米朝会談で何も変わらない。「戦勝国クラブ」の合意は南北朝鮮の存続だ。

首脳会談中止の決定は、韓国にも事前に知らされていなかったようだ。トランプが中止表明の書簡を発表したのは、文がワシントンで米韓首脳会談を行った2日後だった。文はトランプの決定を知ったとき、「当惑している」と報道陣に語った。
韓国とアメリカの関係は、アメリカ政府のアジアへの関与という面ではこれまでになく強まっていた。ロウイー国際政策研究所(シドニー)が先頃発表した「アジア・パワー指数」で、韓国は25カ国中7位。防衛ネットワークの強さでは、アメリカとオーストラリアに次ぐ3位となっている。
しかし、そのような強力な防衛ネットワークが築かれた結果、経済的に重要な中国との関係が冷却化していた。中国とロシアは、THAAD(高高度防衛ミサイル)など、アメリカの先進的なミサイル防衛システムが韓国に配備されることに批判的な姿勢を崩していないからだ。
文は、前任者である保守派の朴槿恵(パク・ クネ)に比べて穏健派とみられており、就任時にはTHAAD配備に懐疑的なことを述べていた。朝鮮半島の統一に前向きな意見を抱く韓国国民が増えれば、アメリカの軍事力は韓国にとってこれまでほど魅力的に感じられなくなるかもしれない。
「(北朝鮮は)いまアメリカと首脳会談をしなくても一向に構わない。プランBがしっかり機能しているからだ。中国との関係を大幅に修復し、ロシアとの関係も強化しつつある。韓国も(427日の南北首脳会談で合意した)板門店宣言を推し進めたいと思っているだろう」と、38ノースのジェニー・タウン編集長は述べている。
「いま仲間外れになっているのは、アメリカだ」>(以上「News Week」より引用)

 引用記事はトランプ氏の外国は米国の利益を大きく毀損している、と警告している。エレサレムへの米国大使館移転やイラクの核合意の突然の離脱など、米国が国際的な合意を勝手にひっくり返している、という批判の輪が西側諸国にも広がっている。
 ただ一つの例外は日本だ。安倍氏は常にトランプ氏を「全面的」な支持を表明して、世界諸国から冷笑を買っている。プーチン氏が会談に48分も遅れて来て、詰まらなさそうな顔をして安倍氏と握手している様からも明らかだ。日本で疑惑を追及されている安倍氏を世界各国も信頼していない。

 北朝鮮は米朝会談がたとえ決裂しても、米国が北朝鮮を攻撃しないと踏んでいる。なぜなら米国への支持を表明している国は日本だけだからだ。国際的な合意なくして一国を攻撃できない。中・露の拒否権で国連軍で攻撃できなくても、かつて英、仏などと多国籍軍を形成してイラク攻撃したこともあるが、北朝鮮の攻撃に英・仏が乗って来るとは思えない。
 超大国米国の軍事力なら単独で北朝鮮を踏み潰すのは簡単だ。ただし、北朝鮮の後ろ盾として中・露がいないという前提での話だ。トランプ氏は北朝鮮攻撃に西側諸国の同意と協力を形成することは出来ないだろう。

 結局、米国はコバンザメのような安倍・日本を除いて、世界で孤立している。商売で成功したトランプ氏は商売と国際政治を同じだと勘違いしている節がある。
 商売なら契約社会のルールに則って法を踏み外さない限り自由だ。しかし国際政治の世界ではそうはいかない。それぞれの国にそれぞれの国の歴史と国際関係が存在している。それに宗教や民族や文化が国際関係に大きく影響している。国際政治で物事を動かすには丹念な準備と周到な根回しが必要だ。しかしトランプ氏はそうした人材を彼の周りに置いていないし、彼自身もそうした手間暇を馬鹿らしいと考えているようだ。

 なぜトランプ氏は米朝会談までの早い段階で西側諸国のみならず、中・露と綿密に話し合って米朝会談の落としどころについて、国際的な合意を形成しようとしないのだろうか。日本の安倍氏とだけ何度も面会しても国際的な合意形成に安倍氏が動くわけでもないし、彼にそうした手腕もない。
 当然トランプ氏も安倍氏の能力は知っているだろうし、会えば「日本人拉致被害者をよろしく」としか言わない安倍氏に辟易しているだろう。トランプ氏は米朝会談で極東の米国のプレゼンスを確立しようと考えているのに、米朝会談で米国に「譲歩」をしいるような日本の拉致被害者救出依頼を話す、という項目はトランプ氏の思考回路にないだろう。

 中・露の米朝会談に関する姿勢は完全に一致している。米国が北朝鮮という泥沼に足を取られてモタモタすれば中・露二ヶ国にとっては成功だ。米国の世界的な威信が低下すれば、相対的に中・露の威信が高揚する。
 北朝鮮を非核化するのは中・露とも一致しているが、急ぐことはない。金正恩氏が中・露を頼っているし、今後とも頼りにする限り見捨てることはない。彼らにとって米国と対峙する北朝鮮が必要だからだ。

 極東が安定しては米・中・露の軍産共同体は困る。そうした国家間の対立構造が先の大戦以降の「戦勝国クラブ」が固定化しようとしてきた国連の成果だ。かつて一世紀近くも前にウィルソン米国大統領が提唱した「民族自決主義」が未だに果たされていないのは国際機関であるべき国連が「戦勝国クラブ」に過ぎないからだ。
 安倍氏は日本の地位を国際的に貶めている。彼ほど巨費を投じて国際的にカネをばら撒いて日本の名を貶めている政治家は前代未聞だ。米国のポチ・安倍氏をいつまで日本国民は支持するのだろうか。

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