政府の対北制裁が本気なら、北朝鮮の邦人に「帰国命令」を出すべきだ。
平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、最高司令官(金正恩氏)がこの命令を下したことで、本隊から離れて訓練を行っていたり、休暇に出ていたりした人員を含めた全員が部隊に戻るよう命じられた。
軍事境界線に近い地域に駐屯し第1梯隊を構成する各軍団に対しては、万端の対応態勢で備えよ、坑道に隠していた大砲、戦車などの装備を陣地に移動させよとの指示も下された。
また、軍事境界線の警備などを担当する前方軍団の民警部隊に対しては、戦闘服の常時着用、部隊長以上の責任幹部の帰宅が禁止された。当直勤務者も、平時より1ランク上の指揮官が勤めるようになっている。
教導隊、労農赤衛隊(民兵組織)に対しては、ニセの砲陣地と模型を制作、配備し、敵の衛星による監視と空からの攻撃を混乱させよとの指示が下された。
一方では、「敵の挑発に決して引き込まれてはならない」ということが強調されていると情報筋は伝えている。
当局がこのように「戦争が起きる」と警戒態勢を強化するのは日常茶飯事だ。しかし、戦争が起きたためしがないので、もはやオオカミ少年扱いだ。
ほとんどの兵士は「また戦争、戦争とうるさいな」とぼやいて、普段と変わりない生活を送っている。また、食べ物を求めて無断で外出する兵士もいるという>(以上「ライブドア・ニュース」より引用)
北朝鮮国内は「戦時動員体制」に入っているという。軍はいつでも戦争に対応すべく砲身を設置し、戦車を配備しているという。しかし兵士たちの戦意は必ずしも高揚していないという。
2500万人の人口で200万人の兵隊がいるというのは余りに異常だ。それで国民生活が維持できるはずがない。生産に従事する労働人口がいくらいるのか、北朝鮮の統計資料は明らかにされていない。しかし国民経済を維持するのも困難なはずだ。
いくら核兵器を保有しミサイルを開発しようと、金独裁政権が軍事的に体制を維持できるものではない。北風と太陽の寓話のたとえ通り、国民に明日の暮らしを保障しない強権政治がいつまでも続くものではない。
北朝鮮の国民も金独裁政権と距離を置いているのではないだろうか。戦争が始まったなら、北朝鮮軍は全滅するまで金正恩のために戦うだろうか。命を賭して特攻作戦を敢行しうるだろうか。
飢えた兵隊たちは糧秣の補給線も確保されない陣地を死守するだろうか。金正恩を殺害する斬首作戦が米軍で秘かに準備されているという。
北朝鮮はミサイルで日本の米軍基地を攻撃する、と発言したのが致命的となった。戦争好きな米国は千載一遇のチャンスを逃さず、北朝鮮の金正恩をピンポイントで爆撃するだろう。
北朝鮮にいる邦人は北朝鮮当局によって拘束され、最悪の場合は殺害される事態を覚悟しなければならないだろう。政府は北朝鮮にいる邦人に対して帰国命令を出すべきだ。いや、既に遅きに失して、北当局は出国を許可しないかもしれない。事態はそこまで深刻化していることを平和ボケしている日本国民も認識すべきだ。そして北朝鮮の金独裁政権が崩壊した後の事態、たとえば難民の流出などに対して、日本政府は対応をシュミレートしているのだろうか。気になるところだ。