現代に国家政権による暗殺があるとは。

��北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で、マレーシアのクアラルンプール国際空港で死亡した金正男氏(45)について韓国の情報機関、国家情報院は15日、「毒劇物によるテロと強く推定される」とし、北朝鮮工作機関、偵察総局などによる暗殺との見方を示した。一方、マレーシア警察は15日、犯行に関与した疑いでこの日朝、女1人を逮捕したと発表した。

 韓国政府やマレーシア警察などによると、正男氏は13日午前9時ごろ、同国際空港でマカオ行きの便に搭乗するため列に並んでいたところ、女2人に接触されて倒れ、病院で死亡した。警察幹部は地元メディアに、女1人が正男氏の顔に液体をかけ、別の1人が口をふさぐなど役割分担をしていたと指摘した。

 マレーシア警察が逮捕した女はベトナム旅券を保有しており、旅券によると28歳。監視カメラの映像が決め手になったという。女が犯行後、自殺を図ったという情報もある。地元メディアは、警察が実行犯とみられる女2人のほかに、男4人が犯行を手助けした疑いがあるとして、行方を追っていると報じた。

 韓国の国情院は、正恩氏が最高指導者に就いた直後の2012年から正男氏暗殺が「永続的な命令」になっていたと明らかにした>(以上「産経新聞」より引用)

 金正男氏がマレーシアの空港で「暗殺」されたという。スパイ映画もどきの唾棄すべき蛮行が現代社会に存在することに驚く。
 報じられている通りに北朝鮮の独裁者による兄の殺害指令が出ていたとすると、泉下の父・金正日氏はいかなる感慨を持ったであろうか。彼の子育ては基本的なところで誤っていたと断じるしかない。

 金正恩氏が独裁政権の存続を意図して、クーデターの芽になりうる兄・正男氏を暗殺したとしたら狂気の沙汰だ。自身の政権維持のためなら何人の命であろうと奪う、というのは狂気以外の何物でもない。
 その狂気の人物が核開発を命じミサイル開発を命じ、実際に実戦配備に近づいているというのは狂気で世界を支配しようとすることだ。断じて看過してはならない。

 当初の開発段階で国際社会はそうした狂気の意図を完全に排除しておくべきだった。大量破壊兵器を「開発している」という疑惑で他の主権国家に侵攻し、独裁者フセインをリンチ同然に処刑した米国が、北朝鮮に対しては極東の不安定化を目指すかのように放置していたのは意図的だったと思わざるを得ない。
 日本と同盟関係にある米国は日本を寄らしむために北朝鮮の狂気を温存した、と考えざるを得ない。そして狂気が米国の本土に及ぶ段階になって初めて「本気」で制裁を考えるようになった、というのは明らかだ。

 米国をはじめ、世界の「警察」気取りの国々が世界のあらゆる国々を「警備」していたなら、当然金正恩政権は軍事力で強制的に排除されていただろうし、今回の愚かな「暗殺」もなかっただろう。つまり米国の「唯我独尊」が極東の狂気を育て、金正男氏を「暗殺」の犠牲者に追いやった、といえるだろう。安倍氏は日本が国家と国民を守るために米国のポチ以外に生きる道はない、と国会で高らかにポチ宣言をしているが、米国は決して米国青年の血を日本の防衛戦争のために流すことはない。

 このブログに何度も書いているが、米国はプラグマティズムの国だ。観念としての「功利主義」ではなく、まさしく下品なほどプラグマティズムの国だ、ということを忘れてはならない。
 ダブルスタンダードなどといった生易しいものではない。米国の1%の実利のためなら「日本市民の大虐殺作戦」すら躊躇しない。それが米国の正体だ。

 そして中国も北朝鮮も同胞のみならず肉親でさえ何の躊躇いもなく殺害する、というのが歴史ではなく現代の実態だ。そうしたことを認識した上で、国際関係を考えなければならない。
 北朝鮮の人々が立ち上がって、自らの手で狂気の世紀を終わらせるのを望む。他国の軍が入り込んで金独裁政権を倒しても碌なことにはならない。それは中東の今が私たちに教えている。


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