蚊帳の外に独りぼっち

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と前日26日に実施した2度目の南北首脳会談の内容を発表した。文氏によると、金正恩氏は「朝鮮半島の完全な非核化」への意思を改めて表明した。両首脳はトランプ米大統領が中止を表明した米朝首脳会談について「6月12日に成功裏に開かれなければならない」との認識で一致した。
 文氏は記者会見で、26日の南北首脳会談は金正恩氏が25日午後に「一切の形式にとらわれず会いたい」と提案してきたと明らかにした。両氏は南北軍事境界線上の板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で26日午後に約2時間会談。文氏は会談の内容を同日に公表しなかったのは「北朝鮮側の要請だった」とも明らかにした。
 金正恩氏は会談で「米朝首脳会談の成功を通じ、戦争と対立の歴史を清算し、平和と繁栄のため協力する」との意欲を表明。4月27日の会談に続き「朝鮮半島の完全な非核化」の意思を示したという。そのうえで両首脳は朝鮮半島の非核化と平和体制構築のためのプロセスを中断しないことを確認したという 文氏はトランプ氏との22日のワシントンでの首脳会談の内容について金正恩氏に、「北朝鮮が完全な非核化を決断して実行すれば、トランプ大統領は北朝鮮との敵対関係を終息させ、経済協力を行う意思があることを伝えた」と述べた。
 そのうえで「米朝首脳が直接的な意思疎通を通じて誤解を払拭させる必要がある」と指摘。米朝首脳会談で合意しなければならない議題は「米朝が実務交渉を通じて十分な事前対話が必要だ」と強調し、金正恩氏も同意したという。文氏は金正恩氏とトランプ氏の双方が「米朝首脳会談の成功を心から望んでいる」とも説明した。
 ただ文氏は記者団との質疑応答で、金正恩氏が改めて表明した「朝鮮半島の完全な非核化」について具体的な措置は「米朝間で議論すべきだ」と述べた。非核化の方式や期間などへの金正恩氏の言及の有無は明らかにしなかった。
 米朝首脳会談の再設定で最大の焦点となるのは非核化だが、文氏は「どう実現するかのロードマップは(米朝)両国の協議が必要な話だ。私が話すのは適切ではない」と述べるにとどめた>(以上「日経新聞」より引用)

 6/12の米朝首脳会談がトランプ氏の激怒により延期と表明されたなら、素早く「トランプ氏の見解を支持する」とやっのは世界で唯一人安倍晋三氏だけだった。それで「蚊帳の外」ではないと日本のマスメディアに印象付けたかったのだろうが、なんのことはない米朝が演じる「プロレスごっこ」のマイクパフォーマンスでしかなかった。今は6/12のマレーシア会談は実現へ向けてチャクチャクと準備が進んでいるようだ。
 突如として北朝鮮が首脳部を出さないこととして、一方的に中止された南北朝鮮首脳級会談も直に金正恩氏が板門店の北側「統一会館」へ出向き、文大統領を招き入れることで昨日南北首脳会談が急遽実施された。北側が怒った振りをして平和への歩みを止めてみたが、それに対するトランプ氏の余りのソッ気なさに驚いて平和会談路線へ復帰した。

 北朝鮮の手持ちカードは残り少ない。制裁による石油禁輸により石油の一月ほどしかなかった備蓄は底をつきそうだ。韓国船や中国船による海上での「瀬取り」密輸では程度が知れている。
 食糧も慢性的に困窮している。国民の不満が独裁体制に向かって噴出し始めるとルーマニアのチャウシェスクの二の舞になりかねない。死と隣り合わせの恐怖政治に飼い慣らされた北朝鮮国民がいったん暴走を始めると軍も保衛部も手が付けられないだろう。

 北朝鮮の後ろ盾に中国が、韓国の後ろ盾に米国が付いて、米朝首脳会談の準備は着々と進んでいるようだ。日本の安倍氏に出番がないのは当然といえば当然だ。制裁一本槍の他に攻撃の軍事力などを保有していない日本が「蚊帳の外」に置かれるのは当たり前で、費用負担だけを米国から押し付けられる従来のパターンだということは簡単に分かる。
 しかし費用負担を日本に押し付けられても、南北朝鮮の対立の構図作りに日本が加わったわけでもないし、ICBM開発を放棄しても、核兵器を除去しても日本に対する北朝鮮の脅威が消え去ったわけではない。通常弾頭の中距離ミサイルのノドンがあれば日本の各都市を破壊できる。

 費用支払いの要請があった時に、日本政府は「蚊帳の外」だったから、今更参加できないと突っ撥ねれば良いのだが、小賢しい嘘はつけても安倍晋三氏にそうした心臓はないようだ。小物に総理大臣をやらせてはならない。

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