ふたたび安田氏を批判する。

安田純平氏の解放。

自己責任だという声が出ているが、仮にそうであってもなくとも、国民が拉致拘束されれば日本国はどんな場合でも救出に動く。

紛争地域の現実を伝えるのは重要なこと。しかし、拘束されてしまった。政府は拘束された理由はどうであれ、国民を救うために動いた。

これが事実だが、安田氏のコメントを聞いて皆様はどうお感じになるだろうか>(以上「Blogos」より引用)


 安田氏の開放に関して批判と擁護との論調がネットにも溢れている。私は安田氏を批判した。今もその考えに変わりない。
 なぜならジャーナリストが現地へ赴かなければ「現状」は把握できない、という安田擁護の論調に賛同できないからだ。酷な言い方をすれば、安田氏は三年もシリア過激派に拘束されていたが、一体何が「取材」出来たというのだろうか。

 安田氏は克明に「捕虜日記」を書いているが、それがシリア情勢の「真相解明」に役立つというのだろうか。それとも「捕虜日記」を書いている間に、シリア難民の何人かが救われたとでもいうのだろうか。
 安田氏を拘束していたヌスリム武装戦線はいわばイスラム過激派の名を借りたギャングのようなものだ。嘘だと思うならイスラム教徒に「ヌスリム武装戦線」はイスラム教徒の仲間か、と聞いてみるが良い。

 アサド独裁政権がシリア国民に圧制を敷いていたのは間違いない。しかしシリアを纏めるには独裁政権も必要な状況だったのかも知れない。一時とはいえISがシリア全土を制圧する勢いだったことに鑑みれば、独裁強権政治でなければ国家として纏まらないのかも知れない。
 あたかもフセインのイラクがそうであったかのように、民主主義国家日本の常識では図れないところがあるのだろう。シリアに安田氏が「現地取材」したところで、何が分かるというのだろうか。

 悲惨な「状況」は日本国内に幾らでもある。シリアくんだりに出掛けるまでもない。たとえば40才を過ぎたプータローを抱える高齢家族の悲惨さを想像したことがあるだろうか。
 ボケた配偶者を高齢化した配偶者がヨボヨボと介護している老々介護の現状はシリア並みに悲惨だ。そうした地獄絵図は海外へ出掛けるまでもない、国内でいくらでも取材できる。安田氏はシリアまで出掛けて、何を取材したかったのだろうか。

 「現地へ行かなければ何もわからない」という言葉は自己満足に過ぎない。所詮は行動を共にする「片側だけの」目で相手と全体を理解するしかないのだ。それが個々人のジャーナリストとしての限界だ。
 なぜシリアのことを伝えるシリア人ジャーナリストが全世界へ配信しないのだろうか。アサド政権が軍事的に制圧したいクルド人地域の争いがソモソモシリア紛争の原点だ。そこへギャングのISとヌスリムが参戦したに過ぎない。

 そアサド政権に死の商人のロシアが付いて、果てしない戦争に陥っている。ただ最近になってアサド政権を後押しするロシアと反アサド政権を支援するトルコとの間に話がついて、戦争を終結させようとする機運が高まっている。
 それはヌスリム政権を推すトルコにとって絶好機ではない。しかしロシアは経済制裁の最中で、これ以上アサド政権を支援する「財力」はない。ヌスリム武装集団を支援していたトルコも国内に厭戦気分が蔓延している。ロシアとトルコが手打ちすればサダト政権軍と不スリム軍事同盟も手打ちするしかない。

 安田氏が救出されたのは政府軍とテロ集団とのわずかな「雪解け」を期待してのことだった。このブログでも書いたが、ヌスリム武装戦線は体の良い「ギャング」に他ならない。人質は金儲けの手段に過ぎない。
 そうした地へノコノコと出掛けて捕虜になるのも「報道の自由」だというから笑うしかない。ギャングにとっては「火に入る夏の虫」といったところだろう。身代金は彼らにとってビジネスだ。だから安田氏は殺害されなかったのだ。

 紛争地へ入らなければ「起きていることをリアルタイムで知ることは出来ない。しかし彼が知った世界がシリア全体の一部でしかないことを理解しておくべきだ。
 ジャーナリストがジャーナリスト擁護しまくって本当に安田氏はシリアへ入ったことで良好な取材が出来たか否かは疑問だ。なぜ安田氏はシリア領内へ入り込まず、北京ダックのように一羽丸ごと調理するとは思っていなかっただろう。しかし、それがシリア流だ。五度も囚われた安田氏は紛争地の取材に向かないジャーナリストのようだ。

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