恥知らずの安倍会見だ。
一方で首相は、学校法人「森友学園」や加計学園の問題が焦点になった国会を「建設的議論から大きくかけ離れた批判の応酬に終始した」と振り返り、野党の追及を「印象操作のような議論」と批判。国会が混乱した原因は野党にもあるという不満をにじませた。
野党は加計問題を解明するため、国会の閉会中に衆参両院の予算委員会を開くよう求めている。首相は「丁寧な説明」は約束したが、国会審議に応じるかどうかは明言しなかった。
獣医学部新設計画については、計画が「総理のご意向」と記述した文書が文科省の再調査で確認された。首相は「対応が二転三転し、政府に対する不信を招いたことは率直に認めなければならない」と不手際を認めたが、国家戦略特区を利用した獣医学部新設自体は「時代のニーズに応える規制改革は行政をゆがめるのではなく、ゆがんだ行政を正すものだ」と重ねて正当性を強調した。
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法についても「国際社会と連携を強めていくためにも必要だ。国会での審議やさまざまな指摘などを踏まえ、適正に運用する」と理解を求めた。
そのうえで首相は、経済政策「アベノミクス」の強化など今後の政策課題を挙げ、「大きな推進力を得るためには人材を積極的に登用し、党でも政府でもしっかりとした体制を作っていくことが必要だ」と内閣改造・自民党役員人事に意欲を示した。
首相は5月3日の憲法記念日に、憲法9条第1項と2項をそのままにして自衛隊の存在を明記する改憲案を提起し、改正憲法の2020年施行を目指す考えを示した。会見ではスケジュールについて「発議について申し上げる段階ではない」と述べた>(以上「毎日新聞」より引用)
議案の審議入りする前に安倍氏は「共謀罪」に関しても丁寧な説明をする、と表明していたが、結果は委員会審議を中途で飛ばして中間報告直後の本会議議決という委員会を否定する暴挙に出た。
加計学園問題に関する質疑が多かったと、安倍氏は「共謀罪」審議が蔑ろにされたと批判的したが、「共謀罪」に関する質疑に対する答弁が二転三転するなど、政府が法案の中身を熟知しているとは到底思えない、お粗末そのものだった。
加計学園関係の質問が多かったのは安倍自公政権と与党が前川氏や官房副長官などの証人喚問を頑なに拒否し、野党は委員会で質問するしかなかったからではないか。そうした与党国対の傲慢な対応が今日の結果を招いている原因だ。
安倍氏は本気で「丁寧な説明」をする気があるのなら、今からでも閉会中の特別委員会を開催して徹底疑惑解明を行うべきだ。安倍氏は「忖度」であるにしろ当事者責任も問われていることから、本人が決断すれば済むことだ。
野党の追及もない、記者たちの質問もない、言いっ放しの会見で疑惑を糊塗しようとする魂胆とは聞いて呆れる。法務大臣ですら法案の中身を知らない「共謀罪」を強行採決した議会制民主主義を破壊する愚挙を反省しているとは思えない。
安倍氏は即刻退陣表明すべきだ。そして東京地検特捜部は首相の安倍友疑惑について捜査を開始すべきだ。小沢氏の場合は何でもない不動産売買の決済日と登記日のズレという犯罪性もなのもないにも拘らず立件しようとし、馬鹿なマスメディアも事件性を連日連夜「政治とカネ」というプロパガンダを煽り続けたではないか。
小沢氏の場合の基準と比較するなら、日本のマスでは安倍氏のケースでは当然「モリ、カケ」蕎麦疑惑と称して大騒動を演じているべきだ。それなのに。これほど大人しいのは官房費が効いているのか、それとも寿司友に対する「忖度」が働いているのか、いずれにせよジャーナリストとして失格だ。
口先政治家にふさわしく、安倍氏の会見は自己弁護と言い訳に終始していた。一国の総理大臣としてみっともないったらありゃしない。