福一原発から飛散した放射性物質は消えていない。

<山形県の大江町と尾花沢市で販売された野生キノコ「サクラシメジ」から、基準値を超える放射性セシウムが検出されたことが分かった。

これは、厚生労働省が9月19日に行なった買い上げ調査で判明した。県によると、大江町の「道の駅おおえ」では、販売していた山形市産のサクラシメジから基準値の3倍にあたる1キロあたり300ベクレルの放射性セシウムが検出された。すでに1箱350グラム入りが6箱販売され、現在自主回収を進めている。

また、尾花沢市の「道の駅尾花沢」で販売していた市内産のサクラシメジからも、基準値を超える放射性セシウムが検出された。こちらの販売は、厚生労働省が調査のため買い上げたものに限られ、他への流通はないという。

県は25日以降に山形市と尾花沢市とその周辺市町から採取した検体を調べ、基準値を超えた場合、採取地の市と町に野生キノコ全てについて出荷の自粛を要請する>(以上「さくらんぼTV」より引用)



 福一原発より飛散した放射性物質が未だに影響を及ぼしていると思わざるを得ない。それは2011年の水素爆発によるものなのか、それとも所在不明なデブリが今も臨界に達して新たに放射性物質を大量に放出しているのか。
 いずれにせよ人体に影響を及ぼす放射性物質が山形県の大江町と尾花沢市で販売された野生キノコ「サクラシメジ」から、基準値を超える放射性セシウムが検出されたことが分かった、という。

 地方局のさくらんぼテレビが「山形市産のサクラシメジから基準値の3倍にあたる1キロあたり300ベクレルの放射性セシウムが検出された」と報じたものの、全国ネットに配信されないのはなぜだろうか。
 風評被害により福島県産の食糧品が売れなくなる、として「風評」の発生源となる放射性物質の飛散状況の報道をマスメディアが自主規制しているとしたら由々しき問題だ。福島県やその周辺が復興するのは当然のことだが、復興させることが優先して放射性物質に関して「鈍感」に慣らされることがあってはならない。

 放射性物質は匂いや色でその存在を知ることは出来ない。そして極めて微小な粒子のため風に乗って遠隔地まで飛散する。
 今も大量の放射性物質が福一原発の地下に堆積したデブリが水没した状態で臨界に達して高温の水蒸気を噴き上げていると思われる。実際に人がデブリの存在を目視することは不可能で、遠隔操作のカメラ映像で見るしかないが、未だに存在を確認できていない。

 福島原発から飛散した放射性物質は今どうなっているのか、マスメディアは一切報じない。だから何となく解消したと思っているとしたら大間違いだ。今も放射性物質は確実に存在しているし、それがすべて除染により人の管理下に置かれていると考えるのも危険だ。
 除染対象地域は岩手県から千葉県までの主として太平洋側の地域となっていて、山形県に除染対象となった市町村はない。もちろん山形県の大江町と尾花沢市も除染対象とはなっていない。

 かつて福一原発が水素爆発して放射性物質を大量放出した時、静岡県の茶葉に基準値以上の放射能汚染が確認されて出荷停止になったことがある。静岡県では問題になったが、その近辺の伊豆半島や三浦半島などではどうだったのだろうか。
 そして東京はどうだったのだろうか。現在でも時々放射能汚染で東京のスポットが話題になることはあるが、河川を通して放射能物質が集積されていると思われる東京湾の危険性はどうなのか。マスメディアが国民の知る権利に対応すべく独自調査を積極的にすべきだが、腐り切った日本のマスメディアに期待するのが無理な話なのか。

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