前川氏を国会に参考人として招致して、松野文科大臣と対決させるべきだ。
<加計学園の獣医学部新設を巡り、「総理のご意向」「これは官邸の最高レベルが言っていること」などと書かれた文書の真贋が問題となる中、当時の文部科学省の事務次官が、「週刊文春」の取材に応じ、「文書は本物」と認めた。2016年6月から2017年1月まで事務次官を務めた前川喜平氏(62)は、「いずれも部下から受け取ったレク(説明用)資料です。これらの文書は、大臣や次官への説明用として担当の高等教育局専門教育課が作成したものです」と説明した。
文書の真贋が問題に ©文藝春秋
加計学園の加計孝太郎理事長は、安倍晋三首相が「腹心の友」と認めるほど親しい関係で、獣医学部新設を巡っては、37億円相当の今治市市有地が無償譲渡され、総事業費の半分の96億円を愛媛県と市が負担することも決まっている。
左:首相は加計氏とは学生時代からの友人/右:昭恵夫人は加計学園のこども園の名誉園長 ©共同通信社
文科省は、文書の存在は「確認できなかった」とする調査結果を発表しているが、前川前次官が本物と認めたことで、対応を迫られることになりそうだ。
前川前次官の150分にわたる独占告白は、5月25日発売号の「週刊文春」で詳報する>
上記様々なメディアで前川前事務次官が「本物」と証言した文科省部内文書について、須賀官房長官は「怪文書」だと記者会見で論評を拒否した。今日の国会で松野文科相は前川氏の証言に関して「辞任された人の言葉は論評するに値しない」などと珍奇な発言をした。
安倍氏は追い詰められている。松野文科相は安倍氏の任命した大臣だから安倍氏のことを「忖度」しているのだろうが、辞任した者の言葉は信用できない、とはいかなる見解だろうか。
前川氏は安倍政権を転覆させようとして部内文書を開示したのではなく、行政が「忖度」により捻じ曲げられていることに我慢ならなかった、と心情を述べられている。まさしく彼の言う通り、官僚は国民に奉仕するのが本来の勤めであって、政治家やましてや首相の意向を「忖度」するためにあるのではない。
松野氏も安倍氏と一緒に国会議員を辞すべきだ。権力者の意向を「忖度」して恥じない者に国民の代表である資格はない。
真相を確かめるためにも国会に前川氏を招致して、松野氏と対決させるべきだ。それ以外に加計学園問題を解決する途はない。