奈落の淵に立つ日本。

毎日新聞は1、2両日、全国世論調査を実施した。自民党総裁選(20日投開票)に立候補を表明した安倍晋三首相と石破茂元幹事長のうち、誰が次期総裁にふさわしいか聞いたところ、安倍首相が32%で、石破氏が29%と小差で続いた。「このなかにはいない」と答えた人も28%いた。安倍内閣の支持率は37%で、7月の前回調査(37%)から横ばい。不支持率は前回(44%)から3ポイント減の41%で、3月の調査から6回連続で不支持が支持を上回った>(以上「毎日新聞」より引用)


 いずれにせよ、私には総裁選の選挙権はない。自民党国会議員でもなければ自民党員でもないからだ。私とは関係のないところで総裁、つまり総理大臣が決まるというのは理不尽の感が拭えない。
 総選挙で支持した政党が敗れたのならまだしも、衆議院任期途中で自民党総裁選がある、ということでマスメディアが騒いでいるのは怪訝な思いすらする。所詮はコップの中の嵐ではないか。

 安倍自公政権の六年間で何か良いことがあっただろうか。ここにIMFの(word economic database)出所の世界GDPに占める各国のGDPの推移を表した数字がある。日本と比較する国として対照的な中国の数字を上段に年、下段にパーセンテージを示す。
      1991          2001          2011          2016          2021  (年)
日本    8.795         6.391         4.645         4.141         3.555     (%)
中国    4.412         7.881        14.674       17.859       20.008   (%)

 実に驚異的な数字が並んでいる。2021年はIMFの予測だろうが、絶望的な数字だ。GDPに示される国力が日中間で10倍近く開いては軍事力で中国に日本が圧倒されるのは時間の問題だ。日本を衰亡させる「財政規律」論者たちを一掃しなければ、日本は存続そのものが危うくなる。これは脅しではない。厳然たる現実だ。

 これでも財政規律に毒されている安倍自公政権を持続させることを日本国民は望むのだろうか。安倍自公政権下で日本の国力は確実に(相対的に)落ちている。コンマ5ポイント以上の下落を日本国民は自身の貧困化として実感しているはずだ。

 なぜ若者が自動車離れをしているか、なぜ婚姻率が低下しているか。それらの大きな原因は若者たちの貧困化ではないだろうか。 
 求人倍率を喜ぶのではなく、求人の質こそ問題にすべきだ。継続的かつ安定的で、家庭生活が営めるほどの賃金を保障する雇用がどれほどあるかを問題にすべきだ。
 そのために海外移転した企業にUターン投資減税を実施すべきだ。消費増税ではなく、消費税を5%に減税して、経済成長を確実にすべきだ。GDPの拡大なくしてデフレ経済からの脱却のみならず、日本の安全保障すら確保できなくなる。それも遠い未来のことではなく、東京オリンピックで浮かれている間に、だ。

 財政規律論を展開している馬鹿な政治家たちに日本を委ねていてはいけない。「国民の生活が第一」の政治を確実に実施する野党連合を結集しなければならない。そのためにも野党政治家諸氏は勉強すべきだ。日本の未来はまさに奈落の底へ転落しようとしている、という事実を正面から見据えて、経済政策を大転換すべきだという論理をしっかりと頭に叩き込むことだ。けっして財務官僚たちの「財政規律論」という大嘘に騙されてはならない。

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