OPECの減産合意は実質的なカルテではないか。

<石油輸出国機構(OPEC)は30日にウィーンの本部で開いた総会で、8年ぶりの減産で合意した。減産を巡り利害の対立を抱えるサウジアラビアとイランが土壇場で歩み寄り、9月末のアルジェリアの臨時総会で合意した内容に基づき減産で一致した。OPECは原油市場の需給改善のペースを速めることで相場の回復を優先する考えで、シェアを重視するこれまでの戦略を転換する。

 総会ではアルジェリアでの臨時総会で合意した日量3250万~3300万バレルの下限である3250万バレルに減産することで加盟国がまとまった。10月の生産量から加盟国全体で約120万バレルを減産する方針だ。政情不安などで生産量を落としているナイジェリアとリビアは減産の適用を免れた。昨年、OPECに再加盟した石油の純輸入国であるインドネシアは減産への参加を見送り、加盟を一時停止した。

 OPECが民間の情報会社のデータをもとに公表する10月の加盟14カ国の生産量は計3364万バレル。これを基準に、加盟国最大の産油国サウジは50万バレル弱を減産し、1千万バレル強に生産量を減らす方針だ。多くの加盟国に一律での減産を求める一方、米欧による経済制裁前の生産量への回復を目指すイランに配慮し、特例措置を認めた。OPECは減産の実施を監視する委員会を設置し、減産の信頼性を高める。

 当初は全加盟国に減産協力を求めるサウジと、減産の適用除外を求めるイランが対立していた。OPECは何とか減産を実現するため、総会直前の30日朝(日本時間同日夕)に加盟国の閣僚らによる非公式会合を開く異例の対応を取り、両国の和解の糸口を探った。

 イランはかねて、米欧の経済制裁前の生産量である日量400万バレルへの回復を主張してきた。今回の合意では、アルジェリアがサウジとの仲介役となり、イランの要求には届かないものの現状の生産量を上回る380万バレル弱の生産量を割り当てた。イランへの譲歩に難色を示してきたサウジの態度の軟化が、加盟国を8年ぶりの減産での合意に導いた>(以上「日経新聞」より引用)

 この合意によりOPEC非加盟国のロシアなどの経済も原油価格上昇により改善することが予想される。しかし現行50ドル前後の価格がどこまで上昇するかによって、米国のシェール石油が総業採算価格に入り増産して来ることも予想される。
 だからOPECが減産で合意しても一本道で原油価格が上昇するとは思えない。だが厳冬期を控えて日本をはじめ、北半球に位置する欧州諸国にとっては憂鬱なニュースだ。

 そろそろ世界はエネルギーの原油依存から脱却すべきではないだろうか。再生エネの活用に日本政府も本格的にかじを切り替えてはどうだろうか。
 風力や太陽光は安定的な電力供給源とは言い難いとして、日本政府は再生エネの活用に否定的だが、果たして「不安定」な再生エネは活用し難いものなのだろうか。

 日本の太陽光発電の全電力に占める割合は10%ほどでしかない。脱原発を掲げて再生エネの活用を大胆に推進しているドイツの太陽光発電の全電力供給割合は30%に達している。日本では太陽光発電を抑制しようと、太陽光発電の買い取り価格を大幅に引き下げている。
 そしてつい先日、東電は発電量が消費量に接近したとして「非常事態」を宣伝していたが、それこそ国民的合意として原発再稼働を容認しなければ大停電も有り得るという脅しではないだろうか。経常的に東電の発電量が不足しているのなら、なぜすべてのビルの屋上に太陽光発電パネルの設置を義務付けないのだろうか。なぜ壁面太陽光発電フィルムを開発して、ビルの壁面を発電装置に変えないのだろうか。

 石油生産国がOPECで減産を決めるなどの価格カルテに限りなく近い行為を行うことに対して、WTO(国際自由貿易協定)はなぜ排除勧告を行わないのだろうか。ここでも国連は無力というよりも石油メジャーの代理人に過ぎない正体を露呈している。
 安倍氏も「自由貿易」を主張するのなら、OPECに異議申立をしてはどうだろうか。OPECの減産協定によりロシアが原油増産に入るのは想像に難くないし、原油価格上昇によりロシア経済が改善へと向かい、安倍氏のロシア外交で最強の切り札「経済援助」カードが色あせて効力が半減するのは目に見えている。12月にプーチン氏を今日の山口県の長門に招いて温泉三昧だけで成果もなく見送りすることになるだろう。

 原油価格の上昇により、日本国民にとっても寒く厳しい冬になる。それでも賃金の低下にスライドして年金も減額するのだろうか。現在の安倍自公政権は仁徳天皇が逆立ちした政治を行っている。


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