日本国民が目指すべきは「国民の生活が第一」の政治だ。

モリ・カケ疑惑追及の旗はさらに高く掲げるべき時だ。この問題が、実は日本国憲法そのものの骨格を揺るがす、ありうべからざる権力の暴走・乱用事態であるからだ。整理してみる。
 まずは権力の私物化である。いずれの事件も行政権の行使において友人を優遇した。明らかに首相だけが持つ行政各部への指揮監督権(憲法72条)の乱用だ。

 次に、この権力の私物化の痕跡をカムフラージュするために行政権が不当行使された。国会に対し森友では財務省が組織的に公文書を改ざん・提出し、加計では経産官僚が答弁で作為的な嘘(うそ)をつき通した。これは国会に対し連帯して責任を負うべき(同66条)行政がその役割を放棄したことになる。国権の最高機関(同41条)への冒涜(ぼうとく)でもあった。
 昨年来の臨時国会召集要求権(同53条)の黙殺、衆院解散権(憲法69条)の過度な乱用も記憶に新しい。この違憲事態を放置しては、将来の与党どころか、現野党としても見放される。
 もう一つ付け加えよう。これは虚言癖のある安倍晋三首相をそのまま国家の代表として担ぎ続けるべきか否か、の岐路でもある。

 虚言の第一は、妻の昭恵氏も含めて自分たちの「関与」が判明したら首相も国会議員も辞める、という答弁である。昭恵氏が名誉校長を務め講演もしたことのある学校組織に対して、国有地払い下げが結果的に8億円値引きされた時点で、広義の「関与」は確定している。さらには、昭恵氏付秘書からの財務省への照会、学校側による妻の名を使った財務省への圧力が改ざん文書の公開から明らかとなり、妻の介在が取引に利用された、という狭義の「関与」まで推認に至った。

 にもかかわらず、安倍氏の言い様は、だからこそ「関与」がなかったことが判明した、と開き直ることなのだ。要は、その程度の介在しか明らかにならなかった、ということは、金品をもらって指示した、というズブズブの「関与」がなかったことの証明になった、とおっしゃる。

 馬鹿を言いなさんな、となぜ野党は反発しないのか。誰もそんな大それた「関与」があったとは追及していない。「関与」という言葉を自らに都合よく限定的に解釈し、その範囲内で自己正当化を図ろうという、一国を背負う政治家としてはありうべからざる姑息(こそく)な言い逃れである>(以上「サンデー毎日6月17日号」より引用)

 財務省の森友学園への国有地払い下げに関する公文書改竄に対する「調査結果」が昨日出て、自民党も総務会で「まだ調査不十分だ」と異論が噴出したという。チャンチャラ可笑しいとはこのことだ。
 自公政権与党国会議員はこの一年有余の間、安倍官邸密室政治私物化の疑惑に対してかなる努力を行ったというのか。国会への参考人なり証人なりとして安倍昭恵氏や佐川氏以外の財務相関係者の招致を野党が求めても、ことごとく撥ね付けて無視したではないか。

 そして加計学園の獣医学部新設に関しては疑惑は疑惑として放置し、着々と開学部へ向けて手続きを進めてしまったではないか。なぜ前近代的な情実政治の疑惑が噴出した段階で、自公国会議員は加計学園獣医学部新設手続きを止めて、まず国会で李下に冠を正させることを安倍氏に求めなかったのだろうか。
 結果として加計学園の獣医学部は開学し、既成事実として新設獣医学部は動き出している。この一連の騒動を傍観させられている国民は「長いモノに巻かれ」る自公国会議員の「立法府の議員」としての矜持なき政治姿勢に呆れ返っている。

 いかにネトウヨの諸君がネットに安倍応援を書き込もうと、圧倒的多数の国民は騙されない。ネトウユ諸君が安倍ヨイショの書き込みをしようと、彼の「政治は結果」だと叫んで民主党政権時代を批判した当時よりも国民所得が減少し、労働分配率が低下した現実を覆すことはできない。
 そして安倍氏が着々と推進している「構造改革」路線政治により日本が根底から破壊されている現実をネトウヨ諸君は見ていないのだろうか。「働き方改革」と称する彼の一連の政策は日本の労働者賃金引き下げに貢献し、日本社会を破壊する外国人労働移民を推進している。さらに50万人受け入れる、と断言しているではないか。

 その一方で安倍自公政権は主要穀物種子法を廃止して米国種子マフィアのカーネギー社にF1遺伝子操作種子の大量輸入を企んでいる、という現実にネトウヨ諸君は目をつむっているのだろうか。もちろん安倍自公政権による「農家から手数料を取っているのは怪しからん」という的外れの批判で全農潰しを行ったのも、米国の穀物マフィアの要請に他ならない。彼らの伝でいけば手数料で食っている商社も怪しからんということになる。
 「高プロ法」や「カジノ法」も日本を破壊する法律でしかない。安倍自公政権は政治を私物化して「岩盤規制を破壊する」と称して情実政治を行い、その一方で日本の慣習や文化や労使慣行を破壊している。その先に待ち受けているものは日本国民の貧困化と格差拡大だ。グローバル化とは低開発国並みの国民所得に日本の国民所得を合わせることでしかない。

 グローバル化の反対が「自国民ファースト」の政治だ。かつて小沢一郎氏が掲げた「国民の生活が第一」の政治こそが自国民ファーストの政治だ。残念ながら、せっかく民主党が政権を取ったものの、小沢氏は検察とマスメディアによる「政治とカネ」プロパガンダにより政治の一線から引きずり降ろされ、民主党は第二自民党へ急旋回してしまった。
 野党が目指すべきは「国民の生活が第一」の政治だ。安倍自公政権が「保守党」だというのは飛んでもない大ウソで、彼らこそ日本を似非・日本へと変造する「破壊政党」だ。彼らは配偶者控除を廃止して家族制度まで破壊しようとしたではないか。それで少子化対策をする、という矛盾を感知出来ないほどネトウヨ諸君は阿呆なのだろうか。

 欧州各国の動きを見ればグローバル化が何をもたらすかが解るだろう。ギリシアやイタリアやスペインなどは改めて指摘するまでもないが、フランスやドイツまでも「自国第一主義」政党が躍進している。もちろんイギリスは早々とEU離脱を決めている。
 いつまで日本国民は米国の1%に鼻面を引きずり回されれば気付くのだろうか。ジャパンハンドラーと称している連中は米国の総意ではない。彼らはウォールストリートに巣食っている米国の1%のエージェンシーに過ぎない。米国社会は自国の1%に完全に牛耳られて米国民は日本国民以上に貧困化している。そうした現実を日本のマスメディアは決して報道しようとしない、が。

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