アリゾナ記念館へ行くとは、なんと愚かな首相だろうか。

 アリゾナ記念館は米国が先の大戦を正当化するためのプロパガンダ展示館だ。それは中共政府が毛沢東軍の戦争とは何ら関係のない南京城陥落戦争を記念した「南京大虐殺プロパガンダ記念館」と全く異ならない、程度の極めて悪い米国の宣伝展示館だ。
 アリゾナ記念館は広島の米国による市民大虐殺の「平和祈念館」とは決定的に異なる。広島に対する原爆投下は他の日本全国の都市に対する市民大虐殺を目的とした「焼夷弾」のじゅうたん爆撃と同様に、非戦闘員の虐殺を禁じたジュネーブ条約に反する国際法違反だ。

 太平洋戦争に勝利して、米国は日本を民主国家にしたとオバマ大統領は無知をさらけ出す演説をしたが、日本は戦前から国会があり、成人男子は普通選挙を実施していた。当時としては米国と何ら異ならない民主国家だった。
 戦後、逸早く日本は女性に選挙権を認めた民主国家だ。米国が1960年代まで黒人差別国家だったことに照らせば、日本の方が先進的だった。なにも米国に与えてもらった民主主義ではない。

 日本が戦略的に必敗の米国との戦争に踏み出したのは、日本国民を米国の奴隷にしたくなかったからだ。米国の奴隷になっていたら日本国民はどうなっていたか、格好の実例がフィリピンにある。フィリピンのドテルテェ大統領が「米国出て行け」と叫んでいる。
 そうした事態に陥るのを避けるには戦うしかない、と日本の指導者たちは決断した。いかに理不尽な要求を米国から突き付けられ、日本の指導者たちは耐えがたきを耐えていたか、歴史を紐解けば直ぐに解ることだ。

 世界に喧伝されているのは勝者の歴史だ。しかし日本国民は勝者の歴史をも冷静に検証して批判しなければならない。戦争で非業の死に斃れた先人たちや、戦後に「東京裁判」という茶番劇により虐殺された指導者たちの死を無駄にしないためにも、日本国民は賢くなるべきだ。
 安倍氏は戦後レジュームから脱却する、と息巻いていたが、彼こそが戦後レジュームの「GHQ史観」にどっぷりと浸かっているではないか。「最終合意」などという茶番なども彼の愚かさを証明する一例に過ぎない。北方領土返還を諦めろと国民に言ったに等しいプーチンとの会談には茫然自失するほど落胆した。アリゾナ記念館訪問を安倍氏自身の恥さらしの最後にしてもらいたい。

 日米は同盟関係を結んでいる、と思っているのは日本側の片思いに過ぎない。米国政府はいつでも中国と関係改善をさっさと行うし、北朝鮮が核開発していても見逃していた。日本にとって不都合なことが米国にとっては好都合だからだ。
 日本に差し迫った軍事的脅威があれば、ポンコツ・オスプレイだって米国内の一機当たり配備価格83億円の倍以上の200億円で買わせることができる。フワリフワリと不安定な飛行をするオスプレイが実践に向かないのは一目見れば誰にだって解ることだ。

 安倍氏が最も信用すべきは日本国民だ。安倍氏が最も尽くすべきは日本国民だ。日本の首相として、彼が最も奉仕すべきは日本国民だ。フラフラと世界を漫遊するのも良いが、日本国民は地震や豪雨や大火などの災害で苦しめられている。おざなりに被災地を漫遊するだけでなく、しっかりとしたインフラ整備や被災者に対する個人補償を行うべきだ。一月もしないうちに退任する大統領と会って、いまさら何を話し合うのか。


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