車の自動運転を実現するためには道路に情報発信機能を持たせるべきだ。

 自動車事故による年間死傷者数はかつて年間死者一万人を超えていた最悪の状態から漸減傾向を示し、昨年は交通事故死が四千人を割った。慶賀の到りというべきだが、自動車による交通事故者が四千人近くも出ている現実に驚く。
 これが他の工業製品による利用死者数なら社会問題になるレベルだということを忘れてはならない。もし航空機で年間死者が四千人近く出たなら、あるいは鉄道事故で利用者が年間四千人近く出たなら大問題になるはずだ。

 あるいはもっと身近な洗濯機や掃除機を利用していた者が四千人近く事故死したなら、工業製品として「欠陥」の烙印を押されるだろう。しかし自動車だけは年間一万人も事故死していた当時から「工業製品製造者責任」いわゆるPL法の適用対象として騒ぐ人は誰もいなかった。
 自動車はそうしたものだ、という「常識」が社会に蔓延していたからなのだろうが、人が普通に利用する道を1t以上もの鉄の塊が爆走する状態が果たして「普通」だろうか。そして肉親の命を自動車事故で奪われる悲劇を何人が味わえば「異常」さに気付くのだろうか。

 自動車を運転する人が何時も健常で完全な心理状態にあるとは限らない。近年、老人の運転が危険視されているが、若者でも運転中に突然死することはあり得る。
 自覚していると否とを問わず、不安定な集中力を欠く状態で運転することもあり得る。自動車の安全性が運転者頼りである限り自動車事故は無くならないだろう。つまり自動車事故を無くすには運転者ではなく、自動車が「安全」確認して走行するようにするしかないだろう。

 世界の自動車メーカー各社で「自動運転」自動車開発が競われているが、道路状態を視覚認識して安全性を判断するだけでは十分とはいえない。現在は道路に引かれている白線を認識して走行帯を外れないようにしているようだが、道路上の何処でも白線が完全に描かれているとは限らない。
 GPSと組み合わせた白線認識で自動運転を行うなら、周辺状況をGPSが完璧に機能していなければならない。何の不都合でGPSが機能不全を起こしたなら、自動車は極めて不確かな道路上の白線を頼りに自動走行することになる。

 そうした不完全さを一掃するには道路中央線上の道路鋲に道路情報を書き込んだICチップを埋め込んで、走行する自動車と情報確認する方式が良いのではないだろうか。完全自動運転を実現するには自動車だけではなく、道路も進化する必要があるのではないだろうか。
 交通事故が日常茶飯事という「異常事態」から人類が解放されるために、自動運転技術は確実に推進しなければならないし、それは断じて不完全なものであってはならない。

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