米国の軍事力は日本の防衛に役立つのか。

トランプ米大統領が7日、貿易をめぐる強硬姿勢をさらに鮮明にした。中国への高関税措置をすべての輸入品に広げる可能性に具体的に触れ、貿易協議を進める日本には露骨に「脅し」の発言を重ねた。11月の中間選挙に向けて支持固めを図る狙いとみられ、日本には農産物の市場開放などへの圧力が今後も強まりそうだ。
「私が望めば、さらに2670億ドル(約30兆円)分をすぐにでもかける準備がある」。トランプ氏は7日、大統領専用機のなかで中国への高関税措置の発動について記者団から問われると、こう冗舌に答えた。
 米政権は、知的財産の侵害を理由にした対中高関税措置について、第1~2弾として計500億ドル分の輸入品にすでに発動。トランプ氏は7日、2千億ドル分が対象の第3弾の発動を近く表明する可能性に触れた。
 さらに、当初2千億ドル分と予告していた第4弾を2670億ドル分に引き上げる意向を示した。発言通り第4弾まで発動すれば、2017年で5千億ドルあまりに上る中国からの全輸入品に高関税がかかる規模だ。
 日本については「貿易問題でオバマ政権と話そうとしなかった。報復されることもないし、自国は弱いから誰も何もしてこないと思っていたからだ」と主張。「相手が私になり、ディール(取引)がまとまらなければ大変なことになる、とわかっている」と述べた。
 日米間では9月下旬に首脳会談や閣僚級協議「FFR」の2回目の会合を開く見通し。米国は牛肉などの関税引き下げや輸入拡大を迫るとみられ、自動車への高関税措置を圧力として使う公算も大きくなってきた>(以上「朝日新聞」より引用)


 トランプ氏は世界各国に露骨な「恫喝外交」を展開している。同盟国のドイツやカナダなどにも遠慮なく、というよりも非常識な「恫喝外交」を行った。中国に対してはもはや恫喝ではなく、貿易赤字の削減において実力行使を展開している。
 日本も決して例外ではない、という発言を繰り返している。11月の中間選挙に向けて、トランプ氏は益々「米国ファースト」の姿勢を強めるだろう。上記記事でも牛肉の関税引き下げをトランプ氏は持ち出してくると指摘している。米国産牛肉に対する関税はセーフガード適用期間(2017年8月~18年3月)の50%から、現在は38.5%に戻っている。

 トランプ氏は米国産牛肉に対する関税を0にしなければ日本から米国へ入る自動車25%の関税を課すと脅して来るつもりのようだ。トランプ氏は「恫喝」ではなく「本気」だと繰り返し恫喝している。
 しかし日本の牛肉自給率は38%(2016年度)で、米国から牛肉輸入国の第一位は日本で18億9000万ドル(約2100億円)も輸入している。ちなみに米国牛肉を輸入している二位三位は韓国、メキシコと自由貿易協定(FTA)を締結している国が並ぶ。

 トランプ氏が「米国ファースト」を主張するのなら、日本政府も「日本ファースト」を主張すべきだ。そして対抗措置としてトランプ氏が自動車関税を25%に引き上げる、というのなら日本独自に開発すると安倍氏お得意の「閣議決定」した上で、爆買いした米国製ポンコツ兵器の購入延期を対抗措置として打ち出すべきだ。
 同時に世界に対して政府は「日本は米国製自動車に関税をかけていないが、米国は現在も2.5%の関税を課しているが、それを25%に引き上げると脅している。それは明確なWTO違反だ」と大宣伝を行うべきだ。

 いかに「米国ファースト」と雖も米国民もトランプ氏の「恫喝外交」はやりすぎだと気付くだろう。米国内の40%を占めるトランプ岩盤支持層が動揺すれば、いかに鼻息の荒いトランプ氏も少しは立ち止まるだろう。
 そして日本は食糧安全保障の立場から自給率がこれ以上低下するのは国家として危険ラインを越える、との立場を主張すべきだ。決して安易な妥協をしてはならない。かつて愚かな大臣が「GDPの1%の農産品を守って99%を占める工業製品を犠牲には出来ない」とのたまったことがあったが、まさか飢饉に際して飢えた国民に「自動車を食え」とは言えないし、自動車を飢えの足しにすることは出来ないだろう。食糧安全保障は独立国家として譲ることのできない生命線だ。

 実際は自動車製造はGDPの11%を占める日本経済をけん引する巨大産業だ。化学工業が9.4%で二位を占め、三位に食料品の8.5%が続いている。
 すべての産業に気配りしながら、主張すべきは主張するのが日本政府の役目だ。唯々諾々とトランプ氏の言いなりになってはならない。同盟関係の解消をも辞さない覚悟で交渉に臨むべきだ。「米国の軍事力は日本の防衛に役立つのか」と本質を突いてみれば良い。

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