大阪市長の判断を支持する。

��大阪市長の姉妹都市解消の動きについては、かなりの量の英文記事が配信されている。日本発、韓国発の英文記事なども多いのだけど、サンフランシスコの地元紙「SFゲート」の記者が書いた記事(写真)は、今回の大阪市長の行動がサンフランシスコでどのように受け止められているのかを比較的率直に反映しているのではないかと思う。

 ざっくり言えば大阪市長の姉妹都市解消をちらつかせて受け入れ拒否を迫る行動は「脅し(threat)」と受け止められていて、姉妹都市解消の手紙にSF市長は「失望した」という。また記事は、主流の歴史学者は20万の女性が「慰安婦」の名で性奴隷にされたと紹介している。そして、この記念碑設立に尽力したサンフランシスコ上級裁判所の元判事は大阪市長の行動に「激怒(outraged)」したという。

 大阪市長だの維新だの産経だのネトウヨだのが撒き散らす残念な主張は、日本国内ではともかく、海外ではまったく通用しない。

 20万という数字や強制連行の有無についての研究も必要なんだろうけど、重要なポイントは「日本軍の性奴隷」が存在したということでしょう。そこをひっくり返さない限り国際的な認識は変わらないだろうが、どんなレトリックを使っても、そこをひっくり返すことは不可能だと思う。日本の名誉を守りたいのなら、これ以上無理な主張をせず素直に性奴隷を認めて、現在も根絶できずにいる人身売買をきっぱりと止めることだ>(以上「レイバーネット日本」より引用)


 レイバーネット日本の主張をそのまま受け入れることは出来ない。「慰安婦」なるものは日本軍の性奴隷ではなかったし、日本軍が強制したものでもない。

 20万人という数字が問題ではなく、日本軍が朝鮮半島の女性を性奴隷として暴力で強制したものではない、という史実をサンフランシスコ市が理解しなかったことが問題なのだ。


 勿論、慰安婦そのものを嫌悪する人たちもいるだろう。レイバーネット日本の論評から読み取れるのは「現在も根絶できずにいる人身売買」の下りから、売春そのものの根絶を求めている、ということだ。

 確かに売春は現在日本では法律で禁止されている。しかし、それは先進国でも少数派だということを忘れてはならない。現代世界人類の常識では「売春」は女性の職業として定着している。それを悪しきこととして批判するレイバーネット日本の立場も理解できる。


 問題なのは日本以外の先進諸国は「奴隷」を受け容れていた歴史を持つ、という現実だ。日本には歴史上かつて奴隷制度が存在した時期がなかったから「奴隷」に対して格別の感慨はないが、日本以外の欧米先進国は歴史の恥部として「奴隷」を受け容れていた時代の残滓を未だに抱えている。だから彼らは「性奴隷」という言葉に敏感なのだ。

 日本軍にも性奴隷がいた、というプロパガンダは彼らにとって一種の免罪符のような感覚で受け入れられている。彼らが未開の地の原住民に対して行った残虐な殺戮の歴史や、原住民を奴隷として使役した蛮行の歴史が欧米先進諸国民の記憶の深層に残っている。それが時としてかつての奴隷とした民族に対する暴力として現われる。


 韓国の「慰安婦」プロパガンダが欧米諸国でかくも簡単に赤子の手を捻るように浸透したのか、理由は簡単だ、日本兵に対して行った残虐行為の免罪符が転がり込んだからだ。日本兵に数々の残虐行為を行った史実を彼らは深層心理の中で正当化するのに苦しんできた。しかし日本兵の残虐性が「性奴隷」で証明されたなら、その日本兵を残虐した記憶が少しでも正当化される、という代償真理として有効だからだ。


 世界は憎悪の連鎖に満ちている。それもこれも、すべては人間の飽くなき「富の独占欲」が源泉だ。しかし日本はそうした世界史的な富の争奪戦の世紀を「鎖国」で国を閉ざし、欧米列強の植民地競争と無縁でいた。

 世界的な欧米列強による帝国主義グローバリズムに明治日本は遅れて参戦した。その遅れをカバーするために先人たちは日に夜を継ぐ努力で日本が植民地化されることに有色人種で唯一最後まで抵抗した国だった。しかし、それが米国の気に障って、散々いたぶられて遂に「負け」を承知の上で開戦した。そして東南アジアの非植民地の地域へ進出して欧米列強の征服国を撃破した。いわば植民地の世紀を終焉させたのは黄色人種の小柄な日本兵たちだ。つまり私たちの父や祖父たちだ。その「奴隷制度」をも終焉させた人類のヒーローたちを貶めなければ欧米人たちは深層心理の「正義のバランス」を欠く。


 繰り返しになるが、韓国の「慰安婦」プロパガンダが米国市民に受け容れられたのは一種の精神安定剤としてだ。自分たちの祖先も600万人もの米国先住民を虐殺し、スペインから奪ったフィリピンを植民地として搾取した歴史は「史実」がゆえに消し難い記憶として残っている。

 さらに先の大戦で米国軍は日本の都市部のみならず寒村に到るまで爆撃や機銃掃射により女子供までも虐殺した。最後のとどめが二度にわたる核爆弾投下だ。それはいかなる屁理屈をつけようと、決して正当化されるものでないことは米国民自身も知っている。人類に対する悍ましい犯罪行為であったと。


 そうした原罪意識は確かに米国民の中に横たわっている。しかし、それは決して認めてはならない。認めたならば米国の世界戦略が「虐殺の連鎖」以外の何ものでもない、という米国が掲げる「正義」の正体を認めなければならないからだ。世界は虐殺や謀略の上に成り立っている、米国民も世界各地で虐殺や謀略を正義の名の下に行っている。だから日々神様に縋って救いを求めるのだ。

 安倍氏は米国のしもべとなって、日本の自衛隊を米国の殺戮部隊の一つに仕立てようとしている。何という愚かな宰相だろうか、そのバカ宰相を支持する日本国民は誇り高い日本国を冒涜する輩でしかない。


 大阪市長のサンフランシスコに対して行った措置は正しい。史実をしっかりと述べて、米国民に誇り高い日本の国家と国民を知らしむべきだ。決して日本軍に「性奴隷」はいなかったと。彼女たちは法律で禁じられてなかった「売春婦」たちで、正当な将校以上の高額報酬を得て働いていた職業婦人でしかない、という正体を教えなければならない。「売春」そのものが悍ましいか否かはレイバーネット日本の主観による。しかし世界の先進国ですら日本のように売春を法律で禁じている国は少数派だという現実を知るべきだ。



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