日本の総理大臣なら世界漫遊よりも国土強靭化を。

26日午後1時50分ごろ、東京都多摩市唐木田1で建設中のオフィスビル(鉄骨造り、地上3階地下4階)の地下3階から出火した。警視庁などによると、現場では当時、約320人の作業員が働いていたが、逃げ遅れた男性作業員5人が煙を吸うなどして死亡した。負傷者は約40人に上り、このうち約25人は症状が重いという。東京消防庁が出火原因を調べている。警視庁は業務上過失致死傷などの容疑で捜査を始めた。

 警視庁捜査1課などによると、作業員2人が地下3階でガスバーナーを使い鉄骨を切断していたところ、近くにあったウレタンの断熱材に火花が飛んで、出火したとみられる。作業員は消火器を使うなどして消火を試みたが火の回りが早く、瞬く間に燃え広がったという。死亡した5人は地上3階と地下4階で1人ずつ、他の3人は地下から発見された。

 建設中のビルは、企業の事務所などが入居するオフィスビルとして、三井不動産(東京都中央区)が100%出資する南多摩特定目的会社(同)が発注。安藤ハザマ(東京都港区)が施工していた。同社によると、工事は2016年10月に着工し、今年10月に完成する予定だった。26日は内装工事を中心に作業していたという。

 東京消防庁などによると、この火災で約70台の消防車や救急車が出動。延べ床面積約1万7600平方メートルのうち約5000平方メートルが燃え、約6時間後にほぼ消し止めた>(以上「毎日新聞」より引用)


 日本の土木建築工事の技術水準は世界に冠たるものだったが、現在はどうなのかと首を傾げざるを得ない。上記記事にある建築中のビル火災で五名の尊い命が失われた。
 その工事を請け負っていたのは安藤ハザマだったというからなおさらだ。いうまでもなく、安藤ハザマは安藤建設と間組が合併した準大手ゼネコンだ。安藤建設はJRAのスタンド建設などの実績があって建設に定評があり、間組は「黒部の太陽」で名を馳せた黒部ダムなどの土木事業を手掛けた土木の名門だ。

 そうした元請けの下に内装工事を行っていたのがいかなる業者か詳細は報じられていないが、いい加減な業者に安藤ハザマが下請けを任せるとは思えない。そうすると日本の建築界の安全管理を含めた技術水準がいかに低下したのかと思わざるを得ない。
 公共事業を絞りに絞って往時の半分以下にしたため、建設・土木業界はここ二十年ばかり冬の時代を迎えていた。そのため新規人材を採用することもなく、団塊の世代が知財や技術を継承することもなく大量退職してしまった。結果がこうした技術水準の低下に表れているのではないかと思われる。

 しかも民間から受注する建設費は公共事業単価の半分以下というのが業界の常識で、発注元の三井不動産から請け負った価格がどうだったのか判らないが、いずれにせよ安全管理が犠牲にされてはかなわない。
 本四架橋が合わって二十年以上が経過し、架橋技術が次世代に継承されているのか心配でならない。指摘するまでもないことだが、本四架橋もいつかは耐用年数を経過して架け替えが必要になってくる。その時に架橋技術が継承されてなければ一から出直すことになりかねない。

 国土強靭化とは建設・土木技術の継承でもある。公共事業を目の仇にして削りに削った結果がこうした安全管理も含めた基礎的な技術力の低下だ。そこに新規素材が現場に入って来て、新技術の習得が必要になる。
 日進月歩の技術進歩を支えるのも「人材」だ。決して移民外国人労働者や技術研修労働者ではない。蔑ろにすれば必ずシッペ返しを受けるのが世の常だ。世界漫遊ではなく、政治家はしっかりと足元の国土と国民を見詰めなければならない。

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