安倍氏は「小さい」ことで支持率を落としたのか。

<東京都の小池百合子知事は25日、都内で講演し、報道各社の世論調査で安倍内閣の支持率が軒並み低下したことについて「びっくりしている。小さなことが反感を呼び、支持率低下につながっているのではないか」と述べた。安倍晋三首相の国会での答弁姿勢などを念頭に「きめの細かい目線は大切にしなければならないと自分に言い聞かせている」と語った>(以上「日経新聞」より引用)

 小池氏が安倍内閣の支持率低下を招いたとする「小さいこと」とは何を指しているのだろうか。まさか国家戦略特区で超法規的に安倍友に優先的に獣医学部新設を急がせた、という事実を指しているのではないだろう。
 そうだとしたら、新設学部に要する土地代37億円、建設費152億円の半額以上の96億円の補助金と既に130億円余も税が支払われている国家的な事業が安倍友というきわめて個人的な「地位利用」疑惑が「小さいこと」だという小池氏の感覚を疑う。しかも開学後も私学助成金として毎年莫大な補助金が廃校となるまで続くという未来の国民負担まで考えたことがあるのだろうか。

 小池氏のこうした言動は「都民ファ」の結成という、議会の私物化と自民党の分派的動きと相俟って、小池氏への嫌悪感を増幅させる。就任以来、彼女が都知事として現実に一体何をしてきたのか、を都民は承知した上で「都民ファ」を支持したのだろうか。
 オリンピック事業にケチをつけたのは正しかったが、結局改善されたのは些細なことでしかなかった。膨大な、新国立競技場に関しては天文学的な建設費に関して、小池氏は一体どれほど切り込んだというのだろうか。ボート会場も東北に移転させるだどうだと騒いだ挙句、元の木阿弥ではないか。

 豊洲移転に関しても、結局「安全性」は「完全」に根底から改善できないという結論に至り、あの連日マスメディアを巻き込んで嵐のように沸き上がった囂々たる騒ぎは何だったのか。豊洲移転を先延ばししたために生じた数十億円もの経費を結局都民と移転騒動に巻き込まれた業者が支払うことになっただけではないだろうか。
 それらも多分小池氏にとっては「小さい」ことに過ぎないのだろう。「都民ファ」が都議選に勝利し自らの政治家としての優位性を保つという観点を再重大視して考えるなら、確かに「小さい」ことなのだろう。しかしそうした考え方は「都民ファ」ではなく「自分ファ」だということに、いかに愚かな都民でもやがて気づくだろう。

 安倍氏と小池氏は双生児のように酷似している。次々と目先を変えることだけで高い支持率を獲得し、「自分ファ」政治を推進しているだけだ。そこには国民生活を良くしようとする観点は決定的に欠落している。
 口先では「国民」「都民」と機関銃のように言葉を発しつつ、現実政治ではすっぽりと「国民」「都民」は欠落している。安倍政治がここに到ってやっと支持率を落としたのは遅きに失した感は否めないが慶賀の至りだ。

 安倍氏は日本を破壊し弱体化し、米国の1%の餌食に改造している。その道具が国家戦略特区だ。昨日の私のブログに国家戦略特区で取り組んだ項目を挙げているから熟読して頂きたい。そうすれば安倍氏の恐ろしい「悪巧み」の全体像が見えてくるだろう。
 彼が躓いた直接的な原因は安倍友への地位利用かも知れないが、国民を貧困化させて一握りの者に富が集中する仕組みに国家を改造して来た「悪巧み」は看過できない重大な政治的犯罪だ。戦後日本で彼ほど立憲主義を蔑ろにし民主主義を「特区」を隠れ蓑に形骸化させた政治家はいない。そうした本質的なことに言及しないで「小さな」ことで安倍氏が躓いたと評す小池氏も、同じく「小さな」ことで躓く運命にあることを知るべきだ。


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