彼の国は「約束」も「契約」も「条約」も平然と破る文化だと認識して付き合わなければならない。
北朝鮮側は通知文で、韓国メディアが北朝鮮の「真心込めた」措置を冒(ぼう)涜(とく)する世論を拡散、「慶祝行事」の是非まで問題にしており、行事を中止するほかないと伝えてきたという。韓国政府は一方的な通告に遺憾の意を示し、合意の履行を求めた。
慶祝行事とは、北朝鮮が五輪開幕前日の2月8日の「軍創建日」に実施予定とされる軍事パレードを指すとみられる。韓国メディアは、この動きを強く批判してきた。
金剛山の行事では、北朝鮮側が電力供給に難色を示し、韓国側が発電用軽油約1万リットルを提供することになっていた。韓国メディアには、北朝鮮への石油精製品の供給を制限する国連制裁や、米国の独自制裁との足並みの乱れを懸念する論調も見られ、これに反発した可能性もある>(以上「産経新聞」より引用)
経験から彼の国の人とたとえ署名押印をして契約書を交わしたとしても安心できないことは認識している。それが「約束」ならいつでもひっくり返して恥じない人たちだということも承知している。
北南宥和がオリンピックを通して図られる、との報道に接して昔日の不動産取引を思い出した。彼らはいかなる「約束」であれ「契約」であれ「条約」であれ、人と人との信義則をいつでも白紙に戻して平気な人たちだ。それが同じ民族なら勝手知ったる他人同士ということになる。
オリンピックに統一参加で南北融和を演出するなどという絵空事に拍手を送る日本の評論家たちはお目出度いと批判せざるを得ない。彼らは「宥和」などでは動かない。必ず利がなければ、いかなる行動もあり得ない。
だから彼らの外交を解析するのは簡単だ。彼の独裁者にとって損か得かを見ていれば良いだけだ。独裁者に国民のためとか、民族のためとか、そういった高尚な動機は皆無だ。同様に、文大統領にしても彼が損か得かしかない。
安倍氏が2月9日に訪韓して、平昌オリンピック開会式前に文大統領と「最終合意」を巡って会談するという。屋上屋を重ねるとはまさしくこのことだ。
文大統領は強気に出て安倍氏の顔を潰すだろう。それでも安倍氏は席を立って即座に帰るわけにはいかない。なぜならオリンピック開会式に出席すると言明したからだ。これほど低次元にして愚かな外交はない。
最終合意なら、そのことに関して何を話し合うというのだろうか。韓国の前政権との「約束」だから現政権は与り知らぬ、というのでは韓国は国家としての体をなさないことになる。
もし開会式に出席するのなら、時間ギリギリに到着して、文氏とは顔も合わせず開会式に臨み、そして開会式終了と同時に即座に帰国すべきだ。文氏と話し合えば、それは「最終合意」でなかったことを認めることになるからだ。いずれにせよ、彼の国と「最終合意」なる愚にもつかない事を仕出かしたことに問題があったと安倍氏は自身の愚かさを認識すべきだ。