世界の問題児を誰が躾けるのか。

<弾道ミサイルの発射を6日も繰り返し、危機をあおる北朝鮮。その主目的は、米国を交渉の場に引き出すことにある。だが米国側は対北朝鮮政策の見直し中で直接対話にかじを切るかは見通せない。北朝鮮に影響力を持つ中国と、米国や日本の協調も容易ではなく、北東アジアの緊張は続きそうだ。

 北朝鮮で金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が権力継承を終えてから4月で5年。その間、核・ミサイル開発で独裁体制のとりでを築き、その内部では粛清を繰り返して「危険分子」を排除し基盤を強固にしてきた。今回のような弾道ミサイル発射も、2月にマレーシアで発生した異母兄、金正男(キムジョンナム)氏殺害も、体制維持に不可欠な措置と考えているようだ>(以上「 毎日新聞」より引用)


 北朝鮮は昨日4発のミサイルを日本海へ向けて発射した。その内の3発は日本の接続水域に着弾した。由々しき問題だが、政府は「由々しき問題だ」と繰り返したに過ぎない。

 既に核兵器を保有している北朝鮮は中国ですら手を焼いている。北京に向けてミサイルを発射しかねないからだ。


 いったい誰が北朝鮮をそうした「核保有国」になるまで放置していたのだろうか。その責任はいうまでもなく中国と米国にある。

 中国は北朝鮮が核開発していると承知の上で経済制裁に消極的で事実上北朝鮮を経済的に支援してきた。それは北朝鮮がある限り、韓国軍と直接国境を接することがなく、従って韓国内に駐留する米軍と川一筋を挟んで対峙することもない、という思惑からだ。


 そして米国にとっては極東の不安定化こそが日本が米国を用心棒として必要とする必須条件だからだ。極東がキナ臭くなればなるほど日本が米国から戦闘機やイージス艦などをバカ高い言い値で買ってくれる。

 他国は決して導入しようとしないオスプレイですら日本は米国の言い値で購入する。それもオバマ氏が中国の海洋進出を放置して極東の海が不安定化したからだ。米国の戦略はけっして極東アジアの「平和」ではなく、戦争にならない程度の不安定化だ。


 北朝鮮の金独裁政権が核兵器を開発してもマサカ米国への脅威にはならないだろう、単に日本が震え上がって米国の「核の傘」に頼りっきりになるだけだと高を括っていた。

 しかしICBMを開発して米国本土に届くミサイルを北朝鮮が持ったなら事態は一変する。日本の脅威だけに留まるなら歓迎するし、いつまでも金独裁政権が北朝鮮を支配しようと構わないが、米国本土を核攻撃する能力を持ったとなると米国は安穏としていられない。


 しかも金独裁政権は狂気に駆られるかのように粛清の嵐に国内を巻き込んでいる。マレーシアの主権を侵害して、公衆の面前で異母兄の金正男氏を暗殺した。

 イラクは大量破壊兵器を保有している「可能性」があるというだけで、米国は多国籍軍を呼びかけて軍事侵攻して独裁者フセインを排除した。北朝鮮は明らかに大量破壊兵器を保有しているにも拘らず傍観してきた。米国のダブルスタンダードの理由を考える必要があるだろう。


 そろそろ日本は賢くなろう。北朝鮮が核開発とミサイル開発を放棄しないのなら、役立たずの用心棒の駐留米軍にお引き取り願おうではないか。そして米軍に支払っていた「用心棒代」を自衛隊予算の増額へまわして、日本の防衛力を高めるべきだ。役に立ちもしない用心棒を頼りにすることほど危険なことはない。そして日本独自の対・北朝鮮戦略を確立すべきだ。



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