なぜ安倍氏は政権に固執するのか。

安倍晋三首相は15日夜、山梨県鳴沢村にある日本財団の笹川陽平会長の別荘で、森喜朗、小泉純一郎両元首相、麻生太郎副総理兼財務相らと会食した。9月に自民党総裁選を控え、今後の政権運営などについて意見交換をしたとみられる。自民党の岸田文雄政調会長、萩生田光一幹事長代行、加藤勝信厚生労働相、茂木敏充経済再生担当相らも参加した。
 首相は15日、鳴沢村にある自身の別荘で静養に入った。滞在中はゴルフや会食などを楽しむ予定で、総裁選の準備期間にもなりそうだ。これに伴い、17、21両日に予定していた定例の閣議は取りやめる>(以上「産経新聞」より引用)

 安倍氏が二期六年までとした党規を三期九年までと変えてまで政権の座に固執するのはなぜだろうか。二期六年までとしたのは「権力は腐敗する」という先人の知恵であったはずだ。
 安倍政権は既に二期六年で耐え難いほどの腐敗臭を放っている。それを三期九年まで延長する、というのが自民党の意思だとしたら自民党そのものが耐え難いほど腐り切っていることになる。

 安倍氏が「別荘」に政権幹部や森氏や小泉氏などを招待して会食したという。例の「男たちの悪だくみ」という写真にある通り、悪事をめぐらした「別荘」で、だ。
 安倍氏は三期目で何をやろうとしているのか。憲法改正と口にしているようだが、既に勝手に「解釈改憲」したではないか。それが次の政権でひっくり返されないように憲法を安倍解釈改憲に合わせようというのだろう。

 会食に悪だくみに乗るような連中ばかりよくも集めたものだ。小泉氏は「構造改革」で郵政を「民営化」して郵貯利権を米国に売り渡した張本人だ。時の参謀役・竹中平蔵氏は今も官邸の中に巣食って悪事を働いている。
 少なくとも、外国人介護技能実習生を日本に入れる際に「事前研修」と称して彼が会長職にある派遣会社・パソナで数ヶ月の実習をしている。それは抜かりなく正当な手続きを経て実施されているのだろうが、それでも国民がその事実を知れば「不正」だと腐敗臭を感じるだろう。だから、そうした事実を御用報道機関と堕している日本のマスメディアは一切報道しない。

 この国は根から腐っている。それは政府だけでなく、いろんな団体でもそうだ。マスメディアは一切報道しなくなったが、特殊法人や特別会計の闇は少しは解明されたのだろうか。
 山口県周防大島町で行方不明だった二歳の幼児をボランティアが発見した際、警察は幼児を警察に渡すように言ったそうだ。その際、ボランティアは「前日、母親と会った際に「発見したらすぐに届ける」と約束したから、大臣が来ようが誰が来ようが渡すつもりはなかった」と述べたとネットには載っている。
 しかしマスメディアにそうした「やり取り」は一切報道されていない。警察にとって二頭もの警察犬と大捜査陣を敷いて発見できず、来たばかりのボランティアが捜索20分で発見したとあっては面目丸潰れだろう。警察官が「幼児を寄越せ」とボランティアに言った心情は理解できる。しかし、それはフェアではない。警察がいかに弛んでいるか、国民は知るべきだ。

 日本は肝心な根の部分の箍が外れている。それ主要因は総理大臣が嘘を吐いても、平然と嘘を吐き通せば総理大臣の椅子に座り続けることが出来る、と日本国民すべてに示してしまった。反面教師どころではない。嘘つき国家の推奨を安倍氏自らが行っている。それは彼が度々引用する松陰の最も忌み嫌うところだ。
 自ら刑死することで門弟に討幕の決意を固めさせた泉下の松陰は彼の言葉を引用する安倍氏を忌々しい思いで見ていることだろう。

 安倍氏は政権の座を去れば嘘が暴かれるとでも思っているのだろうか。一日でも政権を維持して、嘘を固めて錬金術のように真実に変えようとでも思っているのだろう。しかし錬金術はついに失敗したことも忘れてはならない。嘘は嘘でしかなく、真実は必ず露見する。

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