猿芝居以下の国会審議を見せつけられて国民は反吐が出る。

 昨日の衆議院予算委員会の閉会中の集中審査を聞いた限りでは安倍官邸と内閣官房の方が何も答えていない、という印象だ。なぜ「印象」かというと、肝心な点で官邸や内閣府で記録がない、とか官邸秘書の面会記録がなく記憶がすべて欠落しているからだ。
 ただそうした内閣や官邸の人たちの中にあって、安倍総理の記憶だけが「加計氏に便宜を図った覚えがない」と極めて鮮明で、彼の秘書官や副官房長官たちの健忘症とは対照的だった。そうした「記憶にない」や「言った覚えがない」を信じろとは、余りに虫が良すぎるのではないだろうか。

 官邸の「面会記録」がないというのも嘘だろう。昨年三月に今治市の職員が官邸を訪れたのは「記録」に残っているが、テロ対策や様々な利害関係者が出入りする官邸の「面会記録」がないというのはあり得ない。
 官邸や内閣を批判する前川前事務官や防衛省には記録が残っているが、批判される側には記録や記憶が一切ない、と言い切る姿を続けざまに見せられると、こうした間抜けばかりが集まって日本の政治を取り仕切っているのかと暗澹たる思いになる。

 官僚は嘘を吐く。国民を騙すために「合法的な」嘘を吐く。あったことを「ない」とはいえないから「記憶にない」という。それは嘘だ。記憶にしっかり残っているが、それを言うと後の出世に関わるから言えない。だから「記憶にない」と言っているに過ぎない。
 政治家はもちろん断るまでもなく嘘を吐く。安倍氏は「TPP絶対反対」とポスターまで作って農民票を集め、選挙に勝つとTPP推進に血眼になった。雇用環境を劇的に改善した、と胸を張るが、それも安倍氏が効果的な政策を実施したからではない。団塊の世代が大量退職の時期にちょうど安倍自公政権が政治を行っていただけだ。安倍氏の経済政策は、日の目玉の国家戦略特区ですら加計学園程度の「疑惑政治」に他ならない。

 前川前事務次官が登場しているのに、一方の当事者・加計孝太郎氏が参考人招致されていないのはなぜだろうか。加計孝太郎氏が呼ばれれば「なぜ昨年10月に学部建設のボーリング調査を行ったのか。その(開学見通しの)根拠は」と聞かれれば回答せざるを得ないだろう。
 昨年3月に今治市の職員が官邸を訪れて首相秘書官と面会して帰り「獣医学部新設が決まった」と欣喜雀躍したという。そうした「記録」が残り、今治市が土地開発公社に売却していた土地を買い戻して、後に加計学園用地として売却している。そのような時間を要する「手続き」を先行させるためには、昨年3月に今治市の担当部局に事前通達しなければならなかった、というのは充分に合理的に推察できる。

 安倍氏のシラッとした大嘘はバレバレだ。親分が嘘をつけば乾分たちも口裏を合わせて嘘を吐くか健忘症になるしかない。何とも哀れなものだ、若いいい年をした者が揃いも揃って「記憶喪失」を装うとは田舎芝居もいいとこだ。
 しかし真実は必ず露見する。加計孝太郎氏が大枚を叩いて学部建設設計を設計会社に依頼し、それに基づいて手当出来るとされる土地の地質調査を昨年10月に行い、昨年12月14日に着工している。それが今治市での動きだ。そのタイムスケジュールと山本相が獣医師連盟の人たちと会談して獣医学部開学の意向を伝えた昨年11月に「加計学園」と伝えた時期とを突き合わせると、至極当然というしかない。

 しかし実際は今年1月4日に公募して、加計学園に決定したのは1月20日だ。そこに大嘘が介在していないと、国民の誰一人として信じないだろう。当然、安倍氏と加計孝太郎氏の依頼と応諾の「談合」結果がそうした大嘘の震源地だというのは誰の目にも明らかだ。
 一将功なって万骨枯れる、とはまさにこのことだ。安倍加計談合政治が有能な官僚を突然の記憶喪失にさせ、ポチ政治家に嘘証言をさせて忠臣ゴッコを競わせる、世も末の官邸と内閣府を国民に見せつけて安倍氏はテンとして恥じすに「今年1月まで加計氏が獣医学部新設の申請をしていたのを知らなかった」と答弁する。猿芝居以下の国会審議を見せつけられて国民は反吐が出る。


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