IR法の目指す「観光事業」は過去の遺物の後追いだ。

<<カジノ法案>採決、不満残し 「与党内不一致」露呈
 超党派の議員連盟が後押しした「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(カジノ法案)は、6日の衆院本会議採決で公明党から反対が相次ぎ、「与党内不一致」を露呈した。民進党は遅まきながら反対を決定。当初目指した国会の幅広い合意は見込めなくなり、自民党が成立を急いだ代償は大きい。

 ◇公明、賛成22人反対11人

 公明党は6日の衆院本会議に、先の衆院内閣委員会に続いて自主投票で臨んだ。漆原良夫中央幹事会会長や北側一雄副代表らが賛成したのに対し、井上義久幹事長、大口善徳国対委員長らは起立せずに反対の意思を表示。普段は結束を身上とする同党で、幹部の対応が分かれる異例の光景になった。

 本会議後、賛成派の遠山清彦氏は「知恵を出せば、公序良俗を守りつつ観光振興や地方の活性化につながる」と記者団に語った。しかし、具体的な「実施法案」を作るのは政府。公明党の意向がどこまで反映されるかは分からない。反対派の富田茂之幹事長代理は「IRは外国でも集客が減っており、経済成長にプラスにならない。亡国の法案だ」と批判した>(以上「毎日新聞」より引用)

 IR法が希求する大規模施設投資による集客・完結型の観光事業は過去の遺物に過ぎない。IR法が求める観光事業はラスベガスで成功した「エンターテイメント」による集客を、大型施設内で遊ばせて、客からカネを搾り取るという事業だ。
 そうした事業は人を興奮状態にして、カジノへと導き、興奮の坩堝の中でカネを奪い取り丸裸にしてしまう。海外から極東の日本に来て、カジノ施設の中で過ごして帰る、というのが安倍氏やIR法に賛成した「日本」を観光することなのだろうか。IR法は決して既存の観光施設事業者にとってプラスにはならない。

 IR法に基づく大型施設はその中で遊興目的が完結し、集客した人たちを観光地へ拡散させることはない。むしろ全国の観光地にとってここ数年増加した海外観光客の一部を奪われることにもなりかねない。
 問題にすべきは経済効果だけではない。むしろカジノによる「賭博」行為による労働観や倫理観の低下を恐れる。

 博奕は人生だけでたくさんではないだろうか。どういう家庭に誕生するか、どんな人と出会い、どんな人と影響し合うのか。どんな職に就くのか、そしてどんな能力の持ち主として生涯を終えるのか。
 考えれば人生そのものが壮大なギャンブルだ。一瞬の丁・半博奕などチンケなものでしかない。わざわざ人格や人生そのものまで破壊する賭博を法で許可し、巨大施設を建設する必要があるのだろうか。

 投資すべきは生産性向上のための施設投資であるべきだ。日本が世界の経済大国としての地位を維持するには製造業の絶えざる技術革新と新規製品の開発を怠らないための投資を行うことだ。愚かなIR法に基づく観光事業など「虚業」に過ぎない。
 国民の多数も「虚業」の雇用よりも、製造業などの国家の骨格事業の参加者としての雇用拡大を望むのではないだろうか。そして非正規・派遣ではなく、正規社員として国家の骨格をなす事業の労働者の一員として誇りを持って働くことではないだろうか。

 日本の政治家たちは海外研修をし過ぎたのだろう。おそらく欧米先進国を視察してIR型の観光施設で「研修」をし過ぎて、日本でも必要だ、とカジノの喧騒で判断能力が麻痺してしまったのだろう。
 既に盛り場を巨大施設の中で再現する「観光事業」は欧米先進国やマカオや後追いで進出した韓国などでは下火になりつつある。博奕場の興奮熱狂状態は異常であり、異常は普通の生活では異端だから、興奮状態化せ醒めれば深い悔恨と共に、ただただ反省するしかないからだ。

 そうした不健全な観光施設を日本に建設して、日本国民を巻き込むことが「国民の生活が第一」の政治だろうか。一部の利権者を肥大化させるだけではないだろうか。バカバカしいことに国会議員は熱中するのではなく、もっと「国民の生活が第一」の政治を希求すべきだ。


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