グローバル化疲れ。

 日本社会はグローバル化疲れとデフレ化社会とに苛まされている。ある意味、日本のデフレ化経済はグローバル化の結果という側面が強いため、日本の格差社会の進行と貧困化の元凶はグローバル化という結論に帰結する。
 日本のグローバル化は企業の「国際分業」という面で強く表れた。それは投機資金のグローバル化を促進してきた米国のグローバル化と少し異なる。両社とも企業利益の最大化を目指す、という面では同じだが、グローバル化を推進した資本が異なっていたということだ。

 つまり日本の場合は企業資本が廉価な労働力を求めて中国へ投資され、日本国内の雇用市場を空洞化してでも企業利益の最大化を求めて大儲けした。米国の場合はウォールストリートの投機ネマーを支配する一握りの人たちによってハゲ鷹と化して世界を瞬時に自由に駆け巡ることを求めた。
 その投機資金の一部は勿論中国にも投下され、ハゲ鷹ファンドは大儲けした。しかしグローバル化はそれぞれの国内経済をデフレ化へと向かわせる。安い輸入品により物価が下がり国民は一時的に果実を手にするが、直ぐに自分たちの雇用が奪われたことに気付く。それは日米両国で起きた現象だ。

 しかし米国では反・グローバル化を掲げたトランプ氏が大統領選挙で勝ったが、日本でTPPなどのグローバル化策を掲げる安倍自公政権が圧勝しているのはマスメディアの「公平・公正」差の関係だ。日本国民でTPPがグローバル化策の典型だということを理解している人は少ない。
 むしろ自由貿易で日本が発展すると勘違いしている愚かな国民の方が多数派だ。なぜ識字率も高く学歴も世界平均よりも高い日本国民が誤った判断をしているのか。それは日本の大手マスメディアが狂ったように偏向しているからだ。

 今月14日にTPP11の大筋合意として安倍外交の大手柄だと日本のマスメディア各社は伝えたが、そうした報道があったのは日本だけだ。他に国々は「中身を詰めていない大枠での合意」はあったがまだまだTPP11の締結には程遠い、という見解を示している。
 日本のマスメディアは偏向している。まるで安倍自公政権の広報誌のようだ。日本のマスメディアだけを情報源としていたら世界情勢の判断を誤るだろう。それはTPP11だけの話ではない。朝鮮半島沖に展開している米国空母三艦隊という大騒動も、日本を除く世界のマスメディアは「不要な緊張を高めてどうする気だ」と眉を顰めている。

 グローバル化の話に戻すなら、日本政府が企業利益の最大化のためだけに中国の廉価な労働力を利用したに過ぎない。それがグローバル化に基づく「国際分業」理論という日本国内雇用市場の空洞化策だ。
 それにより日本の労働者たちは貧困化と格差化によって分断された。それを象徴しているのが安倍氏による春闘賃上げ要請の企業回りだ。本来なら連合がすべき役割だが、労働組合が分断化されて、既に団体交渉を行う体力すらないようだ。

 グローバル化はデフレ化をもたらすと同時に貧困化と格差拡大をもたらす。それは一握りの支配層に貢献する政治でしかない。だが日本で「国民の生活が第一」の政策が実を結ばないのか。それは日本のマスメディアがグローバル化を推進する勢力の広報誌に堕しているからだ。日本国民は事実を一部しか伝えられていないか、脚色された政権の大宣伝を朝から晩まで見せられているからだ。
 せめてネットから真実をより多くの日本国民に伝えなければならない。


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