすべきではない」と回答拒否。さらに、選挙中に菅官房長官自ら佐喜真氏の街頭応援演説で謳った「携帯料金の4割引き下げ」についても、「沖縄県に限らず全国的な課題」などと言い出した。
 辺野古新基地建設に反対する玉城氏を新たな知事に選ぶという沖縄の民意があらためて示されたというのに、徹底的に無視する──。この冷酷な安倍政権の態度は許しがたいものだが、しかし、それはメディアの報道も同じだ。
 というのも、投開票から一夜明けた本日、NHKの『ニュース7』が、沖縄県知事選の結果について、まったくふれなかったのだ。
 もともとNHKは今回の沖縄県知事選についてほとんど取り上げてこなかったが、まさか、看板のひとつである報道番組で結果にさえふれないとは、あまりに露骨すぎるだろう。
 さらに、民放のワイドショーも、ほとんどが沖縄県知事選の話題をスルーした。きょうのワイドショーは軒並み、台風に貴乃花親方問題、樹木希林の告別式、平尾昌晃の遺産騒動、大阪府警富田林署から逃走していた樋田淳也容疑者の逮捕といった話題をピックアップ。沖縄県知事選の結果をスタジオのコメント付きで取り上げたのは『ひるおび!』(TBS)だけで、それも10時台の新聞チェックのコーナーでわずか約8分間だった。
 これは、2014年に翁長知事が当選した前回選挙と比べると、あまりにも違いがありすぎる。現に、前回の選挙の翌日は、『とくダネ!』(フジテレビ)ではオープニングから翁長氏の当選を伝え、当時、現職だった仲井眞弘多元知事による辺野古沖の埋め立て承認の問題を取り上げた。さらに、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)でも2番目のニュースとして「“普天間基地移設反対派”が当選」と時間を割いて報じ、『スッキリ!!』(日本テレビ)も選挙結果を伝えていた。
 ちなみに、前回の2014年時よりも時事ネタを扱うワイドショーの数は増えている。しかも、今回の沖縄県知事選では、ワイドショーの大好物である小泉進次郎議員が3回も沖縄入り。その上、自民党はつい先日まで安倍首相の“敵”だった石破氏さえ応援に駆り出していた。また、玉城氏の当選は日本で初のミックスルーツをもつ知事の誕生でもあり、ワイドショーが食いつく“ネタ”は山ほどあったのだ。
 なのに、前回とは打って変わって、選挙結果を取り上げない──。このわかりやすい事実が示しているのは、いかにNHKやワイドショーが、沖縄の民意を伝えることを「政権批判」と捉えているのか、という問題だろう。
 つまり、こういうことだ。進次郎議員を筆頭に、菅官房長官や二階俊博幹事長などの大物政治家まで動員するなど自民党が総力戦を繰り広げながら敗北したという事実。そして何より、沖縄県民が辺野古新基地建設に反対という民意を国に叩きつけたという事実。そうした紛れもない「事実」を伝えることさえ、「政権批判をしたと圧力をかけられるかもしれない」と怯え、“報道しない”という忖度を働かせた──そういうことではないのか。
 実際、約8分間だけ知事選の結果について取り上げた『ひるおび!』では、立川志らくが「遺志を継ぐだけではなく今後、理想を現実にしないと人びとは待ってくれないですよね」「(基地建設を)妨害する、つくらせないっていうのはいいんだけど、それじゃあどうするんだってことですよね」などとコメント。八代英輝も「おそらく辺野古に積極的に賛成の人って国民に誰もいないと思うんですよ」と言いながら、そうした沖縄の民意を「理想論」だと述べた。辺野古の新基地建設に反対することは「妨害」であり、反対という民意は「理想論」でしかない……。つまり、沖縄の声の側に立つのではなく、政権の側から知事選の結果を斬ったのだ。
 メディアがこんな体たらくでは、米軍基地問題はいつまでも沖縄に押し付けられたままになり、基地反対派の市民を暴力によって排除するという民主主義国家にあるまじき安倍政権の強権的な態度は一向に改まらないだろう>(以上「LITERA」より引用)


 リテラの記事を長々と引用させて頂いた。リテラが指摘するまでもなく日本のマスメディアと、そこに登場するコメンテータたちのバカさ加減にはウンザリしている。
 ことにテレビのコメンテータ諸氏の政権寄り発言はひどいようだ。リテラの記事では立川某落語家が玉城氏を批判して「(基地建設を)妨害する、つくらせないっていうのはいいんだけど、それじゃあどうするんだってことですよね」と発言するに到っては見識を疑う。沖縄県民は「辺野古移設反対」の意思表明だけで良く、それでは「どうするのか」を決めるのは辺野古移設を勝手に決めた政府の責任だ。

 八代某に到っては「辺野古移設反対は「理想論」だけど現実的でない」旨の発言をしたようだ。沖縄県民が基地のない沖縄を希望するのが「理想論」だと見下すのは如何なものだろうか。
 基地のない、軍隊のない世界こそが理想ではないのだろうか。しかも米軍は日本防衛の名を借りて米国の世界戦略に沖縄のみならず全国の基地や米軍施設を利用している。日本は米軍にそうした施設を「優先的」に使用させることによって、米国の世界戦略に組み込まれていることを認識すべきだ。

 日本の国土は日本国民の共有財産であり、日本の防衛は日本国民がその任に当たるべきだ。しかも憲法規定から「専守防衛」の範囲内で軍備を整え、敵の侵略に備える、という範囲で防衛力を整備すべきだ。
 米国は日本を利用しても、決して日本の「友好国」ではない。それはトランプ氏が得々として「日本車に効率の貿易関税を科すぞ、と脅したらさっそく二国間交渉に応じたゼ」と記者会見で暴露したことからも明らかだ。日本を敵国・中国と同様に扱っている現実になぜ目を瞑るのだろうか。米国は日本の国土と国民を利用しているだけだ。

 辺野古移設反対の「対案」を示せと立川某落語家はシタリ顔で述べた。それは沖縄県が考えることではない。勝手に辺野古移設を決めた政府・安倍自公政権が考えることだ。馬鹿の一つ覚えで「対案」と言えば反対派は黙るとでも思っているのか。
 「最低でも県外」は「出来るなら国外」という意味だ。それを米国と交渉するのは日本政府だ。もっとも米国はグアムに撤退すると言っていたではないか。それを国内に引き留めたのは外務省と防衛省の官僚たちだ。

 鳩山氏時代の「最低でも県外」発言で、激怒したヒラリー・クリントン氏に駐米大使館員が夜中にも拘らず呼びつけられたと日本で報道されたが、それが嘘だったとウィキ・リークスで暴露されている。日本の官僚たちは大嘘を平気で吐くし、公文書改竄や隠蔽など屁とも思っていない、ということは安倍政権で明らかになっているではないか。
 辺野古移設を既定事実化したのは官僚たちだ。彼らは自分たちの利権のために政権を裏で操る。「神輿は軽くて馬鹿がいい」とはそのことだ。その伝でいえば「コメンテータは軽くて馬鹿がいい」ということなのだろうか。

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