無残な安倍外交の結末、そのツケを支払わされるのは日本国民だ。

<つまり、この元中国政府高官の回答は中国は、朝鮮半島における中国の影響力が低下していることを懸念しているということを示唆しているわけだ。彼との付き合いはもう何十年にもなるが、今日まで彼の口から、このような「弱気な中国」の言葉を聞いたことは一度もない。どれだけ中国がいま焦っているかを如実に表している。

それにしても、金正恩は中国を訪問するだけでなく、12日にもシンガポールを訪問したり、今後はアメリカやロシアを訪問する機会も増えていくだろう。中国とは中朝軍事同盟があるから、こういう特別の配慮を北朝鮮に対してこれまではすることができたが、他の国ではそうはいかない。当たり前のように同時進行で報道するから、金正恩もナマ中継に慣れていかなければならないはずだ。
元中国政府高官も、そのような回答を準備しておけば良かったのに、突然だったので思わず本心を言ってしまったのだろう。気の毒にも思うが、半島情勢が中国抜きで大きく動き始めたことを内心懸念している中国の本音を垣間見ることができたのは、大きな収穫だった。
それにしても金正恩の外交能力には驚かされる。
昨日19日のコラム「トランプの米朝蜜月戦略は対中牽制――金正恩は最強のカード」に書いた「中朝友好の虚構」は揺るぎない事実だ。しかし、それを覆い隠して、中国の支援を求めるために習近平訪朝の前に、中国の専用機借用のお礼を言う形を取って訪中するやり方は、「敵ながらあっぱれ」と言わざるを得ない。
たしかにトランプは北朝鮮の「非核化」を条件として「体制の保証」はしてくれた。しかし、非核化プロセスが実行されているということが確認できるまでは、制裁の解除はしないし経済支援もないという付帯条件が付いている。このままでは北朝鮮には一円もお金が入らない。
そこで「段階的非核化が確認されれば、制裁は緩めるべきではないか」と言ってくれている習近平に泣きついた。
次の米韓合同軍事演習は中止すると米韓は言ってくれたので、この時点で米韓を抑えることはできた。次は経済的支援だ。
事態が米朝韓の間で進めば、中国は必ずチャイナ・マネーを何らかの理由を付けて出してくれるにちがいない。
それを取りつけた上で、次はトランプの嫉妬心を刺激すればいい。そして米朝蜜月を演じる。
米中の間をうまく泳ぎ回る金正恩の姿が浮かび上がってくる。
習近平は金正恩に、「中国は今後も中朝関係を重視し、(北)朝鮮への支援を今後も続けていくことに変わりはない」とした上で、「特に朝鮮の民生の発展を支援したい」と告げた。
つまり、国連の制裁を回避する形で、人道的支援である「民生」という項目の形を取って、北朝鮮に現状でも経済支援をする意思があることを表明したことになる。
金正恩にしてみれば、これさえ言ってくれれば、北京詣でをした甲斐があるというもの。欲しいのは、このチャイナ・マネーだ。その証拠に北朝鮮の報道では、中国の支持・支援を得ることができたということをアピールしたと解釈することができる。
一方、二人の表情に注目していたのだが、金正恩の笑顔は、トランプと会った時のような高揚感はなく、かなりビジネスライクな対応のように見えた。それに比べて習近平の方が、ややへつらうような表情を時折見せたのが印象的だった。
それもそのはず、習近平は最後に断固たる表情でダメ押しをするかのように「中国は半島問題に関して引き続き重要で積極的な役割を果たしていく」と言ったのである。
つまり、「朝鮮半島問題解決には、中国は不可欠だ」、それを忘れて平和体制構築に当たって米韓朝「三者協議」などということを考えるなよ、とクギを刺したのであり、「朝鮮半島問題に関して中国が果たしてきた役割を忘れるな」と実質的には迫ったということになる。
それに対する金正恩の笑顔はなかった。
軽くうなずきはしたものの、CCTVのカメラは、金正恩の、一瞬左右に動いた目つきを捉えていた。いずれはそこから抜け出す戦略を描いていることを、ふと反射的に思ったのかもしれない>(以上「Newsweek」より引用)


 Newsweekの金正恩氏は米中の間をうまく立ち回っている、という評は当たっているだろう。もっと正確に言うなら金正恩氏は米中に投資を競わせるつもりだ、というべきだろう。
 北朝鮮の地下資源は400兆円ともいわれている。しかし北朝鮮に地下資源を開発する資金はない。これまでは張成沢氏が対中関係を一手に対応していたが、金正恩氏は張成沢氏を粛正して対中関係をも彼の手中にした。張成沢氏を操っていたようにはさせない、というのが金正恩氏の対中戦略だ。

 今後の北朝鮮の外交戦略は米中を競わせて「安全保障」を確保しつつ投資資金を有利に引き出すことだ。 若い金正恩氏はかなりしたたかなタフ・ネゴシエーターのようだ。
 日本人拉致問題に安倍氏本人が乗り出すと 息巻いているが、金正恩氏は相手にしないのではないだろうか。日本と直接話し合うよりも、米国のポチとして米国経由のサイフとして扱うだろう。

 もちろん金正恩氏は米中だけでなくロシアとも話し合うだろう。北朝鮮は核保有国として 核保有国を相手にする。そうしなければ北朝鮮国内で金独裁政権が持たない。
 段階的に核兵器を廃棄するにしても、北朝鮮の体制維持のために金正恩氏は最終的に核を手放さないだろう。核を手放したカダフィ大佐がどうなったか、金正恩氏は知っている。

 米国も北朝鮮がICBMさえ開発しなければ米国本土を攻撃されることはない。だからICBM開発の放棄だけで米国は満足するだろう。北朝鮮の核も中国の核やロシアの核と同じだ。北朝鮮の核の危険性はICBM抜きならば中・露の核が米国本土に与える脅威よりも格段に低下する。
 そして北朝鮮に核と短・中距離ミサイルがあることで日本に米国製のポンコツ兵器を大量に押し売りできる。この旨味が消えない状態こそが米国にとって最善だ。トランプ氏は北朝鮮と上手く商売交渉を行った。後は北朝鮮が約束を実行して、日本が費用負担するだけだ。

 そうした米・中・朝の三ヶ国の関係の中に日本はない。今後とも朝鮮半島の問題に日本は呼ばれない。ただただ勘定書きを回されるだけだ。
 安倍外交は根底から崩れ去った。彼の存在がどれほど日本の国益を毀損しているか、日本国民は一日も早く知るべきだ。

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